表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生の女神に転生! 〜ひとつのカラダにふたつの魂〜あなたが転生出来るまで、私の仕事を手伝って!  作者: 黒砂 無糖


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/21

自立の一歩 

『天鏡』を使って、凪の周りの人達の生活を覗いた日から数日が過ぎた。


 凪は、私と一緒にいる事にもだいぶ慣れてきたようで、仕事中によく話しかけてくるようになった。



(プルクラ…この魂…)


 凪は、今、資料作成に取り掛かっている、不憫な魂に心を寄せていた。



「凪、やってみる?」


 毎日仕事を見ているから、資料の作成は難なく出来るだろう。



(私がやってもいいの?)


 凪がドキドキしているのが伝わってくる。資料作りは好きだもんね。



「魂に興味が持てたなら、凪が考えてみて。勿論、ダメな時には私がチェックするわ」


 私はそう言って、凪と入れ替わった。



 凪がまとめてくれた資料は、私が作った資料と変わらない出来で感心してしまう。



(さすが凪ね。早いし見やすいわ)


 私がそう褒めたら



「プルクラは、褒め上手よね」


 と言って、はにかみながら笑っていた。



【 家庭 】


 女と金にだらしない父と

 無関心で無責任な母

 産まれた時から虚弱体質

 ネグレクト気味に育つが、

 自力で生活能力を身につけた。


【 印象 】


 育ちのせいか、認証欲求が強くなる。

 責任感も強い為、利用されやすい。

 精神的にはかなり強い。


【 性格 】


 頭脳明晰

 前向き、努力家、若干能天気。

 空気読みが上手い。

 勘が鋭い。



【異世界知識】


 物語としての知識はある



【 死因 】


 病死

 病の発見が遅れ、手の施しようが無かった。


【備考】

 利用されたくないので自分で店を出した。

 ポテンシャルはかなり高い。





 丁寧に書き出された情報を見ながら、凪は考えをまとめて話をしてくれた。



「彼女は、基礎能力がかなり高いです、今まで頑張ってきたから、能力を向上させて、平和な世界に転生するのがいいかと思います」


 凪は、仕事になると、はっきりとした物言いになる。内容も概ね間違っていない。



(凪、いい感じよ、ただ、稀だけど既に転生先が定まっている魂もあるから、確認してね)


 私がそう伝えると、凪は分厚い資料集を取り出して、年齢、性別、死因、能力の項目から所定の者か否かを調べている。



(適応者の魂の特徴としては、基礎能力が非常に高く、前世はかなりハードモードなのよ)


 凪の作った資料を見る限り、所定の魂のような気がしたので、念の為、資料集を確認させてみた。



「あ、本当だ。プルクラ、ありました」


 凪の指差したページに、魂の名前があった。



(あら?やっぱりこの魂、転生先の世界は、既に決まっていたのね?)


 所定の魂は、世界の指定だけでなく、付加する能力や、時間も決められている事がある。



「プルクラ、この場合、どのように記入すればよいの?」


 凪が、初めての事に戸惑っていたので



(ちょっと一瞬、変わるわよ)


 私はスッと凪と入れ替わった。



「賢者…ねぇ?時間軸が違うようだけど…能力の覚醒時に記憶を取り戻せばいいのね?」


 凪に変わり私が調べてみたところ、この魂には、色々な制限があった。


 私はささっと、追加の情報を、凪に見せながら資料に記入して行った。



(この子、私に似てますね)


 凪は、心配そうにしている。次の世界で、幸せになれるか気になるのだろう。



「そうね、強いて言えば、凪も彼女も父親がクズなのと、母親が無責任な所が似てるかしらね?後2人とも頑張り屋さんだわ」


 私が、ぱっと見の共通点を挙げて行ったら、



(プルクラ、クズに無責任って、確かにそうだけど言葉にするとちょっと酷いわ)


 と言って、凪はクスクス笑う。



 凪は、鏡を覗いて現実を見た日以来、よく笑うようになった。



 自分の、周りがおかしかった事、それを自分が増長させていた事を理解して、彼女なりに前に考えて進み始めた様だ。



「あら、私は凪の資料を見て言ったのよ?無責任って書いてあったし」


 と、資料を見ながら言い返してやると



(え?私、そんな事…あ、やだ書いてるわ)


 凪は、母は無関心で無責任としっかり記載してあるのを見つけた。



「凪、無意識で書いている方が、酷くないかしら?」


 私はさっきのお返しに、言い返してやった。



(うっ…確かに)


 凪は言い返す言葉がなく、負けを認めた。



 そんなやり取りを楽しんでいたら





 コンコン ガチャリ



「お、プルクラ、今時間あるか?」


 毎度お馴染み、ギードがやってきた。



「ギード、あなた来過ぎじゃない?もしかして暇なの?」


 私は、面倒だなと思いながらそう言うと、



「あぁ?失礼だな、俺は全く暇じゃないぞ?『能力開発部』が、新しい能力を見に来いってさ、ついでに声掛けに来た」


 ギードは真面目に仕事をしていた様だ…



「また希望する能力が増えたの?」


 私はまた、新しく覚えなきゃならない事に、ウンザリしてしまう。



「今回は、案内時に配布が間に合わなかったシリーズもだな」


 ああ、あの、祈れば追加される能力ね…


 準備が間に合わなかった場合、魂に神に祈りを捧げる事を伝えて送り出し、仕上がり次第能力を送りつけるの。



「私も見に行かなきゃダメ?」


 なんなら、今は手一杯なんだけど…



「ダメ『能力開発部』のジジイどもが、プルクラを連れて行かないとうるさい」


 ギードは、はぁ、とため息をついた



「面倒くさいわ…」


 私がボソッと呟くと



「プルクラはジジイどもに人気だからなぁ、諦めてくれ」


 と言って、私の手元の資料を取り上げ、手を引いて、あっという間に部屋の外に連れ出されてしまった。



「凪…変わる気はない?」


 私は、興味がないから引っ込みたいので、凪に縋ってみたけれど、



(無理です)



 あっさり凪に断られた。


 凪…あなた断る事出来たのね…





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