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今日は徹夜でやってやるぞ!!

その後、俺以外の人達は、皆んなでバンに乗って、例のなんたら言う長い警察の組織に連れ立って行ってしまった。


俺は普通に帰りたいって言ったら帰れた感じ。


ってか、俺だけ現地解散。



そんな扱いで良いのか俺?


モブな俺の帰りは気にしないってか?


団体行動ができない人は、勝手に帰ってどうぞってか?



って一瞬、いつものネガティブ思考で考えたけど、ストーカーとか、ウP主とか、キラキラ光る勇者って言う、色々と濃すぎるヤツらのインパクトが強すぎて、ティッシュペーパーより薄い存在感なモブな俺なんぞに構っている暇は無いっぽい。



いや、ホント、マジで、今日だけで情報量が多すぎだろ?


情報過多で脳が焼け死ねるぞ?



ってか、もしかしたらだけど、異能を得ちゃったクリリンも、このまま雫たちと同じ組織に入る事になるんじゃね?


知らんけど。



って事を、帰りの道中で考えながら、俺は駅前で晩ごはんを食べてからお家に帰った。


………………


…………


……









──次の日──


今日はプラモはお休みでゲームの日。


と、言うのも。



「マジかよ……」



新作のMMORPGゲームの発売日が今日で、俺は早起きして朝から量販店に買いに来ていたのだが、



「クッソ並んでんじゃん……」



量販店が開く時間帯に合わせて行ったにも関わらず、既にクッソ長い行列ができていた。



って言うかこいつら、何時から並んでたんだよ……?


夏休みとは言え、今日は平日ぞ……?



初回限定版に特典が付いているとかで、到着時にはこの有様。


特典は、キャラのフィギュアとTシャツと、ゲーム内で手に入る限定キャラとか限定装備とか限定アバターとか。


限定キャラと装備は欲しいけど、他はマジでいらない。


純粋にゲームだけが欲しい。


しかも、ゲーム会社の戦略なのか知らんけど、ダウンロード版は3ヶ月遅れて出るらしく、イチ早くやりたいんだったら、この初回限定版を買わなくてはいけない。


しかも、初回限定版とか関係なく、ゲーム自体はダウンロード形式ゲームの筈なのに、初回限定版は、通常のダウンロード版より良い感じにお高いでやがる。


当に、タイムイズマネー。


ぶっちゃけ、3ヶ月くらい待っても良いんだけど、3ヶ月あればゲーム内ランクの差が出まくるし、夏休みが終わってしまっている。


それを考えると、もし3ヶ月後から始めたとしたら、夏休み中に集中してやり始めた初期勢にはマジで追いつけない。


しかも、初期勢は、3ヶ月後のダウンロード版リリースボーナスまで手に入り、更に差が広がることになるだろう。


マジでゲーム会社の戦略がエグすぎる。


だが、



「そのクソな戦略に、乗ってやろぉう、じゃあ、ないかっ!!」



って事で、俺は早起きした次第でございます。


………………


…………


……










って事で、はい、皆さま~。


先程、列に並んでやっと購入してきました〜。


そんでもってお家なうです。


それでは、早速、パッケージを開封していきましょう!



と、今の俺は、まるで、開封の儀をアップする、動画投稿者のノリでアレな気分。




まぁ、結構大きめな化粧箱の中にゲームが入っているって言っても、中には、ゲームがダウンロードできるURLと、ダウンロードを管理する為のワンタイムパスワードが印刷されたカードがあるだけ。


これで、特典キャラと特典装備も一緒にダウンロードできる。


って事で、ゲーム機にそれらを打ち込んでダウンロードを待つ間、同包されていたTシャツに着替え、キャラフィギュアを机に飾り、気合満タン準備完了!


ダウンロードしている間にテンションが上ってしまって、思わずTシャツを着てしまったのは内緒の話でお願いします。



今日は徹夜でやってやるぞ!!



