水牢
私は、気づいたときには水牢の上に立たされていた。でぐちの塞がれたちっぽけな空虚のなかになみなみと水が注がれていく。夏の朝日を受けた生温かな水は明日にも私の下半身を腐らせるかもしれない。誰かを引きずり込まなくては。他の体を水牢の底に沈めて、その上で私は私を守らなくてはならない。まだ乾いたまま残っている半身をつかって。
いりぐち
2012/09/02 23:24
(改)
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