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元社畜神様はコミュ症すぎて異世界でも逃げ出したい  作者: 片白
2章 ダンジョン編

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2−13 自己紹介



【カイル】

──────────


「で、何しに来たの?」


 物凄い不快感を漂わせて聞く。


「えっとね。ロイ様がカイル様を監視して来いって」


 絶賛つまみ中なのでジタバタしながら言う小妖精。


「ロイ………………誰?知らないよ」


 ほんとに誰、どのくらい居るのかなんてわからないが、僕の知ってる神の使徒は五人くらい。


 しかも、名前を聞いても、あー居たなぁ程度だ。


 前に会った『リディア』は放浪するのが好きなのかあっちこっち飛び回っては、色んな神の使徒達に迷惑をかけていたみたい。

 僕もその一人だったので知っていた。


 なので、「ロイ様がー」とか、言われても知らない。

 それにもう一つ疑問が。


「ねぇ、キミさ監視を頼まれたって言ってたけど、どうやって帰るの?」


 ジタバタしている羽虫はピタッと止まり背中を確認する。


「あれ?ない、繋がりが………カイルさまぁ、ワタシどうやって帰ればいいんでしょう?」


 泣き始める羽虫、へぇ……小妖精も世界に落ちると生理現象が復活するのか?


「ロイから貰わなかったの?」


 萎んで、動かない。


「わかりませんよーっ。無理矢理押し込まれたんですからー!」


 泣き止むのはやっ、更にジタバタ復活。

 ロイとか言う神の使徒。

 完全にわざとだな。


 繋がりを付けずに入れたら帰れないじゃん、完全に僕に嫌がらせする為だな、今も見て楽しんでるはずだ。

 

 僕なら出来るならやる。

 こんな嫌がらせ思いつかなそうだけど。


……僕はもちろん繋がりはない。

 そもそもどうやってこの世界に来たのか分からない。


 管理者に許可がいる筈だから、ロイが許可したって事になるけど……この世界が急に居心地悪くなってきた。


 知り合い少ないけど、リディアの次に嫌いになった。


「これさ、僕はキミを連れていかないといけなくなったわけだよね。捨てていっていい?」


 また、ピタッと止まり顔が青ざめていく。


「カ、カカカ、カイル様。がんばります。お願いします。捨てないで……お腹が何故か空いて死にそうです」


 はぁ、何だかんだ僕は小さいものに弱いのかな。

 ただなぁ……羽虫を見る。


 大変な事態なのに、話の途中でねだる図太さ。

 連れてくと大変そう。


 羽虫は燃費が悪すぎない?もうお腹空いたのか……ジタバタしすぎだよ。


「わかったよ。でも、そこで寝ているアメリアが駄目と言ったら駄目だからね」


 そう言って、僕は赤い木の実をあげる。

 小さいから一個で足りるよね。


「食べていいんですか!ありがとうございます」


 アメリアを凝視していた羽虫は、美味しそうな木の実を見ると張り付いて食べだした。


「ぐぁ」


 え?羽虫が急に倒れたんだけど。

 見てみたら……マジかよ、羽虫毒駄目なの?

 

 すぐに治す。

 

 焦った……僕が大丈夫だったから最上神様に作られた小妖精達は無条件で僕達側だと思っていたよ。


「ごめんね、毒だめなんだね」


 殺されかけたと知った羽虫は肩をポコポコ叩き続けている。

 これは、受け入れるしかないな。



【アメリア】

──────────


 だいぶ前に周りがうるさくなって、わたしは目を覚ました……。

 でも、見知らぬ可愛らしい声が聞こえたので薄目を開けて見てみたら、小さい妖精さんがカイル様に捕まっていた。


 これは、どういった状況なの?

 『妖精族』はあまり人のいる所には来ないはず。

 もちろん、見たのは初めてだ。


 こんなに、真っ白いとは思わなかった。

 その妖精族が、なぜかカイル様と揉めている。


……カイル様が笑顔で毒の実をだした。


 え、そんな酷い事をするなんて……食べた妖精さんが倒れた。


 わたしはカイル様を初めて怖いと思う前に、妖精さんは生き返ってカイル様を叩き出した。


 途中から見たせいか、その状況に全くついていけず薄目で見ていたわたしは、起きるタイミングが分からなくなっていた。


 妖精さんと目が合った。

 すぐに顔目掛けて飛んできた妖精さんに張り付かれた。


「んーんん、んー」


 妖精さんがわたしの顔に張り付いて、わめき出す。


「アメリア!一緒に行っていい?連れてって!お願いっ」


 ちょっ……せめて口に張り付かないで。

 答えられない……しかも、うるさい。

 起き上がり、剥がそうとするが剥がれない。


 なんか、急に身体がおかしい……何これ。

 ……気が遠くなる。


——


「……っ、はっ!」


 何があったのか分からず、わたしは飛び起きた。


「きゃぁぁぁぁぁ……っ!」


キランッ!


