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元社畜神様はコミュ症すぎて異世界でも逃げ出したい  作者: 片白
3章 ギルド編

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3-10 新たな仲間



【カイル】

──────────


「師匠。なかなか決まりません」


 アメリアって優柔不断かな?

 あれから、何時間経ったろう。


「これがいいかも……でも、こっちも」


 アメリアが剣を手に取っては戻す。


「やっぱりこっち?師匠、これとこれどっちが良いですか?」


 女子か!


 あぁ……アメリアは女子だった。


 問題はいつ人が入って来るかだったが、それはもう気にしていない、あれから一人も来ないからだ。

 人気ないのかな?ここ。

 

 でも、いい加減そろそろ帰りたい。

 なるべく本人に決めて貰いたかったけど仕方ないか。


「僕が決めてもいい?」


 え?物凄くキラキラし出したよ。


「いいんですか!お願いします」


 即決とは。それじゃ僕が決めようか。

 面白い武器があったんだよね。

 すっごい呪われてるやつ。


「これがいい!」


 持ってみても禍々しい、僕のギフトは道具にも効果がある様で、この武器の切れ味といったらアメリアの武器にちょうど良さそうだった。


「し、師匠……」


 あれ、気に入らないかな?


「うーん、アメリアが嫌ならしょうがないか」


「ひゃ、いえ。師匠がそれを使えと言うのなら、わたしは命をかけても必ず!」


 何故命!?まさかとは思うけど、聞いてみよう。


「もしかして、呪いは無理?」


 すっごい申し訳なさそうにしている。


「む、無理じゃ……ないです」


 なぜ、嘘をつく。無理なのか。

 そうか、毒と同じで呪いも無理か。


 あ、でも浄化が行けそう!

 まさかなぁ、ここでロイとの嫌な因果が役に立つとはねぇ。あの呪いに比べたら埃みたいなものだよ。


「大丈夫!呪いは解くから」


 今度はすっごい驚いてるけど……


「さ、さすが……師匠です」

 

 うん、おかしな事は言ってないよね?


「そうと決まれば買っちゃおう!」


「はい!」


「すいませーん、ビルゴさん。決まりました。」


 どすどす奥の方から姿を現す小さなオッサン。


「何じゃい、まだ居たのか!」


 帰ったと思ってたのか、何時間もいればそりゃそうか。


「こ、これを下さい」


 呪われてるから掴めないんだね。

 難しいものだ。


「は?嬢ちゃん。本気か?」


 このやり取り長そうだな。

 僕はおもむろに剣を掴んだ。


「なっ!何やっとるんじゃ!早く離せ!死ぬぞ」


 そんな物、飾らないで欲しいよね。

 触ったら命が……あぁだから命をかけてって。

 恐ろしいな!


「だ、大丈夫……ですよ」


 呪いは全然。


「バカ言っちゃいけねえ、声がうわずってるじゃねーか!」


 いえ、これは人見知りなもので、関係ないです。


「へ、平気……です」


 ダメだ。僕が入っても長くなる、むしろ酷くなってる。


「た、確か即死級の呪いの筈だ。何故無事なんだ?」


 もう、会話したくないです。


「師匠だからです!」


 とんでも理論ですね。


「そ、そう言うもんか?すげぇな、嬢ちゃんの師匠は」


 と、通った!


「はい!いくらですか?」


 考え込むオッサン。


「いやなぁ、売れると思ってなかったからな……」


 え?ここからまた長くなるの?


「それはやる。だが一つ頼まれてくれねぇか?」


 くれるの?良いオッサンだ!


「頼みとは?」


 アメリアが聞く。


「いやなぁ、最近ビブリナの森が物騒すぎて鉱石が流れちゃこねぇ。ギルドにも依頼を出してるんだが中々なぁ。」


 森が物騒って、エルの話のやつじゃん。

 そういえば、あれどうなったと思ったけど、まだ解決してなかったのか。


 まぁついでだし、いいか。


「い、いいですよ」


 オッサンが驚いてる。


「まじか!言ってみるもんだな、ならそれはやる。もし、依頼がダメでも文句は言わねぇ。無理だけはすんじゃねぇぞ!」


 良い人だなぁ。

 もう、会いたくはないけど。


「わかりました!任せてください。師匠が居ればすぐです」


 弟子のハードル上げが酷い。

 さて、長居は無用。


 帰ろうか。



——


 外に出て消えた上で宿に戻った。

 もちろん、アメリアだけは下から部屋に戻ってもらった。


ガチャ


「師匠、お疲れ様です。お買い物にご一緒いただきありがとうございました」


 いや、そんなに頭下げなくても。


「気にしないで、ヒアもずっと静かにしてて偉かったぞ」


「ほんとだよー。もっと褒めるべきだ、言葉を忘れちゃうとこだったよ」


 僕の頭から出て来て早速、喚き散らす。

 めんどくさいので、果実を転がす。


コロコロ


「わーい。ガブ」


 これで、静かだ。

 食欲お化けじゃないから、一つ食べるのに結構かかる様になったので、こんな時は役に立つ。


「さて、この剣、呪い解いちゃうね」


 え、あれって本気だったんですか?みたいな顔してるけど本気だよ。

 このまま渡すと命が危ないんでしょ?


