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元社畜神様はコミュ症すぎて異世界でも逃げ出したい  作者: 片白
2章 ダンジョン編

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2−12 訪問者



【国王】

──────────


 今日、一日だけで何があった。


 私はいつものように寝室で一日の最後を過ごしている。


 娘二人の恩人を追放し、娘を褒美にカイル殿と繋がりを維持した。


 これで、もしもの時と可能性を維持できたと思ったが……その思いが途切れぬうちに、宰相からの報告にあった『白い怪物』。


 リディア殿の話にあった『この世の終わり』と、繋がりがあると思い、すぐに動かせる様に準備をしておいたギルド……まさか初日で使う事になるとは思わなかったが。


 さらに、騎士団を派遣しようとした時に、アルテルが「私も行きたい」と言い出すとも思わなかった。

 

 どれもこれも、カイル殿の影響なのか……


 しかし、そのおかげか、情報が私まで上がる速さが違った。


「ふ……」


 左手のグラスを口に運ぶ。


 ……あやつの成長には驚くばかりだ。


 成長と言えば、アメリアよ……父の心臓を止める気なのか?


……情報に上がった『ミノタウルス』


 我が人生の中でもほんの一握り、私でさえ若き日に一度。

 それも複数人で狩ったくらいだぞ。


 それを単騎だと。

 報告を聞いて、本気で止まるかと思った……。


 一度、呼吸を整える。


「さて……」


 机の上に無造作に置いてある報告書を横目で見ながら、未だ現実だと思えない事実に思考を向ける。


…………最後、これは事実なのか?


 むしろ、これがあるからアメリアの報告を聞いても踏みとどまれたと言っても不思議ではない。


 ドラゴン……この世に倒せる者がいるとは。

 

 もしも、今回の事がリディア殿の言っていた事なのなら、いや……軽率だな。


 先ずは現物を見てからだ。


 しかし、カイル殿よ……

 これを予期していたのか?

 我々はまた、知らぬうちに救われたのか?


 椅子に深々と寄りかかり、窓の外を眺める。


「……明日か」



【カイル】

──────────


 朝日が眩しい。


 アメリアは外で寝るのは初めてらしく、


「このまま寝るのですか?」


「え? 姉様はぐっすり?」


 など、アルテルの事があったから特に思わなかったけど、お城育ちで常にふかふかの布団だと、そうなるよね。


 今では横でぐっすり寝ているけど、慣れたらあまり関係ないのかもしれない。


……僕はできれば、毎日ふかふかの布団がいいけどね。


 さて、昨日のうちに食料も十分集まったし。

 このまま外で寝られるなら、布団さえあれば……お金はもう、いいかな?

 さすがにアメリアに聞いた方がいいかぁ。


「カイル様ーーーっ!」


 その時、いやに聞き慣れた……いや、聞きたくない声が聞こえて来た。


バシッ

ドス


 とりあえず飛んできたソイツを叩く。

 ……叩かれたソイツは地面に落ち、すぐ復活して顔の近くを飛び回る。


「いったー!何するんですか、カイル様」


 なぜ、ここに小妖精がいるの?

 この先の話も聞きたくない、絶対に神がらみだ。


……とりあえず摘んで投げよう。


「ちょ、ちょっと、何を!やめてください」


 ジタバタしている小妖精を思いっきり投げた。


「きゃぁぁぁぁぁぁ……っ!」


キランッ


 飛んでいった方向を見ながら、これで居なくなればどれだけいいかと思う。


 最上神様は「もういい」って言ってたはずだけど……言ったのはリディアだしなぁ。


「はぁ。結局、逃げても繋がりを断てないのか」


 正直、小妖精が現れた時点でお迎えだよね?

 せっかく楽しく……うん、楽しくなって来たのになぁ。


 僕は項垂れるように木に寄りかかり、頭を抱えた。


「カイル様ーーーーっ!」


 ……本当にへこたれない羽虫だ。



【???】

──────────


ふーん。


 ここがビブリナの世界か。

 綺麗な世界だね、あまり干渉しない所とか……ビブリナにぴったり。


 ぼくは、リディアのせいで巻き込まれたビブリナの代わりに、この世界の管理を臨時で任された『ロイ』です。


 仕事に特に不満はないですが、なぜ代わりをやらなければいけないのか。

 ……さすがにコレは嫌ですね。


 さて、どうしようか。

 退屈な所みたいだし、そんな世界、最初から存在して欲しくないなぁ。

 いっそ破壊……すると、ぼくはどうなるのかな?


 ふふ。はぁ……冷める。


 これから数ヶ月ですか。

 ぼくの世界みたいに自由に出来るなら考えますが。

 他者の世界の臨時管理は、色々制限がありすぎてつまらない。


 うーん、さっきから上を飛ぶ小妖精……

 

「ちょっと、こっち来て」


 飛んでいた小妖精を呼ぶ。


「はーい、ロイ様。なんですか?」


 手招きして、更に目の前まで呼ぶ。


「ねぇ、キミさ。

 ちょっとこの世界に入って、カイルだっけ?

 ソイツに付いて、何かあった時だけ、ぼくに知らせて。」


 羽を摘んで世界に押し込む。


「え、ロイ様、待って下さい。

 どういう事ですか? や、えー」


スポッ


 小妖精が中に入ったのを確認して。


「これでよし。後は任せたよー」


 さぁ、ぼくは自分のところに戻ろう。

 うまくいけば、面白いかも。

 最上神様に怒られてもいいや、最近の流行りだし。


ふふ。はぁ……冷める。




一難さって沢山やって来ます。


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