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魔力の塊で再現してみた

玉藻とウP主に不法侵入された日からあっという間に5日が過ぎた。


その間、俺はガチで引き籠もりまくりのゲームしまくり。


けど、ぶっちゃけ、



「飽きたわ……」



飽きた。


飽きすぎて、ながらゲーになってしまったから、気分転換する事に。


丁度、頼んでいたモノも届いたし、ジュークボックスを生き残る為ってのと、自分の未知すぎる異能を色々と試してみる事に。


って事で──











「モヤシのくせに気が利くじゃねぇか!!」


「まぁ、一応、場所代?ってやつ?」



──雫ん家なう。





午前中にスーパーで買った手土産のウォッカを1瓶渡したら、



「ジジイは未だに入院してるし、パパもどっか行ってるから、好きに使っていいぞ」



快く庭を使わせてくれた。



チョロすぎ!



自分の部屋でやっても良かったけど、黒い魔力の重さでフロアが抜けたりとか、爆発とかしたら嫌だし、外で実験するにしても、広くて人目につかない場所ってのがここしかなかったのだ。


ってか、此処なら何かあっても、雫の不始末って事で片付けられる筈。


庭の竹林の木陰のベンチに腰掛けて、先ずはタブレットでお目当てのサイトを探す。



「………………」



そんな俺の対面には、延長コードを使って屋外で3台の冷風機をフル稼働させ、スマホを弄りながらウォッカベースのカクテルを呑んでいる雫。



「………………」



そこまでするんだったら、エアコンの効いた家の中に居りゃいいのにって思ってしまうけど、此処はコイツん家でルールもコイツで、俺がコイツに色々と口出しする事じゃぁない。


って事で、大自然に真っ向から喧嘩を売っている馬鹿を無視して、俺は俺でやりたい事をやる。


次にリュックから箱を取り出して開封。


箱から中身を取り出し、



「お?」



俺がトリガーを動かした音に反応して、



「エアガンじゃん」



スマホを弄る手を止める雫。



「私の分は?」


「………………」



んでもって、当たり前の様に自分の分を聞いてくる。



「…………ねぇよ」


「うわっ……  1人でエアガンで遊ぶとか、マジでコミュ障かよ?  ってか、他人の敷地内で1人でサバゲされるのは流石に引くぞ……  帰れよ」


「違ぇぇぇし!  遊ぶ為じゃないし!!  サバゲしないし!!」


「じゃぁ、なんだよ?」



ボッチサバゲを全否定しながら、いそいそとリュックから工具を取り出して、



「こうすんだよ!」


「………………」



淡々とパーツ毎に分解していく。



「……なんで人ん家の庭使ってエアガンを改造し始めてんだよオマエ……?  マジ、キモすぎ……  そんなん自分家でやれよ。  帰れよ」


「改造とかしないから!  分解してるだけだから!  ってかコレ、エアガンじゃないから!  銀ダンだから!  現代風銀玉鉄砲だから!」


「銀ダンってなんだよ?  エアガンも銀玉鉄砲も同じだろ?  ってか分解も改造も同じだろ?  もう、帰れよ」



「帰れ帰れ言うなや!!  おまえ、既にウォッカ受け取って呑んでんだろうが!!」


「コレはコレ、ソレはソレだ」


「病気か!?」



帰れ言うバカを無視して、分解した銀ダンのパーツを机の上に並べて、



「ってかコレは、今から俺の魔力で作り直すんだよ!」


「は?」



バラしたパーツを握ってコピーして、



「ホレ!  こんな感じで!」



黒い魔力で次々とパーツのコピーを発現させていく。



「オマ……  マジ、か……?」



そんな俺の作業を見て何故かドン引きする雫。



「なんで引いてんだよ……?」


「いや、オマエ……  ソレで何するつもりなん?」


「ジュークボックスで戦う為の手段の確保?とか?」


「あぁ……  そう言う事……  ってか、マジか……」



なんで化け物を見る様な目で俺を見てんだよ?


こちとら、生き死にがかかってるっつうの!


残基1っつうの!!



って事で、パーツのコピー完了。


ってか、俺の能力の制限的に、ガスも電動も無理だから、仕方なく、普通のスプリングを使うタイプの銀ダンを俺の魔力の塊だけで再現してみるのだ。


コレは、セミオートのエアコキだけど、子供向けの為に威力がクソ雑魚いから、魔力の塊に素材を変えた場合にどれくらいの威力になるのかマジで想像つかない。


まぁ、普通のエアガンと違って、一応、連射できるから、取り敢えずって事で、先ずは銀ダンをチョイス。


って事で組み立て完了。


漆黒な小さめな銃が完成。


トリガー部分?とかスプリングのしなり具合も再現できてるっぽいから、これで大丈夫だと思う。


まぁ、威力がホントにクソだったら、明日にでも普通のエアガンを買ってきて、魔力の塊で改めてリメイクする予定。


そうなると、1発ずつしか打てなくなるから、どうせならスナイパーライフル的なタイプにしようって思ってる。


付属されていたBB弾もコピって完全再現させ、マガジンに1個ずつチマチマ詰めていく。



うん。


マガジンも問題無さそう。


ってか、18発入るんだな?



