0-2 アルテルの婚談
【アルテル】
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——朝
「嫌です」
突然お父様に呼ばれたと思ったら『婚談』の話し……何度、断ってもしつこいくらい来る。
五回に一回まともな話が来るので尋ねない訳にも行かない。
「そうは、言ってもな。今回は白いぞ!」
お父様も、おかしな方向に行っている。
白いから良いって誰が言いました?
こんな、お父様見たくなかった。
「間違ってます。見た目の問題ではありません」
そりゃ、確かにこの人は髪の色が青いから嫌です、赤いから嫌ですとは言ったかも知れません。
待って、白……
「あの、お父様。相手方の年齢はどのくらいなのでしょうか」
なぜ、目を逸らす。
私の目を見なさい!
……やめて、泳ぎすぎて怖い。
「こ、今回は無しにしよう」
え?諦めた……歳は聞かない方が良さそうね。
——昼
「嫌です」
カチャ
食事中!
……せめて場所を考えて下さい。
「そんな事を言うな、今度は服が白いぞ!」
お父様……服は誰もが好きな色を着れます。
もう、この国はダメかもしれない。
「あの、色で決めるのやめてください」
みんな、見てる!これは、羞恥心の修行ですか?最近、わたし頑張っていたと思うのですが。
「色だけではないぞ、ちゃんと家柄も良い」
国を思うなら先ず、家柄でしょう。
威厳も何もないですね、今後お父様の覇気は効果が出るのでしょうか……少なくとも私にはもう効果は無さそうです。
「食事中です!」
見て!マナー!王族!
「あぁ、すまない。今回は諦めよう」
——黄色十五(午後三時)
「嫌です」
お茶会中!仕事はどうしたの……
暇な訳ないはず、なのにこんな事に貴重な時間を使って。
「これは、これは、国王様。こんな所までお越しくださりありがとうございます。」
あぁ……リアラーナ様にまでご迷惑が。
そう言えば、リアラーナ様もまだご婚約して無かったわね。
何故なのでしょう……気にはなるけどさすがに聞けないわね。
「おお、ガストは元気にしてるか?寛いでいる所すまぬな」
ガスダルト公爵閣下。リアラーナ様のお父上だ。お父様とも仲が良いが頻繁に会う事は出来ない。
「はい。元気すぎなくらいです。しっかりと今日の事もお話しさせてもらいますね」
悪気は全くないでしょうけど、やめてください!これから始まる話なんて話されたら、公務に支障がでます!
何故か、リアラーナ様のお付きの騎士ノイマンを見ているお父様……まさか!
「お、お父様!今はお茶の時間です。そこに国王がいるのはいかがなものでしょうか!」
先手必勝!
出て行って!
「わ、悪かった。時にノイマンよ」
えー、無理矢理持ってくの?
「はっ!」
「アルテルはどうだ?」
「は?……し、失礼しました。」
そうなりますよね、もう話が進んでしまった。
「どう言った意味なのでしょうか?」
リアラーナ様がキラキラしだす。
「え、縁談ですか!ノイマンですか!素晴らしいです!」
乗らないで!リアラーナ様……お好きな話ですもんね!でも、乗らないで!
「リアラーナも乗り気か!後は若い二人に任せよう」
「そうですわね!」
え……何これ?
怒涛の速度で、私とノイマンの二人きりになった。
「あ、アルテル様……」
ご、ごめんなさい。父が本当にごめんなさい。
「気にしないで頂けたら、嬉しいです」
特に会話もなく、重苦しい時間だけが過ぎていった。
——夜
「帰って!」
寝てる娘の部屋にまで来るなぁぁーーーっ!
バタンッ
おわり
この国を憂う
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