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096 空中戦と保護活動

 

 リーベには、マーカチスの平和な青空の下、きれいな向日葵畑の前で麦わら帽子をかぶって笑っていてほしい――そんな清らかな気持ちをレヴィンと共有してしまいながら、大空の帰りの空路を気持ち良く飛んでいた。


 高所を怖がっていた私の為か、リーベはつとめて私へ話題を振って気を紛らわせようとした。


「今回でなんとかレベル20まで上がったんだ」


「おお! かなり早かったね。頑張ったねえ」


 おばちゃんみたいな褒め方になってしまったが、リーベは私に褒められて嬉しそうに笑った。


 末っ子属性め! 可愛いぞこの!



 レヴィンは40くらいあるのでまだまだに見えるが、一般モブ兵士よりだいぶ強い。


 一般騎士様くらいの強さにはなっているはずだ。


 ようやく攻略キャラっぽくなってきた。



 和やかな空の旅により少し慣れてきた大空の上で私は少し力を抜き、綺麗な景色を眺めながら雑談に興じた。


「これならヴァンデミーア付近の魔物討伐にも行けそうだね」


「本当かい?」


 リーベの直近の目的はヴァンデミーアに蔓延る魔物達を倒す為に奮戦している兄、レオンハルトを助けること。


 その目的に近付けたことをリーベは喜んでいる。


 良かったと笑い合う私たちに混じることなく、車を安全運転するお父さんよろしくレヴィンは手綱を握っていた。



 そんなレヴィンを眺めながら少し私は考えていた。


(――それにしても、頼れるレヴィン兄貴が10年間仕えた少年にめっぽう弱いとは……)


 そんな設定は作ってなかったけど、レヴィンの人生を180度変えた少年だと思えば納得も出来た。


 レヴィンはヴァンデミーアの平民でならず者……スラムの人間だったが、誘拐されたリーベを偶然見つけ、助けて親元に返したら懐かれて、そのまま護衛兼リーベのお世話係に栄転して10年べったり共に過ごしてきたことになる。



 原作ではレヴィンのラッセンブルグ界隈で、簡単に仲間になるキャラが居なくて、テキトーに付けた関係設定だったので殆ど二人の絡みも無く(まあ乙女ゲームだし)ひたすら頼れる兄貴、背中で語る渋い男レヴィン、というレヴィンルートだった。


 なので二次創作でレヴィン×リーベが少し流行っていると聞いて「へー! そんなところもカップリングにするんだ!」などと思っていたが、こうやって現実になってみると……



 そりゃあ敵国に一人で留学なんて心配だろう。


 カムイでいう私みたいなものなのか? そう思うとなんとなく合点がいった。あの子も相当に義理堅い。


 そう考えるとここまで考察しレヴィン×リーベを爆推ししていたゲルベルグさんは、本当に『聖女勇者』を深く読み込んだヘビーユーザーだと感動した。


 この世界の設定や攻略キャラは全て熟知していると思いこんでいたけど、また新しい発見が出来て、なんだか嬉しい。



 そんな感想を抱いていると急にレヴィンの顔が渋くなり、何事かとレヴィンの視線の先を追った。


「……あ! レヴィンあれ!」


「ああ。魔物の群れだな」


 そんな物思いに耽っていたら、魔物が森の動物達を襲っているのを見かけた。


(魔物は動物まで襲うのか!)


