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第45話 赤の合体

「キール。2人相手にしても強いね」


 森の中からエレナとアルスが姿を現した。


 おいおい、なんで出てくるんだ?


「おい、姫さんたち。戻ってろ。まだだ」


「えっ? もう倒れてるから、てっきり」


「たっ、立ちあがりましたぁ」


 アルスがおびえるようにしてエレナに抱きついた。


 戻れ戻れ、と手を振ると、2人はゆっくりと後ずさりしていく。


「まだ、仲間がいたとはな……」


 ルーペルトが起きあがった。

 すぐにマルギットも起きあがる。


 コイツら、傷が治ってやがる。

 レッドエリクサーの効果か。

 となると……。


「聞いていた話より、効き目があるな」


「えぇ、そうね。マナを使えるようにしてくれたシックザールだからこそかしら」


 レッドエリクサーもシックザールが作ったものか。


 ローブを着てるから見た目にはわからないが、肉体も活性化されてるんだろう。


 しかし、コイツらは近距離タイプじゃない。


 レッドエリクサーが個々の能力をアップさせるなら、コイツらの場合は魔力だ。


「ふっ。これなら、思う存分、マナを自在に扱えそうだ」


 ルーペルトが手を俺に向けてきた。

 それだけで、巨大な火炎が勢いよく放たれる。


 ——無詠唱。さっきよりも速くマナを扱えるようになったか。


 サッとよける。


「へー、それなら、私も……」


 つづけてマルギットも俺に手のひらを向けてくる。


 四方八方から稲妻が俺に向かってきた。


 ——すべてが同時じゃない。ここなら。


 わずかにできた稲妻の隙間を見つけて飛びのけた。


「これは、すごいわ。まったく雷のマナがなくても扱えるなんて。威力もあがってる。ふふっ、昔のマナ徒にはこんなことできないでしょうね」


 マルギットがニヤリと嫌みったらしく微笑んだ。


 ——どうも、まともにマナが使えるようになったわけじゃなさそうだな。


「そうだな。これだけの威力があるなら、対象に近づく必要もない」


「そうね。まずは、あの女から」


 マルギットがその場で、天に手をかざした。


「マオノ」


 地面を一瞬強く蹴りこんで、いっきにマオノの前に移動する。


 ほぼ同時に天からいくつもの稲妻がマオノに突き進んできた。


 俺は手を振り払うようにして、稲妻を地面に受け流した。


「雷を手で払いのけるなんて……これもマナの」


 マオノが驚いて声をあげた。


「まあな……」


「なんなのよ、アイツ。ことごとく私の攻撃を……」


 マルギットがいらだちを見せた。


「貴様、マナを守ることにしか使えないのかよ」


 手を俺に向けたままルーペルトが言った。


「使えないんじゃない。人を守ることにしか使わないんだよ」


「使えるものをあえて使わない……古いままの考えだ。我々は進化する。それだから、進化を拒んだ古いマナ徒は排除されていくんだ」


「人を殺してまで、進化するほどマナ徒は、馬鹿じゃないんでね」


「おもしろい。イヤでもマナを攻撃に使わせてやる」


 ルーペルトが手を教会に向けた。

 そして、巨大な火球が放たれて、教会の屋根が吹き飛んだ。


 中にいた子供たちが、悲鳴をあげて出てきた。

 遅れて、気絶しているヴィドを引きずってくる少女。


「教会ごとぶっ飛ばすつもりだったが、まだコントロールができていないか。ハハハ」


「マオノ。子供たちをリフィーのところ連れていくんだ。そして、ここから離れろ」


「でも、キールは?」


「俺なら大丈夫だ。こいつらを倒す」


「わかった」


「行け」


「みんな、私についてきて」


 マオノはヴィドを抱きかかえて、森に向かって走り出した。


「あっ」


 1人、少女がこけてしまった。


「さぁ、その子をどうする?」


