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喰ったぁっ!

って事で自分なりの解釈で考えてやってみる事に。



って言うかもう、画面がバグって続きが分かんないんだから自分で考えるしかないじゃんね……


そう言えば、漫画やアニメでよくある様な魔法使いって、魔法を使う前に詠唱ってのをしてた、よな……?


うん、まぁ、色々と試してみれば良いか?



って事で、最初にイメージしてから魔力を出してみる事に。


目を瞑って瞼の裏に四角錐が浮かび上がるくらい集中してイメージを固めていく。




瞼の裏に映る白い点。




点と点を繋いで線を造り──



線と線を繋いで面を造り──



面と面を繋いで立体を造り──



できた四角錐をグルグルと上下左右前後に360度回転させて、隅々まで四角錐である事を確認しながらイメージを固めていく。


次に、出来上がった四角錐の型の中へと魔力を流し込むイメージ。


流し込む魔力のイメージは細かい砂とか粉。


底辺から順に魔力を敷き詰めながらギュウって圧縮しまくる様に念じる。



固く、堅く、硬く……



空気が入る隙間も無いくらいに流し込んだ魔力を圧縮しながら結合させていく。


イメージ的にはダイヤモンドみたいな感じ?


なんて言うか、四角錐の頂点までピッチリ、キッカリ、シッカリと隙間無く、ギュウギュウパンパンのガッチガチに魔力を流し込む様にイメージ。



プラモデラーのイメージ力を舐めるなよ!!


ガン◯ラ歴10年は伊達じゃない!!



そして、瞼の裏に映る四角錐のイメージが完全なものになったタイミングで──



ここだっ──!!



『カッ!!』ってな具合に目を開きながら、一気に右手へと魔力を集中!



「──っ!?  出たぁっ!!」



俺の右手の平の上に直径3cmくらいの、偶にキラキラ光る、白乳色がかった四角錐が現れた。


成形した魔力がアニメや漫画みたいに、身体の中から手の平の上に浮かんで出てくるかと思ったけど、何処からともなくまんま手の平の上に『ポテっ、コロンっ』ってな具合に出てきた。


そんでもって、なんか、身体から魔力がゴッソリと抜けたのを感じるっ!?



「オふぅぅぅぅぅぅぅ〜!?」



ゴッソリ感はあるが、体感で5分の4くらいはまだまだ残ってる感じ?


多分。


って言うか、我ながら上出来な綺麗な四角錐。


ガン◯ラとかフィギュア作りまくっていて良かったって初めて思えた。


そんで成形に成功?した魔力は、偶に光る白乳色の見た目も相まって、何かの結晶の様にも見える。


なんて言うか神秘的な見た目?


重さはあまり感じない。


肌に当たる感触は硬い。


角なんて、鋭利に尖ってチクチクする。


角にチカラ込めて指先を押し込んだら血とか出るかもな感じ。


そんな手の平の上にある魔力の塊を見て、現実からマジで一線を飛び越えてしまったって言う不思議な高揚感が湧きあがる。



「マジで、できちゃった、な……」



ぶっちゃけ、ワクワクとドキドキが止まらない。


ってか、ドキドキが止まったら死んでしまうわ。


誰だよ、ドキドキが止まらないって表現を最初にし始めたヤツ。


止まらないのが正解だっつうの。



そんな路線が外れた馬鹿な事を考えつつも、ついついワクワクを抑えきれずに、ニヤニヤしながら魔力の塊をコロコロと手の平の上で転がす。



マジであのモヤモヤが固まってる感じなんだな……  


ってか、どんくらいの時間、形の維持が出来んだろうなコレ……



転がしてて思ったけど、魔力の塊は想像以上に硬そうだ。


コレが霧散して消えてしまうのが疑わしい程にガッチガチに硬い。



「フンぎぎぎぎぎぎぎぎぎ──!!」



って事で、人差し指と親指で挟んで潰してみる。



「グぐぐぐぐぐぐぐぐぐ──」



ナニコレぇぇぇえええ!?


クッソ硬いんですけどぉぉぉおおお!?



手から、俺から遠ざければ霧散して消えるんじゃないかって思って、ついでに硬さも確かめる為に胸の高さから無造作に落としてみる。



カっ──!!


カカンっ──!


カンカンカンカン──



「………………」



落ちた音が霧散して消える様な音じゃないぞ……



落とした四角錐は、元はフワフワなモヤモヤだったって思えない様な音を出しながら図書館のフロアに転がった。


って言うか、石みたいな硬い音。


横の桜田は犬みたいにバッて音がした方を、って言うか俺を見た。


思わず視線が合ったから、



「んだよ。  俺じゃねぇぞ」



って言っておいた。



肘をライターの火で炙っても気づかなさそうな体型してる癖に、急に音に過敏になってんじゃねぇぞアニ豚。


こんなんにいちいち反応するとか、ソレこそ集中できてないって証拠じゃねぇか。



等と思いながらも落とした四角錐を摘んで拾いあげてみると、5箇所の角っこは鋭利に綺麗に尖ったままで、少しも欠ける事なく未だに顕在。


左手の平に乗せてジロジロと四角錐を見ながらフト思う。



コレ、どうすりゃ良いんだよ……?



取り敢えず練習でなんとなく四角錐にしてみたけど、コレの使える用途が全く何も思いつかない。



事象ってのをくっ付ければなんとかなんのか?



