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第47話 ロラストの都

 翌日。


「もう少しゆっくりしていってもいいのだぞ、キール」


 マオノに支えされるピウス村長が見送りに来てくれた。


「捕まえた賞金首を連れて行かないと、また暴れられても困るんで」


 すでに、縛りあげた殺し屋ファルコをリフィーのカゴに乗せている。


「確かにの。そうしてもらえるのはありがたい。キールよ、村を救ってくれてありがとう」


「キール、エレナ姫、アルス……本当にありがとう」


「大きな被害が出なくてよかった、マオノ」


「みんなのおかげです。リフレリアから、ここまで本当にありがとう」


 マオノは頭を下げた。


「もうマオノと一緒に旅できないの?」


 エレナが寂しそうに聞いた。


「ごめんね、エレナ姫。村に残って、村の人たちや子供たちに魔法を教えていきたいの」


 もし、村になにかあったときのために、ちゃんと村を守りたいのだろう。


「短い間だったけど、みんなと一緒にいれてよかった。この後の旅も、気をつけて」


「あぁ」


 マオノや村の人たちに見送られて、俺たちはソピナ村をあとにした。


 俺の前に乗るアルスと、背後からしがみついてくるエレナは、眼下で小さくなっていくマオノたちに手を振りつづけていた。




 殺し屋のファルコをバウンティーハンターギルド、いわゆる賞金稼ぎギルドに引き渡すため、ロラストの都へ向かった。


 ロラストの都は、ソピナ村に向かう途中で見たエリンネリミア国の王都だ。


 ピウス村長には悪いが、ゆっくりするなら都のほうがいろいろと楽しめそうだ。


 ロラストの都に到着し、バウンティーハンターギルドを探した。


 多くはパブの中にある。


 数軒ならぶパブのひとつにギルドはあった。


 無事、ファルコを引き渡すことができた。


 店主の男が、カウンターにカネの入った袋を置いた。


「残りのカネは、この紙に示されてる。いくつかの町でこれを見せればもらえる」


「わかった」


「それにしても、よく懸賞金900万のファルコをとらえることができたなぁ」


「ん?」


「ここひと月ほど姿が見えないって話だった」


「そうだったのか。これまた俺は運がいい」


 シックザールと交渉して姿が見えなかったんじゃないか。


 まぁ、結果、たまたまソピナ村で相まみえただけだろう。


「そうだ、マスター」


「なんだい?」


「ドラゴンを預かってくれる宿ってある?」


「それなら宿街に行くといい。宿とドラゴン貸しが提携しているところがある。そこで預かってもらえる」


「それは助かる。少しゆっくりしていこうと思ってね」


「宿は川沿いに多い。ドラゴン貸しはだいたい川下のほうだ」


「いろいろありがとう」


「宿を取るなら早くしたほうがいいだろう。埋まっちまっているかもしれない」


「ん、なぜ?」


 店主の男は、ジッと俺を見つめてきた。


「……アンタは、例の話を聞いて来たわけじゃあなさそうだな」


「例の話?」


 俺は首をかしげて見せた。

 なんの話なのか、まったくわからない。


「いやね、都にぞくぞくと賞金を稼ごうとしているやつらが集まりはじめている」


「へー。ここには、そんなに賞金首が集まっているのか?」


 それとも懸賞金の高い賞金首でもいるのか?


 手配書が壁に貼り出されていた。


 手配書の数を見ると、そこまで数が多いわけじゃなさそうだな。


「集まってきたヤツらが言うには、近々、賞金首たちが都にやってくるって言ってる。どういう理由かは知らないが。それで、それを聞きつけたカネほしさのヤツらが集まってきてるわけだ」


 それで宿が埋まっているかも、か。


「賞金首がいるなら、捕まえるまでだ」


「そうしてもらえるのは嬉しい。まぁ、なるべくなら、なにも起きないでほしい」


「俺もそう思う。ゆっくりこの都を見たいところだ」


「あぁ、ロラストはいいところだ。ぜひ、ゆっくりしていってくれ。夜は、うちにも寄ってくれよ」


「あぁ」


 パブを出る。


 エレナとアルスは店の前で、リフィーと待っていた。


 通りが広いとはいえ、ドラゴンがいると狭く感じるな。


「900万セピー」


 アルスが目を輝かせる。


 現金なヤツだな。


「今回も全部じゃねーよ。そんなに持ち歩けないっての」


「キール、早くカジノ行こうよ」


 エレナが言った。


 なんでそんなにカジノに行きたいんだよ、姫さんよ。


「その前に、今夜泊まる宿を探す。リフィーを預かってくれる場所もな」


「じゃあ、早く探そう」


 エレナはせっせとリフィーに乗って、たづなを握る。


 積極的すぎるだろ。


 川沿いに回ると、宿が軒を連ねていた。

 どこもきれいな川の眺めを売りにしている宿ばかりだった。


 観光客や例のカネほしさのヤツらが多くいるせいか、部屋が空いていない。


 今回もエレナが同じ部屋を強く望んできた。


 何軒か回って、ひと部屋見つけることができた。むしろ、今回は一緒のほうがいい。


 パブの店主の話。なにごともなければいいが。


 宿と提携しているドラゴン貸しのところにリフィーを預けた。


 宿から少し離れていた。

 川下にドラゴン貸しが集まっているのは、鳴き声や匂いを町に届かせないためのようだった。


 エサも出してくれて、世話してくれる。


 さすが国1番の都だ。

 ドラゴンの数も多い。

 いたるところから人が来るようで、うまい商売を考えるな。


「リフィー、ここでゆっくりしててね」


 と、エレナがリフィーの体をさする。


 クゥァ


 少し寂しそうだな。

 さすがに町中を連れ回すわけにもいかないしな。

 ここで待っていてもらうしかない。


 リフィーを預けて、また町の中心へ歩いて向かう。


「カジノ、カジノ」


「わたしもジャラジャラしてみせますぅ」


「うん、ジャラジャラだそう」


「はいですぅ」


 悪いが2人とも、ジャラジャラしているところが想像できないんだよな。


「頼むから、負けすぎないでくれよ」


「うん、任せて。きっと大丈夫だから」


「ですぅ」


 はぁ、心配だ。


 カジノに行く、と張りきっていた2人だったが、気になる店や食べ物に魅せられていた。


 歩き回って、やっとカジノに到着した。


「なんか、すごくおカネの匂いがする」


「しますぅ。そして、すごい大人な場所……ドキドキ」


 アルスが胸を手で押さえていた。


「突っ立ってないで、入るぞ」


「うん」

「はいぃ」


 と、入り口で人とぶつかった。


「あっ、すまない」


「あわっ……ご、ごめんなさい……」


 白銀を基調として赤のラインの入った鎧を身につけた女だった。


 女は手に持っていた紙束を落とし、紙が散らばった。


「あわわわ……」


 慌てて紙を拾おうとする。

 しかし、兜がずれて見当違いのところに手を伸ばしている。


 ちょっと、大丈夫……なのか……。


 みんなで紙を拾う。


 手配書か。

 って、全部、賞金首の手配書じゃねーか。

 この女もカネほしさにやってきたのか?


「おもしろかった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「今後どうなるのっ……!」


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