↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/93

第73話 宴とみんなで添い寝

 ニーナを飛竜に乗せて、モーゼスの秘宝島を飛び立った。


 アルスとヴェロニカ、リーゼは、紫苑騎士団と先にレイアルロイツの都に行ってもらっている。


 エレナは俺の背後に座って、腰に腕を回している。


 ハザシュの町のランペルツ家の広い庭に降り立った。


 何ごとかと、依頼主のロイスと使用人ヨーゼフが駆け出てきた。


「キ、キール殿? いったい……」


「パパ」


「ニーナ」


 リフィーから先に降りてから、ニーナを降ろしてやるとロイスに抱きついた。


「おっおっおっ、ニーナさま……よくぞ、ご無事で……」


 ヨーゼフは涙を流した。


「コホッコホッ……ニーナ……」


 ニーナの姉メラニーも寝間着姿で現れた。


「メラニー。寝てなきゃ、ダメでしょ」


 すぐにニーナがメラニーの体を支えた。


「コホッ……あなたのことが心配で……ニ、ニーナは大丈夫なの?」


「もちろん、私は大丈夫。キールが助けてくれたから、ね」


 ニーナは微笑んだ。


「2人並ぶと、本当にそっくり」


 エレナも微笑ましく2人を見つめていた。


「あぁ」


 互いに思い合える姉妹か。

 いい姉妹だ。

 これから俺も、リーゼとそんな仲になれるだろうか……。


「キール殿。本当にありがとうございます。ヨーゼフ、すぐに報酬の準備を」


 ロイスが深く頭を下げてきた。


「はい、ご主人様」


 以前、通されたランペルツ家の部屋で待っていると、報酬金が用意された。


「今、用意できる分で、2,000万セピーです。もし、足りないというのであれば、後日、用意します」


「いや、それで問題ない」


「本当にニーナを助けてくださり、本当にありがとうございます。しかし、いったいどこに……」


「まぁ、悪いやつにさらわれて、隔離されていた。怪我はない。大丈夫だ」


「そうですか……もう本当にありがとうございました」


「それじゃあ、俺たちはこれで」


 リフィーに乗って羽ばたくと、ニーナとメラニー2人そろって、部屋の窓から手を振って見送ってくれていた。




 夕方を過ぎて、レイアルロイツの都に到着した。


 城へ入ると、すぐに大きな広間に案内された。

 そこには、立食形式の豪勢な食事が用意されていた。

 紫苑騎士団弐番隊や兵士、アルスにヴェロニカ、タビタは、すでに壇上前に並んでいた。


 俺とエレナもそこに並ぶと、国王が現れた。


「みな。よく無事に戻ってきてくれた。シックザールの思惑をよくぞ阻止してくれた。感謝する。とくにキールよ」


「はい」


「お主の活躍ぶりは、紫苑騎士団から報告を受けた。脅威に立ち向かうその能力と勇敢さは、みなに勇気と平和をもたらしてくれた。あらためて、深く感謝する」


「身にあまるお言葉でございます」


「今今のシックザールによる脅威はなくなっとはいえ、完全に消えたわけではない。とはいえ、今回の働きにささやかではあるが、体と気持ちをいやしてもらいたい。しばし、ゆっくりとするがよい」


