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1971年7.5月11.5日のカレンダー
僕は、祖母の実家にいた。夏の夕暮れで、僕は半袖のTシャツを来ていたと覚えているのだが、不思議とセミの鳴き声は聞こえなかった。日めくりカレンダーには、7.5月11.5日と書かれていた。.5?でも、何となくわかる気がした。僕は、七月でも八月でもない7.5月にいて、11日でも12日でもない11.5日に居るのだと思った。それはもしかしたら、七月と八月の間ではなく、六月と九月の間にあるのかもしれないし、10日と13日の間にあるのかもしれなかった。それでも、普通には入れない日付なのだと思った。
それにしても暑い。まだ7.5月だと言うのに。エアコンもない。扇風機もない。僕は扇子や団扇さえももっていなかった。だが、こういう時は、何もしないでじっとしているに限る。ただただぼーっとしていると自然と体温が落ち着いてきた。あれ、そういえば、なんでこんなに暑くなっていたんだっけ。それに、7.5月ってなんだっけ。そう思って、あぐらをかいて天井を見つめると、天井の見た先から、ナイフが一直線に飛んできた。まるで重力を無視したかのような直線で。そこで目が覚めた。