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水牢  作者: 夏景色
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いりぐち

何処から話したものかと考える。何処から話そうと結末は変わらないのだけれど、されど私は頭を抱える。あなたが私の何を知り、何処を結末とも始まりともしようと、私を、決してあなたは救い出したり慰めたりは出来ないのだけれど。


夏だ。私はまぶたを閉じながら、呪文のように呟いている。太陽の光はここまでは届かないけれど、代わりの蛍光灯が白光を細やかな波間に散らす。 生温かな水面の下、はるかな水の底で、私を押さえつける岩の下から、私はもがき喘ぎ息も絶えだえにあなたに話しかける。


もしあなたと私を繋ぐものが小さな水溜まり一枚だとすれば、私はその底で目を見開き、決して届くことのない光の方へと手を伸ばす。その先にあなたはいる。私になど気づく余地もなく、夏の暑さなどを気にしながら。あなたは恐れげなく、静かな波に揺れている水の上に浮かぶ。


あなたはプカプカ浮かぶ、私の思いをのせて。この話を聞いたから。


あなたはプカプカと浮かぶ。

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