「大変! 助けに行きましょう!」



 この辺りはクレルモンフェランと魔人連邦ガノンの国境。魔物の発生も多いのか山は禿げ、生気が感じられない。


 しかしその禿げた岩山のおかげでわらわらと群れでいる魔物を見つけられた。


 助けようと身を乗り出す私をレヴィンは片手で制する。



「数が多すぎる。降りるのは危険です」


 確かにレヴィンとレベル20になったばかりのリーベと非戦闘員の私ではなかなかに厳しいものがある。


「……なら、安全な場所から撃てばいいのよ。リーベ、魔法のバッグからあの銃出して」


 リーベは思案顔でシャルルからもらっている銃を思い浮かべ、首をこてんと傾かせた。


「あの銃……? どれだろう」


 シャルルが銃製作が楽しかったのか、ゲルベルグさんが外の世界の知識から色々入れ知恵した為に種類が豊富なリーベの武器。


 その中でもなかなかにリーベに似合わない銃があった。



「これ! マシンガン!」


 連射する分MPはかなり減るけど散弾で大量の敵に攻撃が出来る。


「私の攻撃支援をかけます! 思いっきり撃ってみて!」


 私の支援魔法を受け取ったリーベは動物たちを助けることに異議はないようで、しっかりと頷きマシンガンを構えた。


「わかった、いくよ……!」


 けたたましい音と共に大量の魔法の弾が連射され、私はジェノスに掴まりながら耳を抑えた。


 マシンガンをぶっ放すキラキラ王子。最高にシュールだ……


 空中に飛ぶジェノスの上から雨のように魔法の銃弾を浴びせるなどまさに戦闘機。


 地上にいる空中に攻撃手段のない魔物たちは一方的に駆逐されていく。


「こ、これが制空権……!」


 空中からの攻撃が強いと改めて思い知った。



 しかし空飛ぶ敵も何匹か居たらしく、こちらに向かって攻撃を仕掛けにきた。


 飛んできた大きい鷹のような鳥とトンボのような魔物は直ぐに私たちの近くへと迫ってくる。


「ひえぇ……大きめの鳥型と虫型の群れ……」


 やはり魔物が迫ってくるのは恐ろしい。


 最悪ジェノスごとバリアを張って逃げ切れば無傷だとしても襲われる恐怖は筆舌にし難い。



 私が恐れおののくと同じく、レヴィンはジェノスの手綱を放しジェノスの身体を数回軽く叩いてなにやら合図を送った。



「坊ちゃん、マリアお嬢さん。しっかり捕まっててください!」


「わかった」


「えっ!?なになに!? きゃあ!!」


 そう言われるやいなやリーベは私を抱え、ジェノスに付けてある鞍の掴みやすくなっている取っ手部分を掴んだ。



 レヴィンを見ると大剣を握り、飛ぶ魔物の中でも厄介そうな大型目掛けて飛び降りる。


「レ、レヴィン!?」


「大丈夫だよマリア」


 レヴィンの剣はその反動そのまま豪快に叩き斬り、巨大な魔物は真っ二つで重力のまま地上に落ちていった。



「やったぁ……あああアア!?」


 喜びも束の間ジェノスは信じられないほどのスピードで急降下し、レヴィンをキャッチする。


「マリア、舌を噛まないように口を閉じておいて」


 リーベが代わりに手綱を持ち、支えくれている片腕に掴まりながら進行方向を見れば、そのまま残りの空中にいる大型魔物へ飛び込むように進んでいく。


 私は目を白黒させながら飛んでくる魔物をみやった。


「ぶ、ぶつか……っ」


 そういうよりも早くレヴィンがジェノスの身体をつたって頭から大型魔物へ攻撃。


 ぶつかる事もなく魔物はレヴィンの大剣に両断され、その残骸の間をジェノスは悠々と飛んだ。



「…………」


「マリア、大丈夫?」


 慣れた様子のリーベに支えられながらも初の竜の上での空中バトル。


 残りの小さめの虫型魔物はジェノスが丸呑みで噛み砕いており、食べられる魔物の声と今乗っている竜のお腹が消化してるようにぐるぐると音が鳴るのが妙にリアルで放心状態だった。


