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今夜はフィレオフィッシュバーガーでもいいかな?

なんか、俺のショボさにウP主がドン引きしてピヨってるけど、剣の発現で大量に使った魔力の量がヤバすぎて、早くリサイクルしないとこのまま倒れそうな気がする。


まぁ、倒れるまではないだろうけど、消失感が凄すぎて、回収できるなら早いとこ回収して気持ち的にリフレッシュしたい。


って事で、



「そんじゃ、ちょっとコレは返して貰いますよ〜」



口を押さえたまま、驚愕しすぎて何処か一点を見つめ続けるウP主から魔力の塊を回収する。



「自主回収しとかないと、なんかスッキリしないんで」



そして、そのまま魔力をリサイクルする為に、左手の口にボリボリ食わせていると、



「え?」



魔力の塊をボリボリ食らう音を聞き、



「………………」



壊れたロボの様にぎこちなく首を動かして俺の左手に顔を向け、



「──ナニ、ソレ……?」



まるで、ヤベェ奴を見たかの様にウP主の顔から表情が無くなった。



「魔力のリサイクルですが何か?」


「は?」



剣を食べ終わった俺の左手を見続けるウP主。


手を軽く動かせば、



「………………」



うP主の視線も連動して一緒に動く。


少し大きく動かすと、ウP主の顔も大きく動く。



猫かな?


猫なのかな?



無言のまま猫みたいな動きで俺が動かしている手を追うウP主を見て遊んでいると、



「ちょっと、動かないで!!」



案の定怒られた。


んでもって、左手をガッツリ掴まれて、真剣な顔でマジマジと見られたり、サワサワモミモミされた。



何処ぞの母かな?


恋愛運とかみてくんないかな?


ってか、なんか触られすぎて手が汗ばんできたんだけど……


キモいとか思われていないよね?


コレでキモいとか言われたら、向こう10年くらいは異性と手を繋ぐのがトラウマになってしまう自信がある。



「あの、そろそろ放して──」


「──しっ!!  黙って!」


「……はい…………」



いや、そんな怖い顔しなくても……



そして、暫く無言のまま、俺は手を触られまくって見られまくった。



掌を爪でガリガリとかされたりして、マジでくすぐっ──


──んんっ!!♡



それよりも、部屋の空気の重いこと重いこと。



ってかナニコレ?


なんなのこの状況?



異性と手と手が必要以上に触れあいまくっているのに、何故か少しもムラムラこないこの空気の重さよ。


何て言うか、医者に見られているって言うよりも、寧ろ、品質管理者に検品とか点検されている様な業務的な感じ。


ってかもう、ぶっちゃけ飽きてきたから、左手とウP主の事を思考から外して、今晩食べたいご飯の事を考える。



うん。


今日はチキン南蛮の気分かな?


ってか、チキン南蛮と油淋鶏の違いって何なんだろうな?


タルタルソースが有るか無いか?


いや、油淋鶏でもタルタルソースかかっているのあるし、ぶっちゃけ同じ味だよね?


そう考えると、似ている感じの食べ物にタルタルソースをかけるだけで、同じ食べ物に感じてしまう程、俺の舌は馬鹿なのか?


いや、逆に俺の舌が馬鹿なんじゃなくて、俺の舌を同じ味だと錯覚させる、タルタルソースのポテンシャルがヤべーんじゃねぇのか?


じゃぁ、今夜はフィレオフィッシュバーガーでもいいかな?




と、今夜のご飯の事を考えていたんだけど、



「ねぇ。  なんでこうなったか説明してもらってもいいかな?」



背筋が凍る様な声と一緒に、絶対にNOと言えない視線をウP主から向けられた。



「え~っとですねぇ……  それは──」



俺はPDFをダウンロードしてから、半信半疑で書かれている内容を試したこと。


そして、途中で先走って、次のページを読まずにやらかしてしまったこと。


そんで、PDFが途中から読めなくなったことを話した。



「なんて、事を……」



右手で目を覆い隠し、何かを仰ぐ様にして天井を見上げるウP主。



「それで、コレがある左手で魔力を放出すると──」



そんで、俺が左手に意識を向けると掌の口が開き、



「うわっ──!?」


「こんな感じで黒いのが出せますです」



ってか、口は開くだけで、右手と同じ様に発現された真っ黒な三角錐をウP主に渡す。



「黒っ!?  ──ってか重っ!?」



三角錐を掌に乗せたウP主は、マジマジと俺が発現させたダークマターをガン見する。



「こ、コレって──!?」



そして、



「──虚無じゃないか!?」



驚愕しながら、俺と掌の上のダークマターに何度も行ったり来たりと顔を向ける。



「え?」


「き、キミさぁ……  こ、コレは……  キミの身体の中に虚無を取り込んだり、排出したりしている、って事かもなんだけど……」


「え?」


「……身体は、なんとも無い、の?」


「え?  いや、別になんとも無いけど。  寧ろ、白いヤツより、黒いヤツの方が扱いやすいって言うか、負担が無いって言うか、しっくり来ると言うか」


「うわっ……」



ウP主が今日一番のドン引きをしながら俺を見る。



「………………え?」


なんでそんなに引いてるし!?



「一体、キミに何が起こったのかな……?」



ってか、なんで俺ドン引かれてるし……


ってか、結局アンタも知らねぇんかよ!?


………………


…………


……










結局、ウP主は頭痛を堪える様にして急に帰って行った。


不思議な力でパっとかってその場で消えるとかじゃなくて、



「それじゃ、キミの事が何か分かったら教えに来るから」



って言って、普通に玄関のドアから出て行った。



マジで、一体なんだったんだ?


俺に何かする的な事言ってたけど、結局、なんなんだ?


ってか、俺、このままで良いんだよな?


大丈夫なんだよな?


誰か、大丈夫って言ってくれよ……







そんなこんなで、ウP主が帰った後。


普通に部屋で漫画読んだりゲームしたりして寛いでましたが何か?


昨日の今日で、外に出るのもダルいから、晩ご飯もハワイアンロコモコ丼をデリバリーしましたが何か?




お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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