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第85話 シックザール魔教会との戦い

 国王直々に暗黒騎士に指名されたが、すぐにシックザールの本拠地に向かうことにした。


 若い暗黒騎士3人も行くと言ったが、国王が止めた。

 首都ボザーダイアにとどまり、けが人の手当てや町の修復に当たらせた。


「闇の指輪を作って、我が国ゾンネや世界各国を混乱におとしいれた張本人の顔をおがみたいところだ、わはははは」


 エルドウィン率いる太陽騎士団と俺たちは、すぐに首都ボザーダイアを出発した。


 リーゼの案内のもと、リフィーで空を進む。

 太陽騎士団はオレンジ色の獣に乗って、あとをついてくる。


 思った以上に、獣たちの機動力が高く、どんな場所でも平気で進む。


 日が暮れて、シックザール魔教会の本拠地があるヤミワス山のふもとで野宿した。




 翌朝。

 山を駆けあがり、尾根を越えると大きな教会を眺めることができた。


「いつもより見張りが多い」


 教会の警備にあたる信者たちを見たリーゼが言った。


「俺たちが来ることをわかっているってことだな」


「えぇ。もう四天王がいなくなったから、狙われるとしたら、残るココ本拠地」


「信者たちとは、ムダにやり合いたくないが……」


「キール。そこは太陽騎士団に任されよ。入り口への道を作る」


 エルドウィンが他の4人に視線を送った。


「混乱させればいいんだろ? かき乱してやるよ。行くぜ」


 1番大きな獣に乗っているこれまた獣じみた男が嬉しそうに飛び出て行く。


 それに3人の太陽騎士団がつづいていく。


 突然、獣が現れたので、信者たちは驚き、次々と太陽騎士団に向かって見境なく魔法を放つ。


 ——全員、無詠唱か。


「俺らも行くぞ」


「うん」


 たづなを握るエレナがリフィーを羽ばたかせた。


「エレナ姫は、リフィーと一緒に外で待機。なにかあれば呼ぶ」


「うん。気をつけてね、キール」


「あぁ」


 手薄になった入り口付近で、飛び降りる。

 俺につづいて、リーゼとカリンも。

 そして、エルドウィンも獣で突っこんできて飛び降りてきた。


 教会の中に入ると、信者たちが左右に分かれて、ただただ言葉を唱えている。


 しかし、なんて言っているのか聞きとることのできない声が建物の中で反響している。


「なにもしてこないのか……」


「たぶん、祈りをあげているだけみたい」


 リーゼが辺りを警戒しながら言った。


「それじゃ、先へ進もう」


 大きな扉を開ける。

 教会のメインホール。

 正面に背を向けた男が1人。その奥に、女がいた。


「とうとうココまでやって来たか、元賞金稼ぎの賞金首」


 男が振り返った。


「あいにく、暗黒騎士に任命されて、もうどちらでもなくなったところだ。お前らがやってることは、ここで終わらせてもらう」


「ふん。旧世代のマナ徒がいい気になってるんじゃない。四天王を倒したくらいでな」


「ヴェルナー・ヴァレーリア。教皇の息子だから、ずっとその地位にいるんでしょ?」


 リーゼが言った。


「シックザールの裏切り者に言われたくないな。俺は実力で教皇さまの下にいるのだ」


「ヴェルナーと言うとおり。私がその力を見こんだからこそ、ナンバー2にしている」


 ヴェラ・ヴァレーリア教皇が言った。


「なっ、なんじゃ?」


 エルドウィンがヴェラの姿を見て、目を丸くする。


「まさか……すでに一体化を?」


 リーゼの声に焦りが混ざっていた。


 ヴェラの上半身があがっていく。

 ヴェラの下半身は、龍と一体化していて、巨大な蛇のようだった。


「そうだ。教皇さまはマナを使い、自然と一体化された。誰よりも早く神の化身となられたんだ。いいか? 貴様らは今、神の前にいることを忘れるな」


 ヴェルナーが教皇の前で仁王立ちした。


「まったくマナをそんなことに使いやがって」


「賞金首……いや暗黒騎士か……もうお前らの考えは古い。マナは人を守るためだけにあらず。これからは、人を進化させるために使うのだよ」


「まるで神にでもなったような言い方だな」


「そうだ。いずれ、シックザールは神と人をつなぐ場になる」


「はっきり言って、そんなことにはさせねーよ」


 黒剣をヴェルナーに向けた。

 ヴェルナーは、スッと片手をあげた。


 祈りをあげていた信者たちが入ってきて、俺たちを囲む。


 ——これが人を進化させるやり方かよ。ただ駒にしてるだけだろ。


 リーゼ、カリン、エルドウィンがかまえる。


「リーゼ、そしてカリン。もとはシックザール。もし、今ここで改心するなら命だけは助けてやる」


 ヴェルナーが言った。


「リーゼ。あなたは四天王の中でも優れていたマナ使い。ここで死なせるのはもったいない。もし、ふたたびシックザールに戻るなら、ナンバー3の地位を与えるわよ」


 ヴェラが高い位置から見下ろすように言う。


 リーゼはカリンの肩に手を置く。


「リーゼお姉さま」


 2人は1度見つめ合って、うなずき合った。


「もう2度と、私たちの人生を狂わせないで。兄さんとも再会できた。それをまた壊そうというのなら、あなたたちを潰す」


 リーゼはヴェラをにらみつけた。


「はぁ、生きる唯一のチャンスを捨てるとはな。教皇さまのお言葉が聞けないヤツらには死んで悔いてもらう必要がある」


 ヴェルナーは、スッと手を下ろして合図した。


 信者たちが、いっせいに手をかざしてきた。


 たちどころに、黒い炎の球が放たれる。


 ——マナ・リヒトワンド


 俺とリーゼが手をかざす。

 周囲に光の壁を発動させ、自分たちを保護する。


 光の壁に激突した黒炎の球は、黒い火の粉を散らして消えた。


「やめるな。もっと強い祈りで、光の壁を破壊するんだ。裏切り者に罰を与えよ」


「「はい」」


 信者たちはふたたび手をかざす。


 黒い刃の風が、次々と放たれる。


 光の壁に触れると、ふわりと勢いを失って消えていく。


「まだまだだ。お前たちの力はそんなものなのか?」


「「はい……」」


 しかし、信者たちの中か倒れてしまう者も出てきた。


「無理させやがって……」


「わははは、確かに。こういう場合は、本体を倒すのが手っ取り早いぞ」


 エルドウィンは、ヴェルナーに斬りかかった。

 ヴェルナーも剣を抜く。

 剣が一瞬で冷却して、アイスソードに変わった。


「なにっ? グワッ」


 エルドウィンはヴェルナーの剣を受け止めきれず、吹き飛ばされて壁に激突してしまった。


「エルドウィン、大丈夫か?」


「あ、あぁ。なんて剣だ」


 エルドウィンは瓦礫の中から立ちあがる。


 ——姿形を変えて、魔法のような力。魔剣か。


「リーゼ。今のうちに信者たちを」


「えぇ」


 ——マナ・ベフライウングヒルフェ


 俺とリーゼは信者たちに手をかざす。


 白い光に包まれた信者たちから、黒い魔法陣が浮かびあがった。


 そして、その魔法陣は、粉々に砕け散る。


 信者たちは意識を失って、その場に倒れていった。


「ふん。まだまだ忠誠への祈りが少ないヤツらめ」


 ヴェルナーが剣をかまえてくる。


「お前の忠誠心とやら、俺がぶった切ってやるよ」


 俺は黒剣をかまえた。


「キールたち、どうなるのっ……!」

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