 一同、国王に頭を下げた。

 それぞれ、思い思いの食事の時間となった。


 エレナとアルスが、せっせとテーブルの上の料理に手を伸ばしていく。


「あ、あのー、私なんかもいいのでしょうか……」


 と、タビタが困惑していた。


「この場に呼ばれているんだからいいんだろ」


「キール、コレ、おいしいよ。ほら、タビタも」


 とエレナが手を振る。


「ぼべどぼびじぃぃべぶ(とてもおいしいぃぃです)」


「食べながらしゃべるな、アルス……さぁ、俺たちも行こう」


「はい」


 エレナたちのいるテーブルに向かった。


 それからしばらく料理を堪能した。


「キール。やっと君と話せる」


 ずっと兵士たちに囲まれていたフレデリックが、ヴェロニカを連れてやってきた。


「隊長も大変だな」


「こんなときでもないと、俺とは話せないだろうからな。それより、今回はキールが本当にいて良かった」


「こっちこそ、フレデリックたちの力があったからこその結果だよ」


「そ、そうか。そう言ってもらえると、少しは気持ちが休まる」


 弐番隊隊長としてのプレッシャーを感じているんだろうな。


「あ、妹リーゼのことだが、念のため見張りをつけて休んでもらっている」


 フレデリックは少し言いにくそうだった。


 もともとシックザールにいたリーゼだ。

 体調が万全でないとはいえ、まだ様子を見ておきたいのだろう。


「もし、顔を出すのであれば、言ってくれれば案内する」


「あぁ」


「それと、ヴェロニカのことだが」


 フレデリックは、隣にいたヴェロニカを見た。


「あわわわ、キール。わたくし、紫苑騎士団に入らないかと、フレデリックに声をかけてもらいまして……」


「へー。ヴェロニカがいいなら、いいんじゃないか?」


「いちおうキールには断っておかないと思ってな」


 フレデリックが言った。


「かっちりパーティーを組んでいるわけでもないし、そこは自分の判断に任せるさ」


「あわっ、そしたら、わたしくし、紫苑騎士団に入隊したいと思います」


「あぁ。ヴェロニカなら十分、戦力になる」


 ヴェロニカはパッと笑顔になった。


「単なる戦力どころじゃない。すぐにでも一個小隊を任せたいほどだ」


「あわわわ……そ、そんな……」


「本当だ。俺の目に狂いはない」


 フレデリックがヴェロニカを見つめる。


「ヴェロニカ。君ならやっていけるさ」


「キール……ありがとうございます」


 ヴェロニカは、胸をなでおろすと同時に、背筋が伸びたように見えた。


 それから宴はつづき、夜も更けてお開きとなった。




「で、なんでこうなる……部屋を用意されてるだろ」


「寝るときは、キールの隣だもん」


「そうですぅ。あの、もっと強く手を握ってくださいですぅぅ」


「どんな要求してんだよ」


 結局、俺はいつものごとくエレナ姫とアルスに挟まれて寝ることになった。


 はぁ……。

 手を握られ、腕をつかまれて、寝返りすら打てねー。


 微妙な暑苦しさを感じつつも、疲れていたのか、いつの間にか眠ってしまっていた。



 ボフッ



「うぐっ」


 夜中、突然、俺の上に誰かが覆いかぶさった。


 誰だ?

 姫か?

 重い。


 パッと目を開ける。


「兄さん……」


 えっ?


「リ、リーゼ?」


「うん。私も一緒に寝る」


「えっ、いや俺たち兄妹だし……」


「昔は、よく一緒に寝てたでしょ」


「いや、それは子供だったから……」


「じゃあ、この2人は?」


 リーゼは俺の上で体を起こして、エレナとアルスを交互ににらみつける。


 おい、リーゼ。

 その目は、なんだ?

 まさか、シックザールのリーゼがまた目覚めたのか?


「兄さん、2人も3人も変わらないでしょ」


 ふっと目元をゆるめたリーゼが、ふたたび覆いかぶさってきた。


「はぁ……兄さんの匂い……久しぶり……」


「リーゼ、重い」


「私が知らない間に、体だけが勝手に成長しちゃったから……」


 そうなんだろうけどよ……。


「安心する……兄さんの……におい……」


 リーゼは俺の上で本当に眠ってしまった。


 リーゼはこんな性格だったか?

 それより、身動きがとれない上に、重苦しい……。


 妹の成長をじっくり体感した一夜となった。


 翌朝、エレナ姫とアルスがリーゼの存在に驚いたことは言うまでもない。


「おもしろかった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある ☆☆☆☆☆ から、作品への応援お願いいたします。

おもしろかったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直な気持ちで大丈夫です!


続きが読みたい方は、ぜひブックマークもしていただけると本当にうれしいです。


よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。