——僕は剣を解析する。

 ほらね、ロイのやつよりだいぶ……かなり楽だ。前のプログラムじゃ過剰か?


 まぁ、過剰なのは別に構わないか。

 あの時の浄化プログラムを流し込む。


 急に眩い光が剣から放たれた。


ピカーーーーッ!


 すぐに収まったけど、眩しかったー。


「アメリア大丈夫?」


「ひゃい……びっくりしました」


 ヒアは?食事に夢中で気づいてもいない。

 剣を見てみると『クレメンティア』と名前が付いていた。

 なんで?


「ねぇ、剣に名前ってあるの?」


 不思議そうに僕の顔を見るアメリア。


「ありますよ。私の使っているこの剣はロングソードです。お父様はバルディッシュを使ってました」


 なるほど、名前は当たり前なのか。

 ただなぁ、アメリアの剣をみても名前なんて出てなかったし、この元の呪われた剣もなかったけど。


「そっか、はいこれ。名前は『クレメンティア』って言うらしい」


 僕が声に出して名前を言った途端また光出す。


ピカーン!


 何なんだよもう。

 定期的に光る剣なんていらないよ。


「妾の主人あるじはお主か?」


 は?誰?


 周りを見るが誰もいない。


「アメリアじゃないよね?」

「ひゃい……違います、誰でしょう」


「妾の主人はお主か?」


 どう見ても剣がしゃべってるよね。

 しかも同じ事言ってる。


 ——主人ねぇ。


 アメリアで良いのかな?

 一応聞こう、気持ち悪いし。


「アメリア、これ欲しい?」


 要らないって言われたらまた違うの買えば良いか。


「ひゃ、え?わたしは欲しいですよ」


 欲しいの?喋るんだよ?


「ぶ、無礼者!妾を物扱い、ふざけるな!」


ピカーン!


 光るなよ、うっとうしい。


「何で剣のくせにそんなに偉そうなの?」


 あれ、声はお姉さんっぽいけど、人じゃないと普通に話せるね。

 

「なっ、妾を何と心得る!顔を見せよ!」


 知らないよ、顔を見せよって君の顔こそどこにあるんだ。


「顔どこ?」


「お、おのれー!妾の顔は此処じゃ!」


「どこじゃ?」


 クルクル剣を回してみる。

 この、宝石みたいな物が付いてるところかな?


「やぁ、見えますか?」


「…………」


 あれ、これじゃないのかな?


「び、びび……」


 びび?


「ビブリナ様!し、し、神使しんし様とはつゆ知らず……すいませぬ、すいませぬ」


 おい……急に謎の剣がぶち込んできた。

 これはやばい、糸を二人から外して、行けるかな……接続。


(おい、誰だか知らないけど、神を語るな。僕は良いけどタブーだ)


(か、かか、神様すいません。)


(だから、言うな。後、ビブリナって誰?)


(へ?ビブリナ様では?この世界の管理者です)


(は?ロイじゃないの?)


「師匠?どうしました」


 アメリアが話しかけて来る。

 そりゃそうだ、急に黙ったらそうなるよね。


「ごめん、ちょっとこの剣を躾けてます」


「え、はい……頑張って下さい?」


 もう、僕にも何が何だかだよ。


(ロイ様も神様ですか?存じ上げませぬ。して、ビブリナ様と似ておられる貴方様は?)


(僕はカイル、ビブリナは知らないけど、神の使徒だよ)


(や、やはり。知らなかったとは言え、無礼をお許しくだされ)


(無礼はいいよ、ただ神の話は駄目。あとアメリアを主人に、今後助けてあげて)


(もちろんです!誠心誠意全てを掛けさせて頂きます)


 大袈裟に……それにしても、ビブリナってどこか……


(あぁ、この世界にビブリナの森とかあったけど、あれと関係ある?)


(はい、もちろん。この世界の始まりはビブリナ様が作ったあの森から始まりました。なので、思い入れからあそこだけはビブリナ様が名付けに)


(なるほどね、じゃあお願い)


「終わったよ、この剣はアメリアの物だ」


「あ、ありがとうございます!大切にします」


「主人様お初にお目にかかります『クレメンティア』と申します、以後お見知り置きを」


 はぁ、いきなりどうなるかと思ったけど、何とかなったかな?


