マジでPTSD待ったなしだから……
発現させていた全てを左手に食わせて解除。
ってか、解除するんじゃなかった……
解除して直ぐに俺達の目に入って来たのは、
「なにが、起こったんだよ、コレ……」
「地獄絵図でござる、な……」
「モヤシ…… ナニしたんだ、オマエ……?」
地面に血の海を作っている、
「いや、ちょっと……」
眷属らしき人達の成れの果て。
またの名を、肉片とも言ったり言わなかったり……
「ちょっとって何だよ……? オマエのちょっとはどんだけだよ……?」
「俺はただ、発現させていたテリトリー全部?を、ドーム?で囲って、ドームの上から雨?、を降らせた?、だけ、です…… はい……」
「「「「「………………」」」」」
ってか、俺の回答に全員ドン引き。
「それで、あんな重たい音が連続で……」
「鬼畜でござるな…… 自重に重力も追加された、当に、命を刈り取る、死の雨でござるな……」
「妾が見てしまった光景は、視界を奪われた暗闇の中、周りを囲まれて逃げ場も防ぎようもない、当に、旦那様に命を掌握された、矮小な者達の悲惨な末路よ……」
「オマエだけは絶対に敵に回したくねぇわ…… マジで……」
「木梨氏。 ソレには激しく同意でござるよ。 攻めようにも、ガチで引き籠もられては攻撃も届かず、挙げ句、引き籠もり先から捕獲されて、その上、エンドレスに戦略級の範囲攻撃をしてくるとか…… ホント、紅葉氏の敵にだけはなりたくないでござる……」
「唯一の救いは、引き籠もっておる旦那様が、外の様子を自分では分からぬと言うところよのぉ」
「そもそも、相手が逃げ場を絶たれてたら、外の様子とか、そんなの、あって無い様なものだよね……?」
「………………」
ってか、なんで、いきなり俺をテーマに生討論し始めてんのコイツら?
ってか、え?
マジ?
今度は何が起こったし……
俺を他所に討論を続けているみんなを尻目に、放置されていたグロ死体が血の一滴も残さずに、次々と掠れて消えていった。
「なぁ…… 死体が消えた、ぞ……?」
「ㇵ? んな訳ある── マジ……?」
「無くなっているでござる……」
「紅葉。 なにしたの?」
「何もしてねぇし!」
何もしてないのに、何故か怪訝な視線を向けられる俺。
理不尽だ!
「あ、ソレはアレです」
「アレ?」
ウP主さん!?
知っているんだったら、先に言ってよ!!
ジュークボックスが始まった時といい、警視庁が他のハコの組織だった事といい、今といい、肝心な事を報・連・相できてなさすぎなウP主さん。
そんなんだから、俺の異能がバグってるし!
「倒した眷属は2日後に異能を失って復活します。 その為、世間から死を秘匿したり、その間まで死体を補完したりと言いますか、調整と言いますか……」
「要は、世界による、死の偽装と証拠隠滅ってか?」
「言い方はアレだが、雫の言うそれで間違ってはおらぬよ」
「なんでそんな事すんだよ?」
「理由としましては、眷属を倒した眷属を社会的に犯罪者扱いにしない為です」
その配慮はマジで有り難い。
こんなんで捕まって一生を棒に振るとか、マジで堪らんぜよ。
「もう1つの理由は、眷属を倒した眷属に、罪悪感を抱かせない為です」
「「「「………………」」」」
ウP主の説明を聞く俺達は、ソレは有り難い配慮だけど、もう少しなんとかできるだろ?って顔で無言でウP主を見る。
「有り難い配慮ではござるが…… 僕としては、グロな部分はスキップしたり、なにかで誤魔化しとかしてほしいでござるよ……」
「分かるぞ桜田」
「僕もそれが良いかな」
桜田にマジで同意。
ほんと、グロはなんとかして欲しい……
マジでPTSD待ったなしだから……
「それはできません」
しかし、ウP主が真顔で却下。
「なんで却下だし!?」
「あくまでも、ハコの眷属の敵は人ではなく、虚無、並びに、虚無に侵食された者達。 虚無に侵食された者達の討伐は…… その…… グロ不可避なので…… ある程度のグロ耐性を、付けてもらわないと、なのです……」
「最初で肉団子マンを経験したから、言いたい事は分からなくもないけど……」
「スパルタでござるな……」
「ハッキリ言って、私もグロは嫌ですよ!! でも、眷属達を導き、共に強くなり、世界を護る事こそが、ハコが肉体を得て、この世に顕現している理由であり!! 使命です、ので……」
「「「「………………」」」」
世界を護る責任とか、眷属の強化とか、ウP主さんも、ってか、ハコの管理者達も、色々と大変そうだ。
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