と、気合を入れたのは良いけれど、長い列に並んだ果てにゲームを購入できた事にかなり浮かれまくっていたらしく、帰りにコンビニに寄るのを完全に忘れていた。


って事で、急いで近くのコンビニにエナドリと手軽に食べられるものを買いに出かける。


勿論、Tシャツはそのままで!




テンションアゲアゲルンルン気分でコンビニに向かっていると、



「ん?」



なんだか変な感じがした。



どう説明すればよいのか……


なんて言うか、



何かを潜った?


空気の質が変わった?


温度が下がった?



そんな感じのヌルっとした肌触り。


周りを軽く見渡すも、それと言って特に何もない。



気のせいか?



って事で、




ピポピポピポ~ン




気にせずにそのままコンビニに入って行ったのだが、



「………………」


「「──っ!?」」



何故か強張った顔で両手を高々と上げているコンビニ店員。


その店員の前で、何かを店員に向けている、夏なのにスキーマスクにサングラスをかけて、全身黒ずくめな格好をしている先客。



「………………」



目の前のいきなりな絵面に思考が一瞬フリーズしたけど、



「………………」


「「………………」」



何も見なかった事にして、お目当てのドリンクコーナーに足を向ける。


都会っ子と言う生き物は、街中で何が起こっても、極力無視、無関心を決め込むのだ。


他人を気にして面倒事に巻き込まれるとか、マジで嫌だし面倒くさいからな。



「オイぃぃぃ!?  ちょっ!?  オマエぇえっ!?」



けど、黒ずくめのヤツに呼び止められた。



いや、マジで勘弁してくれよ……


俺、今、急いでるし……


面倒くさいのとかマジでごめんなさいだし……



と言外に伝える為に、



「あ、結構です。  俺、今、急ぎの用事があるんで」



テンプレ通りに拒絶の断りを伝え、



「え?」



いそいそとドリンクコーナーからエナドリを籠に入れていく。


街中でのキャッチやら、勧誘やら、セールスやらなんやらを断るには、一切耳を貸さずに、冷たく機械的に、一方的に断るのが一番アルヨ。


それに、道を聞きたいなら、一般人じゃなくてお巡りさんに聞くヨロし。


彼らはそう言う仕事をして、国民の税金からお給料を貰っているアルネ。


それに、一般人に聞くよりも、お巡りさんに聞いた方が安心も信頼も確かアルヨ。


一般人に聞いて、やっつけ的な適当な情報とかウソとか言われたら、ホントたまったもんじゃないアルヨ。



次に、カロリーバーとお菓子、おにぎりやカップ麺を籠に入れていき、



「………………」



店内を1周回った所で、無言でレジに籠を置いて、その上にポケットから取り出したショッピングバッグを乗せ、自動支払機の前でスマホの支払いアプリを起動させてスタンバる。



「「………………」」



ってか、客が待っているって言うのに、未だに呆けて両手を上げ続けている店員。



今日のバイトさんは接客対応が悪いな……


ってか、ここも早くセルフレジを導入してくんないかな……


人と接するのが面倒くせぇ……




「すみません。  急いでいるんで早くしてください」


「……あ……  はい……?  宜しい、でしょう、か?」



そして、何故か黒ずくめの男を見て同意を求め始めた店員。



「!?」



これには俺も吃驚。



もしかして、俺……


横入りしちゃった感じ!?


クソ!?


やっちまったよ俺!?


焦りすぎてやっちゃったよ!?



って事で、



「ご、ごめんなさい!」



店員と黒ずくめの男に頭を下げて謝って、



「お先、どうぞ……」



急いでレジの上の籠を持って、黒ずくめの男の後ろに並ぶ。



「「!?」」



まぁ、街中で、いくら興味も関心も無い事や、極力他人には関わりたくないって思っていたとしても、最低限のマナーとルールは守らないとね。


マナーが人を作るってキングスマ◯も言っていたしね!



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