かくれんぼ・誕生日
朝起きてご飯食べて友達と遊んで寝たりの生活を続けていたら、
いつの間にか、そこそこな日にちが経つもので。
(今日は僕の誕生日、誕生日になるといつになってもワクワクするね)
「おはよう!」
「おはよう、ご飯出来ているわよ」
「うん、食べる……あれ、お父さんは?」
「朝早く狩りに出かけたよ~また食べたいな~大鹿」
「うん」
(あの大鹿をまた食べることができるのかな~楽しみで仕方がない)
「じゃあ、遊びに行ってくる」
「お昼には帰ってきなさいよ~」
「うん、行ってきまーす」
広場に行くと。
「ティオ、アニス、おはよう!」
「セージ君おはよう」
「セージおはよう!!」
「今日何して遊ぶ?」
「「「う~ん」」」
(いい遊びが無い!
どうしよう、しりとり前世の遊びはあるけど、説明が難しいし………
かくれんぼなら問題ないかな?)
「かくれんぼしない?」
「かくれんぼ?」
「まず場所を決めて、その場所の中で隠れる人と探す人に分かれて遊ぶんだ」
「何だか面白そう」
「じゃあ、言い出しっぺのセージが探す方」
「じゃあ、この広場の中だけで危ないところや家の中はダメだよ」
「「うん」」
「それじゃあ、10数えたら探すからね、
いーち、にーい、さーん、—————」
(数え終えるまでに隠れられただろうか)
「きゅー、じゅう、探すぞ!」
広場を見渡すと、
草むらから飛び出てるシッポが見える。
「アニスちゃん見っけ」
「見つかちゃった、」
「シッポ全然隠れてなかったよ」
「ホント!?そうかー隠れてなかったかー」
「つぎはティオだ!」
何故か笑いをこらえるアニス。
それに気づかず
「どこに隠れてるかな~」
と、ティオを探す
「どこにもいない………」
(どこに隠れたんだ?)
それから広場を探し回っても見つからなかった。
「あ~僕の負けだ、出てきてくれよ~」
すると、ポンポンと〝肩”を叩かれた。
「え?!」
「よーし俺の勝だぜ!」
「え、まさかず―と後ろにいたのか!」
「全然気づかないんだもんな、アニスに笑われた時気づかれたと思ったけども
おまえ、鈍いんだな」
「まさかかくれんぼで鬼の後ろにいるなんて思わないよ!!!」
(はー後ろにいたのか~ぜんぜんきづかなかったよ)
「じゃあ今度は俺が探すぜ」
「じゃあどこに隠れようかな~」
「俺の後ろは無しだぜ」
「だれがするかー」
そうして、お昼まで遊んだ。
「ただいまー」
「おかえり」
「おっ、帰ってきた、おかえり」
さあ、手を洗って座って、今ご飯出すから」
「うん」
「でもその前に……はい、薬草茶よ」
「へ?」
「もうセージは六歳だもんね……通過儀礼だと思ってね?」
物凄く苦いんだよなー健康には良いんだけども「」
濃い緑色の液体が陶器のコップに並々に入っている。
それがテーブルの上に3個置かれる。
(これを飲むのか!?
ケーキは出なくてもなんか美味しい物が出てくると思っていたのに!)
「そ、それを飲むの?」
「通過儀礼みたいなもんだ、あきらめろ」
「健康にいいんだよ~大丈夫~私たちも飲むから~」
「「そんじゃ、セージの健康と成長を願って」」
ゴグゴク
「「…………」」
「さあ俺達も飲んだんだ、セージも飲むんだぞ」
「う、うん………」
「物凄く不安です………」
恐る恐る口に近づけるセージ。
「一気に飲むんだ、躊躇すると飲めなくなるぞ!!」
「う~」
ゴクゴク
「うっ」
(なんだこれ!!
物凄く不味い!!!!)
「うえ~」
(………あとで聞いたんだけども、子供に長生きしてほしい、健康でいてほしい、と言うのが始まりの風習で、様々な薬草が使われているんだって……青〇の薬草バージョンみたいなものらしい!!
当然、ケーキは出てきませんでした……代わりにクマ肉が出てきました。
癖があったけども美味しかったです。)
(でも……あの薬草茶のインパクトがすご過ぎて記憶にあまり残らなかった………)
リザードマンの風習の一部でこんな風習あっても良いじゃないか、と思って書いてみました。