五話。
なんか最近二つ連続投稿が多いなぁ(´・д・`)
数日後。
私は軽い足取りで、学校へ向かう。
高都君の言葉は、私の心を予想以上に軽くしたみたいだった。
「詩音、なんかいいことあった?」
玲にそう言われて、私は驚いた。
「ううん、そんなことないけど…。」
私はとりあえず誤魔化しておく。
「玲こそ…いいことあったでしょ?」
玲は恥ずかしそうに頷いた
「うん…あのね……」
玲が幸せそうだった。私も玲が幸せそうでちょっと嬉しい。
「昨日、日曜日だったでしょ?それで、彼と初デートに行ってきたの
彼、めちゃくちゃかっこよかったんだ」
「そっか。何処に行って来たの?」
私は話の続きをうながす。
「…映画館行って…ゲームセンターも行って…。プリクラも撮ってきたよ!見て!」
見るからに二人は幸せそうだ。色に例えるなら…ピンク。
「…いいなぁ」
私はそう小さく呟いた。玲は付き合い始めてから輝いている。
私も付き合ったらこんな幸せになれるのかなぁ、なんて思った。
そして授業が始まった。
「…あの…宮野」
吉野君は私に声をかけてくる。私は驚いたが冷静になるようつとめた。
「…教科書…忘れたんだけど見せてくれねぇ?」
そう、悪戯がばれた少年のように笑う吉野君に耐えられなくて、私は思わずそっぽを向いた。
「……私使わないからいいよ」
「え?そんなことないだろ?」
吉野君は私のほうを目をまん丸にしてみていた。だけど。
「サンキュ。宮野」
彼の笑顔を真正面から見て私は突っ伏した。容量オーバー一歩手前になった。
授業に、集中できなかった。
「あ、宮野、ありがとなー」
少年のような純粋な笑みで私に教科書を手渡してきた。
やばい。
「いや。全然……」
私は赤くなった顔を見られたくなくて、教科書を受け取るとすぐに教室から出た。
「はぁ」
私はため息をつく。
「こんなことで舞い上がったり落ち込んだり…私は何をしたいんだろう……」
吉野君が『誰か』を好いている…付き合っているのは間違いない事実で。
でも、私は吉野君のことがあきらめきれなくて。
どうしたらいいんだろう。
私1人じゃ、答えを出す事はできなかった。
NAOとか366日聞きたいなぁ。
曖昧にするくらいなら突き放して欲しい。
そんな感じですかねぇ。