 なぜか妖精さんが投げ飛ばされている。


「大丈夫?ほんとにごめん。」


 カイル様が凄く申し訳なさそうに謝ってきた。


「え?気にしないで下さい」


 よく分からなかったので、曖昧に答えるしかなかった。

 

 でも、ある意味。

 ありがとうございます。

 妖精さんのおかげで起きれました。


「カイル様、おはようございます。あの妖精さんは?」


 複雑そうな顔をしているけど、どうしたんだろう。


「あー、うーん。なんと言えばいいのかな?」


 すごい勢いで戻ってきた妖精さんは、カイル様に捕まっていた。


「何回、投げるんですかー。あっ、また羽掴まないでっ!」


 わかります。妖精族は希少、しかも性格は置いて置いて、白くて神々しい。

 関わっていると知られると狙われる恐れも。

 でも、わたしは大丈夫です、誰にも言いません。


「大丈夫ですよ!カイル様」


 ジタバタしていた妖精さんがコッチを見て喜ぶ。


「いいの?やったーーーっ!」


 大空に飛んでった。

 忙しいけど、かわいい。


 でも、妖精さんが喜んでいるのはなぜ。


「ほんとにいいの?正直言ってうるさいよ?」


 え……さっきの話ですよね?

 あの時の記憶が曖昧ですが。


 状況と、会話から判断すると……


「妖精さん、よろしくね」


 どうとでもとれそうな言葉を言ってみたら、どこからともなく妖精さんの声が聞こえてくる。


「うん!アメリアーー、よろしく」


 いつの間にか戻ってきてた。

 

……起きてみると、二人旅が三人旅になっていた。



【カイル】

──────────


 危なかった。


 まさか羽虫の身体にべったり付いた『毒』がアメリアの口から入ってしまうなんて誰が思うだろうか。

 不可抗力が重なって殺人事件になる所だった。

 

 すぐに治したから影響はないけど。

 そういう問題じゃない、完全に僕のせいだ。


 次に羽虫。罰として、投げた。

 そのついでに綺麗にしておいた。


 はぁ……アメリアにどう伝えればいいのか分からないまま、何故か羽虫が同行する事になってしまった。


 さっき、また近くでうるさかったので、捕まえといた羽を離す。

 最初は元気に飛び回っていたが、突然落下する。

 それを瞬時に受け取るアメリア。


「ど、どうしたんですか?」


 アメリアの手の上で最後の力を振り絞る羽虫。


「……お腹が空いて。ガクッ」


 一瞬このままでもいいかな?って思ったけど改める。

 毒しかあげてなかったね。

 毒よりは美味しくないけど、普通の果実をあげる。


「はい、これなら食べられる」


 手のひらで餓死寸前だった羽虫は、高速で果実に張り付き、ムシャムシャと貪り始めた。

 毒を食べさせた相手から出されたものに、よくこれだけ迷いなく食いつけるな……。


「あの、お名前はなんて言うのですか?」


 急に聞かれてびっくりした、名前ねぇ……羽虫でいいような気もするけど。


「アメリアが、決めていいよ」


 めんどくさいので、放棄する。


「ひゃい。え?……無理です」


 そんなキッパリ言わなくでも。

 あ、ひゃい……いいかも?


「あひゃいにしようか!」


「や、やめて下さい!」


 顔を真っ赤にして怒られた。

 よさそうだけどなぁ。

……うーん。


「あの、元々のお名前はないんですか?」


 そりゃ上には無数にいるからなぁ。

 気にした事なかったけど、あの量に名前つけても区別つかないだろうね。

 でも、確かにここには一匹だけだし、名前があった方が呼びやすいか。


「ねぇ、名前何がいい?」


 がむしゃらに貪っている羽虫に聞いてみる


「にゃんどぅむひぃうい」


 なんだって?

 呼びづらいな、食べながら話さないでほしい。

 ほんとに「にゃんどぅむひぃうい」にするぞ?


 ……ムッとしたので、羽を掴んで持ち上げる。


「やだ、ご飯。やだ、食べたい」


 ジタバタして抵抗してくる。

 こいつ……僕は思いっきり投げた。


「ひゃぁあああああ」


キランッ!


「あの、大丈夫ですか?」


 アメリアは優しいね。

 ……僕はあの時のストレスが完全に蘇ってきたよ。

 もうアレは「ひゃああ」から取って「ヒア」でいいや。


「大丈夫、それに名前も決まった。あいつは『ヒア』だ。」


 ヒアの飛んでいった方を心配そうに見ながらアメリアが言う。


「ヒアちゃん。勝手に決めちゃっていいのですか?あの子、妖精族ですよね?」


 妖精族?この世界にいるんだ。

 なら都合がいいかな?


「うん、元々名前なんて無いからいいよ。」


 あ、戻ってきた。

 凄い速さで果実に突っ込んで何にもなかった様に貪り出す。

 もう、毒は与えないから大丈夫だけど。

 この食べ方問題だな、後で考えよ。


「ね、大丈夫でしょ?」


 「はい」とアメリアは言うとヒアの所に向かった。


「よろしくね、ヒアちゃん」


「!?……ひゃあっわすよしやでふ」


 分からないよ……まぁ自己紹介も済んだしいいかな。


 ロイ、ここの観測者のせいで、僕達に新しい仲間が強制的に加わった。

 でも、結果的に帰るとかじゃなくて安心した僕もいる……それが少し嬉しく思った。


 アメリアには後で何かしてあげられたらいいなぁ




最初はこんな無茶苦茶にはなってませんでした。

矛盾なくを考えたら結果的に軽くカオスになりました。


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