表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月華夢想譚  作者: ちま子
1章
3/3

第壱話②

「おい!ルナに怪我でもさせてみろ!!奴の次にお前を殺すかなっ!!」


「当たり前でしょう?誰が好き好んで可愛い娘が傷つくようのな事をすると思いますか?もちろん可愛い息子もです。」


「誰がてめぇの娘で息子だ!気色悪いこと言うんじゃねぇ!!」


「可愛い娘と息子は、父親の俺が全力で守ります。」


「人の話を聞けっ!」


T字路をすぐ親子らしき会話が聴こえて来て、俺は立ち止まった。

違う。もちろん聞こえていたけれど聴いてはいなかった。

俺は彼らの数メートル先にいる【黒い何か】が視界に入り固まってしまったのだ。


(何だアレ?何だアレ?何だアレ?)


丸いボーリングの玉くらいの大きさの【黒い何か】は動いていた。

空中で靄の様に揺ら揺らとていた。月に照らされ揺ら揺らと。


(あの二人には視えてないのか?アレが?)


でなければ、喋れる訳がない。立ち止まらず歩ける訳がない。

自分に霊感の類はないと思っているが、アレはヤバイ。

逃げたいと思うのに足が動かない。叫びたいのに声が出ない。

身体からは冷や汗が噴出し、身体は小刻みに震えている。

それは紛れも無い恐怖だった。


(どうする?もし、あの二人があのままここから居なくなったら。)


それは俺があの【黒い何か】と取り残される事を意味する。

そうなれば、死ぬと思った。根拠も無くアレは人を殺すと思った。


(ヤバイ。それは、まだ死ぬのは・・・。)


「さて、いい加減、仕事をしましょうか?」


「ふん・・・判ってるよ。」


(え?)


親子らしい二人は【黒い何か】の2メートル程、手前で止まった。

【黒い何か】は、痙攣したかの様にピクリと動くと静止した。

すると、ボーリングの玉くらいだった大きさがどんどんと大きくなり、ものすごい速さで迫ってきた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