 マルギットが少女に向けて手を振りかざした。


 細い氷の槍が少女に向かって放たれた。


 俺は氷の槍の進路をふさぐようにして立った。


「なにっ? 氷槍が溶けていく? なぜだ……」


 俺の眼前に熱の壁があるかのように、槍はみるみると溶けていった。


「溶けたんじゃない。氷になったマナを元に戻しているだけだ」


 ——まったく、マナをこんな風に扱うなんて許せないな。


「元に戻すだと? 昔のマナ徒は、わけのわからないことを言う——っ、ぁ、ぁああ」


 突然、マルギットがあえぐような声を発した。


「ど、どうしたマルギット」


「な、なんかぁ、体が熱いのぉ……すごくよくて、果てちゃいそ……なのぉ……アッ、ァアアアーン」


 快楽を帯びた声を発して、マルギットの服が破れ散った。


「あーあぁー、あっあぁー」


 真っ裸になって、胸をふくらませるように大きく呼吸をしているマルギット。


「お、おい……マルギット、なにしてるっうっ、クアァ……」


 ルーペルトも両腕で自分の体を押さえこんだ。


「ヌァアアアア……」


 ルーペルトも体をのけぞらせて、服が爆発するように飛び散った。


 コイツらも……またアレか。


 レッドエリクサーの性的興奮作用……。


「オトコ……オトコ……オトコォォォ」


 正気を失ったマルギットが俺を見つめてきた。


 女がそうなれば、狙うはやっぱり男……俺か。


「アッアッアアアアアァァァァ」


 マルギットの股の付け根から大量の水が吹き出た。


 興奮しすぎだろ。

 しかし、もうあの状態は獣のようだな。

 だからこそ、油断ならない。


 突然、ルーペルトがマルギットを押し倒した。


「! まぁ、男と女がいれば、そうなるよな」


 ルーペルトとマルギットが互いに求め合いはじめた。


 2人は合体。


「アッ、ァアアアアアアーーーーーン」


 光に包まれる。


「くっ。なんだ?」


 光がおさまると、ルーペルトとマルギットの姿はなかった。


「おいおい、どうしてこんなものが……」


 見あげるほどの巨大な赤ん坊が座っていた。


 子作りから子供が生まれたってわけか、これは?


「バブバブ……アッヒャー」


 半壊していた教会に拳を振り下ろして、粉々に破壊した。


「アヒャヒャヒャ」


 陽気な赤ん坊の笑い声が響き渡る。


「建物はおもちゃじゃないんだぞ」


 赤ん坊は、破壊された教会のがれきを握った。


 おいおい、はっきり言って赤ん坊の握力じゃないだろ。

 がれきが塊になっちまったぞ。


 そして、それを俺に向けて投げ飛ばす。


「ちっ」


 剛速球と化した塊をよけると、後方の森の木々が吹っ飛んでしまった。


 マオノたちのほうに、投げさせないようにしないとな。


 立ちあがられたら面倒だが……。


 赤ん坊は、手をついて立ちあがろうとする。

 なんとか立ちあがるが、ふらふらして後方に倒れてしまう。


「うっ……うっ……おぎゃーおぎゃーおぎゃー」


 ぐずるように手足をバタバタさせて、周囲の地面に穴をあけては、土煙があげる。


 巨体でも見た目のまんまの赤ん坊か。

 まさに、あの2人の子供らしいよ。

 さらに暴れられても困るから終わらせてもらうぜ。


 黒剣をかまえる。


 ——暗黒龍昇乱舞斬ダークドラゴンスラッシャーランブ


 まるで黒龍の歯で噛みちぎられるように、爪で引き裂かれるように、巨体の赤ん坊は光を放って、その姿を消した。


 ふう。

 レッドエリクサーに、マナ、シックザール魔教会。


 やっとあの紋章の正体がわかってきたのに、やっかいなことになりそうだな。


「キール、すごい!

「おもしろかった!」

「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


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