って言っても、事象なるモノの付け方が微塵も全く分からん。



クソ。


モヤモヤみたいに霧散して消えてくれれば再利用できたんじゃねぇのかコレ……



って思っていたら、



「な“!?」



いきなり勝手に左手の口が開いて、クッソ硬い四角錐を飴玉を噛み砕いて食べるみたいにボリボリと音をたてながら咀嚼しやがった。



「ふぁっ──!?」



──喰ったァっ!?



口が魔力の塊を咀嚼してゴクリって飲み込んだ瞬間、身体の中に一気に何かが満たされた様な感じが。



「は?」



魔力が戻った?



勝手に四角錐を咀嚼して飲み込んだ手の口。


そして、何故か魔力が戻ってきた俺。



再利用……  


ってこと、か?


…………いや、そこじゃないだろ。


魔力の塊を喰いやがった……


クッソ硬い四角錐を飴を食べるノリで咀嚼しやがったぞ……


吸い込むでも飲み込むでもなくて、あのクッソ硬い魔力の塊をボリボリ噛んで咀嚼しやがったぞ……



取り敢えず、なんか知らんけど放出したカッチカチの魔力の塊を再利用する事ができた?



いやマジでホント訳わかんね……



驚きながらも今は沈黙している左手にある黒い線を見つめるが、この黒い線がなんなのかって事にマジで想像も予想もできない。



魔法を使って不思議体験をしてみたかったけど、なんか違うベクトルに進んでいる様な気がするのは俺の気のせいか?



眉間にシワを寄せながら小首を傾げ、考えても何も思いつかないから取り敢えず次に移る。


って事で、見つめ続けていた左手に集中しながら目を瞑り、さっきと同じ様に四角錐を思い浮かべる。


つい今さっきもやったおかげか、次々と四角錐のイメージが瞼の裏に出来上がっていく。


点が線に、線が面に、面が立体に、出来上がった立体にビッチビチのパンパンになるまで魔力を注いで圧縮して、縮小、凝縮を繰り返しながらクッソ硬くなる様にイメージした四角錐。



まだまだ瞬間的にイメージはできないけど、多分、慣れればパパッとできるかも。



瞼の裏に出来上がった四角錐を回し見て、キーボードの【Enter】よろしく目を『カッ!』て開いて左手に集中。



出ろっ!



って思いながら開いた視線の先にある左手は、黒い線が『ぐわぱぁ~』って開いて、手の平の上に真っ黒な四角錐が現れた。



「………………」



俺の想像ではてっきり口が開いて「ぺ」って吐き出すものだと思っていたけど、口は開いただけで、出かたは右手と同じだった。



口が開く意味よ……


って言うか黒過ぎ……



出てきた魔力の塊は、全く光を反射せずに逆に吸収しまくっている感じに黒い。


漆黒──



──いや、ダークネス……


なんて言うかもう……


ダークマター?


恐怖を感じる程の驚きの黒さ!



こんなに光を反射しないモノを見たのは生まれて初めてだ。


もし俺が桜田にこのダークマターをいきなり見せられたら、マジで二度見する自身がある。



って事で、恒例の硬さチェックいってみよ~。



「んぎぎぎぎぎぎ──!!」



指で挟んで潰そうとするも、全くなんの反応も見せない。



って言うか、自分で言うのもアレだけど、



「俺のイメージ力ってスゲーな……」



人によってはイメージをするのが大変とかって書いてあったけど、どうやら俺はイメージ簡単組の部類に入っていた様だ。



ガン◯ラ作る時にパーツとか素材を色々触ったり自作したりしてて良かったわ。


おかげで、パテさえあれば大抵のパーツは作れる様になったしな。



と、部屋に飾ってある魔改造されて原型を留めてない作品の数々を思い出す。



魔改造の作品達を走馬灯の様に意識の外でグルグルさせながら、さっきと同じく胸の高さから漆黒の四角錐を無造作に落としてみる。




ドゴっ──!!


ゴッゴッ──!




「………………」



アレ?


ナンカ オトチガクネ……?


なんて言うか、結構重そうな音がしたぞ……?



さっきまで俺の手の上に乗っていた黒い四角錐改めダークマターは、白い四角錐と同じ様に重さを感じなかった。


しかし、床に落ちたと同時に、軽めのダンベルを落としたみたいな異様な音を奏でていらっしゃいやがった。


指で摘んで拾ってみるも、



「………………?」



俺にはさっきの白い四角錐と同じ様な重さしか感じない。



なんて言うか、綿アメくらいの重さ?


って言うか、黒さと音に気を取られていたせいで今頃気づいたんだけど、魔力を放出した時の消失感を全く感じてないのはなーぜなーぜ?



右手の指で真っ黒な四角錐を摘み見ながら、見比べる様にしてチラリと左手に視線を移す。



「マジで意味が分かんねぇんだけど……」



取り敢えず、魔力の成形には成功した。


そして、右手と左手で其々放出した魔力が微妙に違うって事が分かった。


分かったついでに怒り狂ったアニ豚もやって来た。


どうやら、落とした魔力の塊が放った重たい音のせいで、とうとう我慢の限界がきたようだ。



お読みいただきありがとうございます。


モチベになるので、☆とか、ブクマとかお願いします。

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