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夜中に女性から突然電話がかかってきた時、皆さんはどうしますか?

ほとんどの人はとても嬉しく、電話に出たり。え、なんだろうと気になりつつ一応出るだろう。もちろん俺もすぐに出る。

ましてや、気になっていた人や彼女とかだったら、何の躊躇なくすぐに電話に出る。


では、妹から電話がかかってきたら?

多くの人は嬉しく電話に出るだろう、だが俺は嬉しくないし、出たくない。

別に妹が嫌いとかではない、ただ電話だけには出たくないのだ。


そして今日。妹から連絡があり、電話がかかってくるのだ。

毎回毎回急に電話をかけてくるのではなく、ちゃんとこの日の何時に電話をするよと連絡してくる。


ちなみに送られてきたのは、「今日の二十三時に電話するよ♡」

可愛らしくハートまで送ってきた。


どうして毎回連絡してくるかって?

どうせ、予定が合って出れませんでしたを使えなくさせることだろう。確実に電話に出ろよてことだろう。

なんて計画的で悪魔的な妹なんだ。


そんなこんなで嫌だな嫌だなて思いながら、ベットの上で寝っ転がっていたら、約束の時間がやってきた。


夜の二十三時。一秒遅れもなしに、きっちり丁度に電話をかけてきた。


俺は出ようか出ないかで迷っていた。

ここで出たら地獄の始まり、出なかったら出なかったで後々恐ろしいことになるはずだろう。

ここはやっぱり出ておくべきなのか。それとも寝ちゃって出れなかった〜、ごめんね〜〜。で許してもらうべきか。

俺は数秒腕を組んで考え、素直に電話に出ることにした。


電話相手の声はもちろん、妹で一ノ瀬玲奈いちのせ れいなだ。

ちなみに俺は一ノ瀬睦いちのせ りくである。


「あ、もしもし。どちら様ですか? 間違え電話だと思います!!」


「リクニー、間違え電話じゃないに決まってるでしょ」


低く冷たい声が聞こえてくる。一瞬ゾッと感じてしまった。


ちなみにリクニーとは、睦兄を訳してリクニーて言うらしい。どうでもいけど。



妹と電話で会話してから一時間が経った頃。


そろそろ眠くなってきた俺は、「妹さんや、そろそろ夜中の十二時ですよ。女の子はお肌のケアや健康は大切にしないとダメなんじゃないですかね? それに学校もあるんでしょ」


「大丈夫だよ、リクニー。明日は学校休校だし、お肌も綺麗ですよ〜、そんなに心配なら写真送ります〜」


「結構です」、と言ったが、すぐに妹の顔写真が送られてきた。

俺は特に見たくなかったので迷わず削除した。


「それでね、それでね」


また妹は話し始めた。

はぁーーー、これはいつもと同じ朝コースか。

俺は妹の会話を聞きながら、冷蔵庫に向かいエナジードリンクをチャージし、最後まで妹に付き合うことにした。



「以上!今回はここまで!」


やっと終わりの言葉が聞こえた。

全てを話し切ったのか、嬉しそうにしてるのが伝わってくる。

時刻は朝の五時になっていた。六時間もはなしていたのか、恐ろしい。


「はいはい、おつかれ。それじゃー俺はもう寝るわ」


「楽しかったよ!リクニー、また話そうね!」


また話そうですか……。

嬉しいのか嬉しくないのか、今の俺は全く分からない。


これで分かっていただけただろう、俺が妹から電話に出たくない理由が。

そう、俺の妹。一ノ瀬玲奈は、長電話をするのが好きなのである。


妹の電話は気まぐれに電話してくる。だいたい二週間に一回電話をかけてくる。

それも毎回朝コース。正直よくこいつは話すことがたくさんあるなと、感心するぐらいずっと喋り続ける。俺も色々話したりするが、最後の方ではうんしか言っていない。


他の人達も可哀想だな思いきや他の人達は普通で、俺にだけ永遠に話し続けるという、なんて恐ろしい妹だ。


よし!こうなったらもう妹の電話に出ないぞ!!と決意をし、寝ることにした。

二時間後には学校だ……。


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