「シートベルト……なんらかの命綱を作らせよう……」


 と私は心に誓った。




 リーベのマシンガン型魔法銃により随分弱った魔物をレヴィンとジェノスが殲滅し、群れの討伐は成された。


 竜に酔ってぐったりとした私は地べたで座り込んでいただけです。



「もう……怒涛の戦闘で何も言えなかったよ……」


「悪いお嬢さん。しかし、やっぱりマリアお嬢さんの支援魔法は凄いな」


 レヴィンは自分でも驚きの斬れ味だったらしく、まだ何度か剣を素振りしていた。



 まるで飛行機のアクロバティックプレイを味わったかのように、まだ立ち上がると足がフラフラとする。


「マリア、大丈夫かい?」


 気遣って支えてくれるリーベは、儚げな美少年フェイスをしておいてまるで平気な顔でケロッとしていた。


 子供の頃からこんな危険な乗り物に乗ってたらレベルは上がらなくても内部パラメータ的なものが鍛えられたりしたんだろうか。


 攻略キャラの攻略キャラたる所以を垣間見た瞬間だった。



「それにしても、この一帯の動物は大丈夫だっただろうか……」


「そ、そうね……」


 正気を感じない土地を見渡していると、岩山に明らかに何かあるような洞窟が広がっていた。



「あっ あの洞窟……」


 私がその洞窟を指し示すとレヴィンが危険だと注意をした。


「ああいった大きな出入り口の洞窟には大型の生物が住んでいることが多い。危ないです」


「そう! 大型の生き物が住んでるの!」


 私がキラキラした目で返事をするとレヴィンは露骨に嫌な予感を感じた顔をした。


「なんでそこで嬉しそうなんですか……」



 大型の生き物が住んでいるということは、いるかもしれないのである。


 しかもこんな魔物生息地帯で生き残れる程の強い動物……。



 先程魔物から逃げていた動物たちが逃げ込んだであろう洞窟から、それはやってきた。


「……竜だ」


 一頭ではない。それも数十頭はいるであろう竜の群れである。


「やっぱり、竜が襲われてたんだ」


 こんな魔物がいる地で生き残れるのは竜くらいだろう。


 やってきた一頭の竜は雄叫びを上げ、遠くから私たちを見た。


 ジェノスが静かに佇んでいるあたり、戦意は無いと見ていいのだろう。



「竜は対話は出来ないけど、人の言葉がわかるから一方的だけど説明は出来るはずよ」


「そうしてどうするんだ?」


「仲間にしましょう!!」


 レヴィンを頭とした竜部隊! ぜったいつおい!


 今後いつか戦力として使えると言えばレヴィンは押し黙る。



『聖女勇者』でジェノスが出てきただけあり、どこかにテイム出来る竜の生息地があるはずとは思っていた。


 ラフィちゃんが帰ってきた時に竜の生息地を調べてもらおうと思っていたが、なんてラッキーなんだ!



