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トノさん、マジでちょっとウザいんですけど[うっせぇッ、お前ら言葉遣いくらいちゃんとしろ!]  作者: 伊藤宏


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21.五つの企画

 個々の業務をこなしながら、大型案件に限って全員参加で取り組むという仕事の進め方は、今までになかった形だ。

 今のところ上手く進んでいる。


 もう一度、全体像を整理してみる。

 育愛会聖アンナ鈴蘭学園から依頼された仕事は、自分たちのクリエイティブが発揮できて、経験を通じて学びがあり、五十年経っても思い出として心に刻まれる高校生活の記念イベントの企画と運営だ。


 当面のキーパーソンは容赦なきスーパー美少女、若水彩菜生徒会長。


 この状況に対し、全員が、ラインも活用して喧々諤々の議論を行い、五つの企画案に落とし込んだ。それが、これだ!


『料理コンテストを兼ねた、地産食材中心の豪華バーベキュー』

『プロミュージシャンを招いてメモリアルロックフェスの開催(生徒も参加)』

『夜の仮装パーティー(なり切りカラオケや、ダンスパフォーマンスを含む)』

『ボランティア活動(児童養護施設や老人介護施設の慰問、街の美化などで地域に足跡を残す)』

『市民参加ができるハーフマラソン(校内や外周道路を使い、学校名を冠して定期開催を目指す)』


 外﨑の立場は、あくまで業務改革プロジェクトの特命課長なので、アイディア出しや企画のブラッシュアップといった会議では発言していない。ライン上の議論も、覗いていただけだ。


 彼らなりによく練ったことは認める。認めはするが、完成度としてどうだろう……。

 ただ、こういう依頼は時間をかければかけるほど先方の期待値が上がり、ハードルが高くなる。だからスピード優先で提案するのは間違いではない。

 ないが、しかし……。

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