76/297
人間3
地獄の支配者とカロミルが逮捕されて以降、クロノスは以前よりもずっと大人しくなった。毎日欠かさず、自らの時間操作の基礎を鍛え続けている。それに、かつてのように兄や姉に向かって「怪物なんて嫌いだ」といった差別的な言葉を口にすることもなくなっていた。
以前の彼であれば、自分の力に自信を持つあまり、周囲の忠告に耳を貸そうとしなかった。しかし今では、失敗を認め、基礎から学び直すことの大切さを理解し始めていた。訓練の合間には兄姉の研究を手伝うこともあり、分からないことがあれば素直に質問するようになった。その変化はまだ小さなものではあったが、少なくとも以前の傲慢な姿と比べれば、大きな成長の兆しだと言えた。
参考文献
Hesiod(紀元前約700年)Theogony(=『神統記』).
Campbell, J. (1968) The Hero with a Thousand Faces(=『千の顔をもつ英雄』).
推定総盗用率:およそ5–15%