「しかしどうやって仲間にするんですか」


「大丈夫! リーベならいける!!」


「ぼ、僕かい?」


 動物に好かれる特性は周りも本人も自覚がなかったようで、慌て気味ではあったが私はゴリ押しする。


 するとやはりというか、保護者なレヴィンは反対してきた。



「そんな、危ないです!!」


「竜は頭が良いわ。私たちが動物たちを助けたのもわかっているはず。リーベなら竜たちに上手く伝えられると思うの」


「…………」


 リーベはいきなりのことに驚きながらも、真剣に言う私に向かって真摯に返してくれた。



「……マリア。君はいつも何も出来ない僕の出来る事を見つけてくれる。君がそう言うのなら、僕はやってみるよ」


「リーベ坊ちゃん!」


 応えてくれたリーベにレヴィンは心配の声をかけるが、私もレヴィンにダメ押しする。


「もちろん何かあったら時の為にバリアは張っておくから」


 そうレヴィンをなだめながら少しは過保護卒業しなさいとも説教した。





 ……リーベに交渉を頼んでおいてなんだが、竜の顔は非常に恐ろしく、しかも戦闘後で非常に気が立っていた。


 しかも言葉がわかるだけで対話は出来ない、それが群れで数十頭と居る中に少年一人で行かせるとはなかなかに酷い図である。


 一応私が張ったバリアがあるので何かがあっても大丈夫なはずではあるが、遠くから見守らなければならないレヴィンなどは気が気ではないようだった。



「お嬢さん、やっぱり俺も一緒に」


「警戒心バリバリのレヴィンを気が立ってる竜たちの前に出したら話し合いになんないでしょ!」


 人間の交渉時とは違って気配も気にする動物たちは感情に敏感だ。


 ちょっとの邪な気持ちでも決裂する可能性が高い。


 小心者の私も大量の恐ろしい顔の竜に見られながらまともに話が出来ないだろうし、侮られる。


 見た目によらず肝が据わっているリーベなら平常心で交渉にあたれるだろう。



 リーベが竜の方へ歩み進めると、ジェノスが飛び立ちリーベの近くへ舞い降りた。


 同族の竜の自分が恭順している仲間であるというアピールなのかもしれない。



「……僕の名前はリーベ=マーカチス。さっきは大丈夫だったかい?怪我をした者がいるのなら教えてほしい。治せる人がいるんだ」


 そうリーベが話かけているのを聞いて、自分の存在を思い出した。


「そういえば私、回復魔法が使えるんでした」


「お嬢さん……」


 人間の言葉が喋れないからバレることもない竜たちを回復して恩を売る作戦は非常に良い作戦だわ。


 そんな邪な計算を一切していないであろうリーベは心配そうに竜を見ていた。



 竜は静かにリーベの言葉に耳を傾けており、唸り声の様な声が辺りから上がった後、竜たちが動いて洞窟への道を空けた。


「入っていいってことかな」


 そう聞くと竜は軽く鳴き、リーベは「ありがとう!」とお礼を言って私を呼ぶ。



 笑顔のリーベに連れられて、竜の群へ連れ出される。


 皆さん、顔が怖い……。



「この子はマリア。この子は回復魔法が使えるんだ。とっても優しい子だよ」


「こ、こんにちは……」


 無害だとは頭ではわかっていても顔の恐ろしさに怯えていないように見せるのに精一杯だ。


 続けてレヴィンとジェノスも紹介するリーベのコミュ力に圧倒されながら無事洞窟内部へ入らせてもらった。






「……これは酷い……」


 中に入れば、そこには弱りきって横になった竜がわらわらと存在していた。


「こいつなんて翼が折れて……もう飛べもしないだろう」


「それにみんな栄養が足りてないみたいに痩せてる」


 竜の痩せてる太ってるなどは見た目分からないが、ジェノスを育てていたリーベ達から見たら健康状態が悪いのはすぐわかったようだ。


 魔物も徘徊して食べ物もほぼない状態ではこうもなってしまうだろう。



「マリア、お願いだ。助けてあげてほしい」


「任せて!!」


 他は何をやらせてもサッパリだが、こういうことだったら大得意だ。



 私は力を込めて洞窟一帯の竜の傷が治るよう祈る。


 私の周りから光の粒が発生し、その光は洞窟全体を包んだ。


 暖かい光は怪我をした竜たちを次々と包み込み、途端に癒していく。


 眩しくも神聖な世界が、そこには広がっていた。



 人目がないので思いっきり一気にエリアヒーリングだ。


「凄い、こんなの信じられないよマリア……!」