弾が詰まったマガジンを挿入する前に、試しにトリガーを引いてみたけど、



「………………?」



何故かプラスチックのオリジナルなヤツよりトリガーの引きが軽すぎて、



「こんな軽くてちゃんと飛ぶんか……?」



トリガーがガッコんガッコんなオリジナルと違って、コキンコキンって弱い感じ。



「弱くねコレ?  ってか、暴発したらどうしよ……」



うん。


なんか、嫌な予感が……



まぁ、失敗は成功の元って事で、



「試射してもいい?」



先ずは威力を確かめてみる。



「いいんじゃね?  やってみろよ?」



家主からOKを貰えたから実射。



「んじゃ、あの太い木に向かって撃ってみろよ?  って事で、ハイ、構えぇ~」



ってか、何気に興味津々でノリ気な雫。


雫のノリに合わせて両手でグリップを握って、木に銃口を向けてソレっぽく構える。



「(撃)て~」



ってな感じで、ユルユルで適当な雫の号令と共に、何も考えずに適当にトリガーを引く。



コキンっ──


ドヒュンッ──!!


バガンンン──!!


ドギュルルルル──!!





「「………………」」



ってか、発弾した瞬間、銃口からソニックブームみたいな輪っかが出た……


ってか、小さな弾が着弾した箇所を中心に、一瞬にして渦を巻きながらクレーターみたいの作って、木の幹が半ばまで抉れて弾けた……


ってか、弾が貫通して小さな穴を残しながら、木の後ろにガサガサ音を立てて飛んでった……



「「は?」」



突然の出来事、認識や知識や意識の範疇外、未知との遭遇、言い方は色々あるけれど、取り敢えず、初めての出来事すぎて、



ナニ、コレ……?



眼の前で起こった出来事が分からなさすぎて、唖然呆然で思考停止。


遺憾だが、なんの捻りもなく、馬鹿と全く同じリアクションをしてしまった。


どうやら人間は皆、己の理解の限界を超えてしまうと、誰でも同じリアクションになってしまうっぽい。



「オイ……  オマ……」


「………………」



うん……


オマエが言いたい事は程よく分かってるから……



「撃ってみる?」



取り敢えず、顔を盛大に引き攣らせながら俺を見ている雫の興味を逸らしておく。


やっぱり、戦闘狂にとっては魅力的な銃の誘惑には抗えないのか、



「あぁ……」



俺が差し出した銃に向かって手を伸ばす、が、



「………………」



俺の黒魔力の重さを思い出したのか、



「いや……  ちょっと、そこに立てて、上の部分を抑えてろ。  私はトリガー引くだけにする」


「………………」



俺の手から銃を取るのを止める。


雫に言われるまま、銃のスライド部分に手を添えて、机の上で立っている状態で配置。


ソレのグリップを両手で握って、トリガーに指をかける雫。


しかし、



「………………」



酷く困惑している表情で、眼力マシマシで銃と俺を交互に睨む雫。



「どしたし?」


「いやな……」


「はよ撃てし」


「ちょっと、待て……」


「ビビってる?」


「ビビってねぇよ!!  トリガーが重すぎて撃てねぇんだよ!!」


「マジか……  んじゃ、軽く手を離すから、ちょっと支えてみて」


「いや!?  オマ!?  ちょっ!?」



盛大にビビっている雫を無視して手を離してみると、



「ふごォォォお!!」



銃が倒れて雫の手が下敷きになった。



「退けろ──!!」



どうやらこのトリガースカスカ銃は、



「──早く退けろぉぉぉぉおおお!!  手が潰れるぅぅぅううう!!」


「………………」



実はクッソ重いらしく、いつも通りに俺専用らしい。


俺にとってはバネもトリガーもスカスカで、重さもプラスチックより軽く感じられても、他の人にとってはトリガーはガッチガチなうえに、本体もおっも重だった。


ってか、殺傷能力高すぎて草。


なんでこうなってしまうのか、余計に俺の能力の謎が深まるばかり。



うん。


これ以上考えるのは止めよう。



んで、文句を言われながら銃を雫の手から退けて、退けても文句を言われ続け、



「………………」



一旦、銃を左手に食わせてリサイクル。


再度プラスチックのパーツを握って魔力でコピーして、同じく魔力で銃を組み立てる事10回。



「こんなもんか?」


「………………」



いちいちパーツをコピーして組み立てなくても直ぐに銃を発現できる様になった。


そして、マガジンを取り出さなくても弾もリロードできる様になった。


たまに左手でチョチョイと魔素呼吸してやれば、マジで永遠に弾を撃ち出せる感じなアレ。



うん……


ヤベーなコレ……



魔力で発現させた銃の試し撃ちをされ続けている木は、もう粉々。


リロード実験で試し撃ちされている足元の地面は、深くて小さな穴だらけ。


ソレを見て目のハイライトが消えている雫。


俺は俺で大満足な結果でウハウハ。


ってか、お腹が空いてきたからもう今日は帰ろう。



「そんじゃ、今日はもう帰るから」


「あぁ……」


「別なヤツを試したいから、明日も来ていい?」


「あぁ……」


「そんじゃ、また明日」


「あぁ……」



何故か、BOT以下の受け答えしかできなくなっている雫。


取り敢えず、明日も来ておKって事だから、明日も色々と試してみる。



今晩は何を食べよっかな。



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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