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ヒデーな……

いろんな意味でガチでやらかしやがったクリリン。



「………………」



押し間違えたと言う言葉は、言い訳でもネタでも願望でもなく、マジにマジなマジだった。



「………………」



クリリンからダウンロードしたPDFの内容を聞いたところ、試練的なものが出てきたらしいけど、クリアできずに適当に答えてしまったらしい。


その結果、



「ヒグっ──  うグッ──  酷い──」


「………………」



クリリンの右の肩と二の腕の半ばあたりには、縦にデカデカと、



『勇 者』



って文字が書かれていた。


ソレを見てマジで泣きじゃくるクリリン。


ソレを見て笑いを堪えるのが大変な俺。



息ができない!!


死ぬ!!wwww



ってか、笑いを堪えながら涙目でクリリンの腕の文字を見た感じ、完全に俺の左手の線と同じっぽいんだけど、



キラキラしすぎっ!!wwww



黒一色の俺の掌の線とは違って、その文字の皮膚の部分だけ、完全にキラっキラでラメっラメなレインボーになっている。



『勇者』、自己主張強すぎ!!wwwww



文字の周りに、ユニコーンとかクマとか、虹や星の絵があっても違和感がないくらいなデコられ具合。


変身は1時間だけだけど、魔法少女になってしまう桜田ですら、いくらやらかしたって言っても、試練は一応クリアしてる。


マジでやらかした俺は未だに意味不明だけど、取り敢えず地味。


そんで、中途半端にクリアした?クリリンは、



こんなん目立ちすぎるわwwww



この酷い有様。


って言うか、本当にクリア出来ているのかさえ怪しいレベル。


そんな不思議すぎるクリリンの異能が気になりまくる。


こんなので妹を助けられるのか?と。



腕がめっちゃ勇者ぞ?wwww


もの凄くキラっキラぞ?wwww



って事で、



「『勇者』の能力ってナニ?  何が出来る様になったの?」



取り敢えず、違った意味で『勇者』になってしまったクリリンに聞いてみる。



「いや……  僕が『勇者』かどうかは知らないけど……」



いや、腕にめっちゃ『勇者』って書いてありますですよwwww



「僕は光魔法が使えるらしい……」


「聖職者って題名だったし、光魔法で回復とかバフとかできる感じ?」


「いや、どうやら人を回復させるとかはできないっポい……  でも、自分を修復?する事は出来るっポい……」


「修復ってナニ……?」


「僕にも分からないよ……」


「ってか、戦えそう?」


「うん。  それは多分問題ないかな?  こんな感じ?」



クリリンが何かを握る様にして上から下に向かって腕を振ると、



ヴォン──!



「──!?」



プラズマやフォトンソード的な、光の剣が手に現れた。



「カッケーーーー!!!」


勇者じゃん!?



腕のキラっキラは伊達じゃなかった。


腕の『勇者』って文字は伊達じゃなかった。


マジで勇者。


良くも悪くも、色んなニュアンスをまるっとひっくるめて勇者だった。


俺的には、桜田の魔法少女以上に羨ましい。


マジで、俺が思い描く、現代的な魔法使いな感じ。


取り敢えず、クリリンは戦う事はできるらしい。



「良かったじゃん!  コレで穂花ちゃん助けられるじゃん!」



そう言う俺たちの視線の先では、黒いヤツにやられてボロクソになっている桜田と雫。



「良く分からないけど、僕も穂花の所に行って来る!」


「え?」



そう言い放って、自信満々な感じで颯爽と桜田達の所へと走って行くクリリン。


しかも、右腕の『勇者』と言う文字から、魔力みたいな煌めく光が漏れていて、虹色に輝く尾を引きながら走っているクリリン。



「………………」



一瞬、ちょっとカッコいいって思ったけど、漏れ出ている先が『勇者』って文字からってのを考えると、



「ヒデーな……」



アレは無いと、冷静に全否定する事ができた。





そんなクリリンは、桜田たちと合流するなり、左手を翳して眩しい光を発現させた。


すると、



「なっ──!?  なんだコイツ──!?」


「急に黒い化け物が現れたでござるよ──!?」


「オマエぇえっ!?  ナニ、僕の妹に抱きついているんだぁぁぁあああ!!」



『アガがガガがガガ──』



俺にしか見えなかった穂花ちゃんに抱きついている黒いヤツの姿が見える様になったらしく、



「攻撃が届かなかったのは、バリアじゃなくて、見えなかったコイツの仕業だったって事か──!?  巫山戯やがって!!」


「色々とやってくれたでござるなっ!!」


「オマエが穂花をっ──!」



真実を知った3人はカナリ激オコ。



「穂花から離れろっ!!」



光の剣を振りかぶりながら、黒いヤツに向かって突っ込むクリリン。


しかし、



「グがぁ──!?」



黒いヤツの長い手に思いっきり横からビンタされて、



「クリリン──!?」



土煙を上げながら公園のグラウンドを転がるクリリン。


ってか、グラウンドに倒れているクリリンの手足の向きがおかしい。



「ウソだろ──!?」



って事で、急いでクリリンのところに走る俺。



「マジかよ……」



俺の視線の先には、手足が変な方向を向きまくってボッキボキで、耳とか、目とか口から血を出しているクリリン。


身体が少し痙攣しているため、まだ死んでいないのが分かるけど、この状態では、



「──っㇰ」



今から救急車を呼んでも間に合わないだろう。




嘘、だろ……



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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