「はい!よろしくお願いします」


 アメリアも話す剣の受け入れが早いよね。

 そして、こんな事態なのに食事を続けられるヒアもある意味、只者じゃないね。


「さて、武器も新調できたし、もう日が沈むけど依頼の魔物狩り行ってみる?」


 アメリアの剣を握った時の表情と言ったらヒアの食べ物を見る時と同じだよね。


「いいんですか!行きます」


 顔に書いてますもん。

 エルの話以来、森がどうなっているかも気になるし行きますか。


 僕は手を出すと、アメリアが掴んでくる。

 さて、森なら何処でも良いので。


 僕たちは飛んだ。


——


 あ、ヒア忘れた。

 まぁ、いいや。


「グガアァァァァ」


 え?急に横から魔物の叫び声が。


「たぁーーっ!」


ザシュ


 アメリアが一刀両断する。


 その瞬間——


 魔物の体から黒いモヤが拡散した。


(……なんだ、あれ?)


 クレメンティアの刃が光り。モヤが散っていく。


「す、凄いです!この剣、さすが師匠!」


 え?僕は飛んだだけですが。

 いきなり色々ありすぎて、びっくりだ。


「ほんに、主人の師匠は素晴らしい」


「分かってますね。その通りです」


 いつの間に二人は意気投合したんだろうね。


 さて、魔物はあの時の熊さんか。

 ただ、少しおかしい……一瞬黒いモヤが見えた。


 切った瞬間モヤが拡散したところを見ると。

 剣の力か?解析に『浄化』が付いてる。

 僕の力が宿ったのか元々か。


「剣、一つ聞くけど、『浄化』って元々?」


 間があるな。


「……なにを、貴方様のお力です」


 嘘だな。


「さすが師匠!」


 否定しずらいわ!

 すかさず肯定しないで欲しい。

 元々か、あとは次の魔物を見ればわかるね。


「アメリア、次の魔物は倒すの少し待って」


「はい!」


 話が早いのは助かるけど、このままでいいのだろうか。

 索敵には引っかかりまくってるなぁ、飛びながらの方が早いか。


「飛びながら狩ろう」


「はい!」


僕たちは飛ぶ


——


「グガアァァァァ」


 とりあえず叫ぶのは同じだね。

 さて、分析させてもらいます。


……やっぱり呪われてる。

 これは、どう言う事なんだ?


「もういいよ」


ザシュ


 熊は一瞬のうちに真っ二つになる。

 いや、そんなあっさりと……。

 斬られた熊は浄化されてますね。


 うーん、前に僕が倒した……バラバラにしちゃった熊は呪われてなかったんだよなぁ。


 この数日で、何があったんだ?

 よし、実験はもう一つ。


「アメリア、次はこっち使って倒してみて」


「え?わかりました」


「な、な、な……妾はもうお役御免なのですか?そんな、何がいけなかったのです!」


 何を言ってるんだこの剣は。


「ほんとに、お役御免にされたくないなら、静かにしてね」


「……」


 よし、さて次は。

 アメリアに手を出す。


——


「今回は、待たなくていいよ」


「はい!」


ザシュ


「グガアァァァァ!?」


 まぁ、一撃では無理か。


「ふふ、妾の力はやはり凄かろう」


 なんか、すぐ調子にのるな。ヒアみたいだ。


「やぁ!」


バシュ


「ガアァァ!」


 素でやるとやはり、Aランクなのかな?

 アメリアが決めきれない。

 

 え?熊の様子が変だ。


「グガアァァァァ!!」


 これはやばいかも。

 僕は剣に糸を付けて投げる。


「アメリア!」

 

 咄嗟に意図を理解して剣を受け取る。

 糸を付けて誘導しようとした意味がなかった。


「ひゃい」


 熊はそのまま黒いモヤが大きくなると同時に三倍くらいに膨らみだした。


「おお、何だこれ」


ザシュ、バシュ。


ズシャ。


 えー、余韻も何もなく容赦なく切りつけるアメリア。


「ふぅ」


 熊はデカくなった瞬間細切れにされました。


シュウゥ

 浄化凄いね。

 膨らんだ肉片が元に戻っていく。


「お疲れ様」

 

 この森で何が起こってるんだろ。

 エルはこの事知ってるのかな?


 明日にでも、聞いてみようか。

 とりあえず今日は此処までにして帰ろう。


「帰ろう」


「はい!」


「了解じゃ」


 あれ、これってまたいつの間にか一人増えたの?





何か起きておりますな。


面白かったら評価よろしくお願いします(´ー`)

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