 もう死を待つだけだった竜たちが一気に動き出し、リーベの瞳には薄く涙が宿っていた。


 傷だろうが骨折だろうが欠損だろうが一瞬で元どおりになる光景に、レヴィンは「奇跡だ……」と呟いた。



 全ての竜を治しきったと肌で感じた私は祈りを止め、さてとと次を考えた。


「流石に空腹を満たすのは無理だから、ご飯を持ってきましょう。竜のご飯ってどんなの食べるの?」


 ケロリといつもの調子で私が言えば、呆気にとられていたレヴィンも現実に引き戻されたようだ。


「あ、ああ……そうだな。肉が主流だが飢餓状態が長い場合は人で言う粥のような消化の良いものが良いだろう」


 レヴィンが竜の食料事情を教えてくれるが、消化の良いものが思いつかない。



 リーベを見れば少し考えた後、いくつかの案を出してきた。


「大きい鍋とかでスープにするとか、肉をほぐして食べさせてあげるといいかもしれないね」


「成る程! なら下ごしらえする係と材料調達係に分かれよう!」


 丁度魔物肉は沢山狩ってお裾分けする程余っていたので、リーベとジェノスを置いて私とレヴィンで近くの街へ転移で野菜や大鍋を買ってくることになった。





 転移魔法の着地点もないので、人が少なそうな街近くの森に転移し、街までは少し歩く事になった。


「……マリアお嬢さんが聖女だとは何度も聞いてはいたが、ああやってみるとどうも印象が変わるな」


 やはりあのエフェクトはインパクトが強いらしく、あれだけ見るとまさに聖なる乙女のようだったようだ。


 私の功績なわけではなく、ただのヒロインの特権、チートなのであまり持ち上げられても困る。


「あれ目立つからやらない様言われてるの」


 レヴィンの前ではほぼ策略しかしてない伯爵令嬢だったから、更にビックリだっただろう。




「……お嬢さんはあんな凄い力があるのに、何故マーカチス家を、ヴァンデミーアを助けようと思ったんだ」


 二人で街まで歩いていると、前からずっと疑問だったであろう問いをレヴィンは私に投げかけてきた。


 凄い力を有しながらそれを使わずちまちまと勝算のない暗躍をしているのは確かに宝の持ち腐れで、度し難いだろう。



「…………」


「マリアお嬢さんもわかっているだろうが、あの家は俺の唯一とも言える大切な場所で……利用されるのなら耐えられないと思っていた。だが、お嬢さんはそんな素振りを見せない」


 前々から気付いてはいたが、敵国で、私にはデメリットはあってもメリットのない救済にレヴィンは戸惑いを露わにしていた。


 警戒心が強いレヴィンはずっとその謎を密かに抱いたまま雇われてくれていた。



「リーベ坊ちゃんを助け、正しく強くしようと心を砕いてくれている。……そんなお嬢さんを、俺はもう疑いたくない」


 レヴィンは金で雇われた傭兵として私に従うだけだったが、こんな質問を私に投げかけてくるほどには私を信用してきたと思っていいんだろうか。



「……レヴィンがどれくらい信じてくれるかはわからないけど、私は魔物を取り払って世界を平和にしたいの」


 それこそ、レヴィンたちと話していた大陸を平和にして暗黒大陸の闇を晴らすような。


「……そりゃあ……とんでもないスケールの話が来たな」


 世界平和か。と呟くレヴィンは夢物語だろうという気持ちが見える反面、ただの善意だけの言葉より信用できるのか、真剣に聴いてくれていた。



「それには強い仲間が必要でしょう。だからマーカチス家を助けたの」


 この総ての国、世界を救う為には国とかいう境界線など構っている暇はない。


 レヴィンは少女らしからぬ私の言動に少々気圧されながら、更に疑問を投げかける。



「……リーベ坊ちゃんに何かと武器や親切にしているのもそういうことですか」


「ええ。リーベは幼いながら武器への魔法付与の適性が高いの。動物に好かれる才もあるし、軍を動かす能力も伸ばしていけばかなり強くなれる」


「…………」


「レヴィンも身体強化能力が秀でていて戦いはバランス良く強いし統率力も高い。心強い仲間になると思ったの」


 元からあまり少女らしくない言動が目立っていた私だが、未来がみえるようなそんな不自然さに戸惑うようにまた問いを投げかけた。


「……アンタは、何者なんだ」



 その問いはあまりにも直球で、私にもよくわからず答えに困り、笑って誤魔化した。

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