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俺目掛けて飛んできた

帰りにフラリと寄った道場横のコンビニでハンバーグ弁当をゲット。


飲み物は冷え冷えの状態で飲みたいから、家の近くのコンビニで買うことに。


んでもってお家の近くのコンビニなう。


いつものエナジードリンクをチョイスして、この前、一緒に強盗に出くわしたバイトの店員と軽くその後の話しになった。



「この前は本当に助かりました!  あの強盗、強盗未遂と銃刀法違反もあって、懲役10年らしいですよ」  


「そうなんスか?  ヤバいっスね」


「勿論、猥褻行為も伝えましたよ!  あんな綺麗な人の神聖な聖域を覗くなんて、僕は死刑でも良いと思っていますよ!」


「はははははは……」



そう言えば、紐パン履いてるペラペラに出会してたっけ……


結局、アレは何だったのか不明だったけど、関わったら絶対に駄目なヤバいヤツって事は分かる。



「しかも、あの後から、あの綺麗な人達が良く来るようになったんですよ!」


「え?」



なんで!?


良く来んなし!!


俺の家の近くだし!!



「なんか、あの人達、この辺に住んでいるっぽくて、丁度、この時間帯になったらいつも──  って、来ました!  噂をすればなんとやらですね!」



って言いながら、店員がササッと髪を整え始めた。



「………………」



そんな店員を横目にコンビニの外に目を向けると、



「………………」



自動ドアの向こう側から近づいて来る、人間大の白いペラッペラ。



しかも、




ピポピポピポ~ン



何の問題も無いかの様に自動ドアを潜って入店。



「いらっしゃいませ~!」



おい……


自動ドアのセンサーバグってんのか……?


それとも、俺の目がバグってんのか……?



前回同様、不思議な光景過ぎてマジで意味が分からない。


店員はご機嫌に顔を上気させながら、いやらしくない様にペラッペラをチラ見しまくっている。



まぁ、何はともあれ、問題事は嫌だから、俺は店員に軽くお辞儀して、



「そんじゃ、またです」


「はい。  ありがとうございました~」



そそくさとコンビニから急いで出る。


しかし、



『すみませーん』


「──!?」



コンビニを出るなり不意に背後から声をかけられ、



『1回、死んでくださーい』



振り向こうとしたと同時に何かが



「ひえぇっ──!?」



飛んできて、耳元で風切音をたてた。


左側に振り向いたのが功を奏したのか、マジで運良く右から来たナニカを躱せた。


未だに右耳に残る風切音が気持ち悪くて、耳をサスサスしながら不格好に横に飛び退く。



『うーん。  運が良いですねー』



んでもって、若い女性の声と一緒に、



「──!?」



白いペラッペラが目に入る。



『因みにー、逃げようとしても無駄ですよー。  もう、君の顔と理力の波は覚えましたー』


「え?」



ペラッペラは、右腕の部分を俺に向けて指す様に伸ばしたり、なんか動いたりしているけど、



『それにー、此処ら辺には人避けの結界も貼っちゃったのでー、誰も助けに来れないですよー』


「は?」



如何せん見た目が紙すぎて、ペラッペラの動きの意味がよく分からなさすぎる。


しかも、



『へー。  こんなモブ丸出しな普通すぎる人も、ハコの使い?』


「──!?」



コンビニからさっき入れ違ったペラッペラも出てきた。



声と喋り方は違うけど、見た目は同じ真っ白なペラッペラ。


そんなペラッペラが、俺の背後と前に立っていて、俺はペラッペラにサンドウィッチ。


ってか、今は横を向いたから左右にいるペラッペラ。


左右に居てもサンドウィッチ。




か、囲まれたっ!?




もうどっちもペラッペラすぎて、コンビニから出てきたのが1号で、外に居たのが2号と称する事に。


ってか、俺には見た目の区別がつかねぇ!



左右に首をフリながら、コンビニの入口から遠い方のペラッペラ2号に声をかけてみる。



「も、もしかして……  か、カツアゲでしょうか……?」


『うーん。  カツアゲと言えばカツアゲかなー?  取るのは勿論、君の命だけどー』


「は?」



ケタケタ笑い声をあげながら、お腹部分を抑えるペラッペラ2号。



笑ろてる~!?


紙が笑っておる~!?



そして、ペラッペラ共の右手の辺りがゆっくりと伸びていき、



『さぁ、さっさと死んでくれろー』



鉈みたいな形の紙が、ニョキって出てきた。



「な、なんスか、それ……」



そんでもってペラッペラ共がその場で腰だめに構え始め、



『君の首を刈り取る道具だ──』



左右両方のペラッペラが、



『──ねっ!!』



俺目掛けて飛んできた!?



「ぬおぉぉぉおおお──」



一足飛びで左右のペラッペラが俺に接近し、俺はやむなく今晩の晩ごはんを手放して、眼前のガードレールを飛び越えて、



「──ぉぉおいいいい!!」



必死に道路に身を投げ出す。


んで、さっきまで俺が立っていた所で、ペラッペラが鉈っぽい見た目の紙を打ち付けあって止まって、俺に顔?の部分を捻って向けている。



「ひぃぃぃいいい!?」



いや、マジでホラーだからコレ!


ってか、紙な見た目なのに、金属同士がぶつかったみたいな大きな音が鳴ってたってどう言う事っ!?


マジでなんなのコレっ!?



『うーん♡  見た目はパッとしないモブだけどー、腐ってもハコの使いって訳ねー』


『今のを躱すとか、それなりに死線は潜っているっぽい』


『それじゃー、全力でー、いっくよー!』


『おぉー』


「な”ぁ!?」



ペラッペラの1体がガードレールを蹴って宙に飛び、もう1体のペラッペラは、ガードレールを飛び越えて地面スレスレで飛んで来た。



コレは流石にヤバすぎる!


いきなり2対1とか、マジでなんて事してくれてんの!?


俺なんて、1人なうえに、晩飯だってまだなのよっ!!



って思いながら、地面から来てるヤツに向かって投網を発現させて投げつけて、



『──ぬぁ?』



上から来たヤツの鉈?を、身体を横に思いっきり投げ出して避ける。



『逃げないでよー!!』



ゴロゴロ地面を転がりながら剣を発現させて、



「無茶言うなしっ!!  逃げないと死ぬだろしっ!!」



ペラッペラを視界に入れる為に、片膝をついて体勢を整える。


そんで、チャチャッと左側をチラ見して、もう一体のペラペラが投網にかかっているのを目視で確認。


そんな俺の視線に合わせて、地面の網にかかっているペラッペラに向かう、無事な方のペラッペラ。



『何やってんのよー?  ダッサ―。  そんな網なんか早く抜け出してよー?』


『無理。  重くて身体を動かせない』


『そんな訳──』



そして、足先で網を持ち上げようとして、



『──重っ!?  ナニコレー!?』



驚きの声をあげてるけど、如何せん見た目が紙すぎて、リアクションがイマイチなうえに、何をしているのか分かりづらい。



『だから無理。  抜け出せない』


『んーもうっ!  それじゃー、晴喜様に連絡してー!』


『分かった』



とか、ペラペッラ共が何やらやり取りしているけど、



『ってか、アイツ居なくなった……』


『え?  ウソでしょ!?』



俺はその隙にこの場から逃げてやった。




ザマァ~!!


あぁァ~ばよぉォ~!


とっつア~ンンン!!



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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