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ププローグ
「ぐげっ」
まるでカエルが踏みつぶされた声を上げた子供が一人。
ただ石につまずいて転んだだけなら大したことはない、そう、ただ転んだだけでは。
「ハッ、ここはどこだっ!さっきまでバス停でバス待ちしてたのに!」
そう、前世の記憶を思い出してしまったのだ。これはある意味不幸だったかもしれない、何故なら。
「なんだこれ、尻尾?鱗?爪!?」
リザードマンに転生してしまったのだ。もしも、人間ならそれ程問題にならなかっただろうが。
そして、本来なら思い出すこと自体無い記憶を思い出したのだ、自然と幼い時の記憶までも思い出してしまうのもしかたのないことだった、そう、生まれてからのことを。
「ぐふっ、黒歴史……」
そして、彼こと山見太郎は気絶した。