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異世界転生の女神に転生! 〜ひとつのカラダにふたつの魂〜あなたが転生出来るまで、私の仕事を手伝って!  作者: 黒砂 無糖


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15/21

開いた扉の向こうには 

物語は、20話で完結+エピローグになります。

『能力開発部』を後にして、部屋に戻る時に、私はまた凪と入れ替わるつもりだ。



「ギード、入れ替わるから、凪を部屋まで案内してね」


 私はギードにお願いすると、彼の返事も聞かずに凪と入れ替わった。



「あっ、おい、コラ!プルクラ!」


 ギードが慌ててるけど、無視だ。



「あの…ごめんなさい」


 いきなりギードに怒られた凪は、咄嗟に謝っていた。



「いやっ、その、全部プルクラが悪いだけだから、凪は気にしないで」



 ギードは、凪には弱い様だ。



 ——折角だから、私は少し眠ろうかな



(凪、私少し眠るから、部屋に戻ったらさっき見た資料の続きを、まとめてくれる?)


 私は、この際、事務仕事を凪に任せてみようと思って声を掛けてみた。



「え、私がやってもいいの?」


 凪にパァっと喜びが広がった



(後からチェックはするけど、よろしくね。おやすみなさい)


 私は今は、長々と話すつもりはないので、さっさと意識を閉じて、眠りについた。




 ***




「プルクラ、眠っちゃいました」


 凪は、眉根を下げて、ちょっと困った様な顔をしている。



 プルクラなら、絶対にしない表情だな…



 俺は、見た目がプルクラでも、中身が違う彼女を前に、不思議な気持ちになる。



「あいつは全く休まないだろ?凪には悪いけど、ちょっとだけ休ませてやってくれ」



 プルクラは、仕事中毒だ。



 忙しいのも事実だが、全く手を抜かないから、いつも眠らずに仕事をこなしてる。



「はい。ギードさんは、プルクラの事が心配なんですね?」


 凪は、頬を染め首を傾げながら、プルクラの顔で、声で、俺の気持ちを聞いてくる



 ——プルクラ、かなりやり難いぞ



 実際、入れ替わっても、プルクラが丁寧な態度だったら咄嗟には分からないだろう。



「ずっと一緒に仕事してるからな、担当がプルクラじゃなくなったらやり難いだろうな」


 本人は気づいていないが、プルクラはかなり人気が高い。


 美人なのは勿論だけど、仕事がめちゃくちゃ出来るのに、ちょっと抜けてるし、裏表も無いから付き合いやすい。



 ——他の奴と組むとかは、考えられないな



 俺が、ひとりうんうんと頷いていたら



「ギードさんは、プルクラの事好きなんですか?」


 プルクラの声で、凪がとんでもない事を尋ねてきたから、


 びっくりして、思わず凪を見た。



 俺は、凪を見たはずなんだ…



 そこには、胸元で手をキュッと握りしめ、恋をしている様なキラキラした目で、俺を見つめる



 眩しい笑顔のプルクラの姿があった



「うっ…」



 俺は、不覚にもプルクラの美しさに、思わず目が眩んでよろけてしまった。



「ギードさん?大丈夫ですか?」


 凪が心配して慌てて、俺を支えてくれたけど、むしろそれは悪手でしかない。



「凪、大丈夫だから、気にしないで」


 俺は手を振り、平気だと主張して、その後は出来るだけ凪を見ない事にした。



「俺はプルクラの事、好きも嫌いも考えたことすらなかった…(本当になかったか?)」


  凪に質問されたから、答えようと思ったが、自分の言葉に自分で引っ掛かるとは…



「神様達は、恋愛しないんですか?」


 凪はまだ若いから、気になる事なのだろう。



「恋愛ねぇ…する奴もいるけど、神によるかな?それは人も一緒だろう?」


 俺達は長く生きすぎたから、あんまり感覚が無かったというか、気にしていなかっただけというか…



「そうなんですね…てっきり、ギードさんとプルクラは、仲良しだし、その、恋人同士なのかなって思っていたので」


 凪は真っ赤になりながら、俺に話をしてくれたが、


 照れて目を潤ませて、顔を赤くして、はにかんだ笑顔を見せるとか、



 ——正直、かなり目に毒だ



 これはプルクラじゃない。これはプルクラじゃない。これはプルクラじゃない。これはプルクラじゃない。これはプルクラじゃな…



 よし、大丈夫だ。


 俺は脳内に呪文の様に刻みつけた。



「まあ、人間で言うなら、プルクラとは、ビジネスパートナーの関係だな」



 うん、それが正解だ。



 間違っても、邪な関係など、考えてないぞ!



 俺は必死に、頭の中の騒音を、片っ端から色々と否定して歩いた。


 そんな事をしながら、凪と話しつつ歩いていたら、あっという間に部屋に着いた。



「あ、付きました。送ってくださり、ありがとうございました。お茶でも飲んで行かれますか?」


 凪が、それはもう可愛らしく、俺をお茶に誘ってくれたけれど、



「いや、まだ仕事があるから、失礼するよ。凪も資料まとめるんだろ?頑張れよ」


 俺は出来るだけ爽やかに笑って、背を向けて手を振りながら、ゆっくり、最大限に大股で歩みを進めた。



 曲がり角を曲がった瞬間



 俺はダッシュで自分の執務室に駆け込んだ。




「なんだよあれ!めちゃくちゃ可愛いとか反則じゃねーか!この先、この気持ちどーすんだよ!」



 俺は叫んだ。



 プルクラは昔から好きだった。


 長い時間かけて、気持ちを浄化したんだ。


 な、の、に


 劇薬をぶちまけられた。



 別に俺は、可愛いプルクラが好きだったわけじゃない。



 たまに見せる笑顔や、油断した顔が、俺はたまらなく好きだったんだ。



 すっかり、仕舞い込んでいたはずなのに、一瞬で閉ざしていたはずの扉が消し飛んだ。



 しかし、あんな表情も出来たのかよ…



 思い出しただけで、込み上げて来るものがあるが…


 でも、中身がプルクラじゃないから、



 やっぱりちょっと、違うんだよなぁ






ここ読んで頂きありがとうございました、

お話は残り後5話+エピローグです。


お話が気に入って頂けるようなら、

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