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全く別物すぎててワロタ

俺は今、



「「………………」」



ガムテープで両手を縛られて、店員と一緒にレジカウンターの中で立たされています。


ポケットの中にあったスマホと家の鍵もご丁寧に取り上げられて、黒ずくめの男のバッグの中に放り込まれていますです。



「さっさとレジを開けやがれ!!」



と、黒ずくめが怒鳴っているけど、



「れ、レジの鍵は店長が持っていて、あ、開けられないんですよ!」



テンパって狼狽えまくる店員。



って言うか、コレって、コンビニ強盗だった。


平和な日本で、しかも家の近くで、こうも露骨でテンプレなコンビニ強盗に遭遇するとか……



最近の俺の運は仕事しているのか……?



と、俺にバグな不良品を寄越した、ウP主が管理しているサイトと出会ってから、今日までの日々が瞬時にフラッシュバックされた。


俺はモブらしく平穏な日常を望んでいたはずなのに、



うん。


かなり濃いな……



見た目は子供、頭脳は大人な小学生探偵に負けないくらい、日常が濃くなっていた。



ってか、強盗が手にしている銃先が、強盗が動く度にナチュラル且つランダムに俺を向いてくる。


それが怖すぎてマジで泣きそう。


しかし、こんな酷い状況な俺に、この場を突破できるアイディアが舞い降りた。


って事で、縛られている手を強盗の見えない角度に持っていき、怖がっているフリをしながらギュウって目を瞑る。


瞼の裏に描くイメージはスマホ。


サイズは俺が持っている物と同じくらいのもの。


点を、線を、面を繋いでソレっぽくイメージして、魔力をパンパンに詰めまくって左手に発現させる。


そして目を開いて、



「す、すみません……」



フラフラと位置が定まらない銃を気にしつつつチラ見しながら、



「ここに、スマホが落ちてました……」


「「!?」」



発現させた漆黒のスマホ似な物体を、縛られている両腕を持ち上げて強盗に見せる。



「オマエ!?  隠してやがったな!?」



当然の如く、店員に顔を向けながら怒声を上げる強盗。


しかも、



「ヒィっ──!?」



銃口を額に突きつけると言うオマケ付き。



「オイ!」



そして、肩からたすき掛けにしているメッセンジャーバッグを銃を持っていない方の手で広げ、



「ソレをさっさと寄越せ!!」



中に入れる様に俺に命令する。


って事で、献身的な俺は少しカウンターから身を乗り出して、



「っしょ、っと」



強盗のカバンの中へとソレを放り込む。


瞬間、



「ふ──!?」



俺が入れたスマホの重さでたすき掛けにしていたカバンが地面に引っ張られ、



「──ごぉぉあっ!?」



同じく強盗も地面に引っ張られた。


たすき掛けにしていたメッセンジャーバッグのストラップを短くして身体にフィットさせていた強盗は、俺が入れた魔力の塊のせいで、強制的にうつ伏せな格好でフロアに貼り付けにされた。


そんな無様な強盗を見て店員が思考停止している隙に、



「喰らえ!!」



店員の視界に入らない様に、腕立て伏せで使うコの字型のプッシュアップバーを4つ発現させながら、慌ただしくワチャワチャとカウンターから飛び出して、



「ふごぁっ!?」



倒れている強盗の手足にささっと被せて、フロアに身体を固定させる。



「な、何だコレっ──!?」

  


いきなり自分の両手両足に無造作に乗せられた、クッソ重い物体に驚愕したのか、



「えっ!?  重っ!?  ちょっ!?  ナニコレっ!?  手が!!  足が!!」



クッソ焦って狼狽えまくる強盗。


それを見て俺は、



「腕立て用のプッシュアップバーですね」


「お、オマっ!?  ど、どっからこんなモノを!?」


「そこの裏に落ちてましたね」



と、適当に答えておく。


そして、強盗のカバンを漁って自分のスマホとお家の鍵を取り出すついでに、カバンの中で創ったフェイクスマホを左手に食わせて消滅させておく。


ってか、今日ゲームを買いに量販店に行った時にたまたま見ていた、買うか、自分の異能で自作するかどうかで迷った、筋トレ器具のプッシュアップバーを隅々まで見ていたおかげで、



「これは使えるな……」



俺は、最強の簡易拘束具を創る事ができてしまった。


ってか、俺が考えていた本来の用途とは全く違いすぎて、重いだけでこうも用途が増えるのかと興味が湧く。


今度、一度、ちゃんとした拘束具をググって調べてみるか?



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