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誰も待ってねぇよ!!

目の前に居るキチガ○がキチを突破しすぎてて草も生えんわ!


ってか俺のせいってどう言う事!?


いや、まぁ、ホント、その節は思わずついつい腕を斬ってしまってマジでゴメンなさい。


そりゃぁ、俺だって死にたくなかったです──



「──しぃぃぃぃ!?」


「フハっ!  フハハハハハハハ──!!」



イヤイヤイヤイヤ!!



「笑いながら刃物振り回してんじゃねぇよ!!  怖すぎて夢に出てくるだろうがぁあ!!」



なんで俺がこんなヤツに目ぇつけられてんだよ!!


きっと、コイツが俺の首に桜田以上の懸賞金をかけたに違いない!

  


「フハハハハハハ──!!  全く俺の剣が当たらないなぁ!!  やはりオマエは最高だぁぁぁぁ!!」


「アヒぃぃぃいいい──!?  あっぶ!?  ヤバっ!!  ぬぉぉぉおおお!!」



もう何がなんだかマジで知らんけど、めちゃくちゃに剣をブンブンされて殺されそうすぎて、



「桜田ぁ!!  雫ぅ!!  こっちに!  集合ぉぉぉぉぉぉ!!」



気合いも魂も希望も願望も、なんなら愛とか勇気も込めまくって、



「ってか!  マジで!  たっけてぇぇぇぇぇぇ!!」



本気の本気で助けを求める。



「行けるかボケぇぇぇぇぇぇ!!」


「厳しいでござるっ!!  何故か赤装束達の数が全く減らないどころか、余計に増えているでござるよぉぉぉぉぉぉ!!」



って事で、完全に分断された俺。



「逃がすか!!  オマエは俺の獲物だ!」



こっちもこっちでラブコールよろしく、剣のブンブンが止む様子が全くなくて、



「ホント、もう、俺、マジで無理だからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



あっちに行こうにも行けないし!


って言うか何故か知らんけど、ブンブンされている剣を躱せちゃっている俺。


なんか、なんとなく軌道が見えるって言うか、タイミングが分かるって言うか、



「──って、もう、ウッぜぇぇぇぇぇぇ、んだよっ!!」



もう、粘着質過ぎてウザすぎて、メンヘラ具合がマジで酷すぎて、



「少し、休ませろっ!  ってか、しつこすぎ、なんだ、よっ!!」



って事で、躱しながら剣を作って、追い払う感じで雑に大振りにフルスイングしまくる。


案の定と言うか、男はバックステップで距離を取って一旦離れたけど、



「ソレダァ〜」



俺の剣を見てニぃタぁ〜って感じでキモく笑った。



「キッモ!?」



ニタニタとキモく笑う男は両手で握っていた剣から左手を離し、距離を取りながら俺に向かって左の掌を向けて?


そして、



「その、チカラを──」



左腕の西洋騎士の鎧みたいなのが勝手にバチンバチンって音を立てて勝手に外れて、



「──お前の全てを──」



なんて言うか、解除って言うか、アーマーパージって言うか、そんな感じで腕から取れて、



「──残さず寄越せっ!!」



焼け爛れたみたいな、皮膚を剥がされたみたいな、黒ずんだ肉の塊みたいな腕が現れた。


しかも、俺の目の錯覚であってほしいけど、



「うわ~……」



腕が波打つ様にしてボコボコ動いている……?



「フハハハハハハハ──!!  俺の新しい腕のチカラを見せてやる!!」



男が剣を捨てて右手で左手首を掴むと同時に、広げていた手が一瞬、肥大化し、腕が暴れる様に激しくボコボコって波打ち始めた。


そんな、訳が分からない状況なタイミングで、



「モヤシぃぃぃいいい!!」



雫が俺を呼ぶ声が。


って事で、チラリと雫の方に視線を向けると、



「ま”っ──!?」



桜田が豚に戻っていた。



「葵ちゃんがぁぁぁあああ!!」


「──豚ぁぁぁあああ!?」


「豚じゃないでござるっ!!」



背後に桜田を庇いながら、火炎放射器みたいな感じで炎をブッパしている雫。


俺が合流しなければ、かなりヤバめな感じの2人。


これはマズいって事で、丁度、左手首を掴んで、何故か動きを止めているメンヘラから急いで離脱!


ついでに剣を次々と作ってメンヘラに投げつけて、移動とか俺に近づくのを妨害しておく。



「桜田っ!!  オマっ!!  豚に戻ってんじゃねぇよ!!」


「豚じゃないでござる!  それよりも逃げるでござるよ!」


「当たり前だろ!!  こんな状況で逃げる選択肢以外、他にあるかっつうの!!  オイ馬鹿アタマ!  さっさと逃げるぞ!」


「テメっ!?  モヤシぃっ!!  誰が馬鹿アタマだ!!」


「自分から反応した時点でオマエだよ!!  オマエ!!  秒でアクしろっ!!」



炎を吐いて沢山の赤装束達を牽制して遠ざけている雫の背後から、俺も俺で連続して剣を作って雫と赤装束達との間の地面に投げ刺し、せっせと逃げる為の障害物を作っていく。



「クッソ面倒くせぇぇぇえええ!!」



剣を作るスピードは上がってきたけど、赤装束達の数が多すぎてキリがない。



「雫っ!!  20秒持たせろ!!」


「巫山戯んな!!  2秒でやれ!!」


「──っチ!」



馬鹿アタマと無駄な言い争いをする時間すらも惜しいから、



「今だっ!」



合図だけして目を瞑って棒立ちになる。



「──っシャァァァァァァ!!  燃えちまえカス共がぁぁぁあああ!!」


「………………」



狂った女の甲高いイカれた声が聞こえてくるけど、今はソレどころじゃない。



イメージは既にできていた。


意識の中。


頭の中。


網膜の裏へと無数の線を縦に横にと並べていき、沢山の網目を作っていく。


出来上がった網目の一本一本へと濃密な魔力を詰め込む様に意識し、


硬く──


細く──


重く──


強靭でしなやかで、決して切れない線をイメージしながら全体をまとめ上げていく。


そして、



「──だっしゃぁぁぁあああ!!」



投擲する様に左腕を振りかぶり、同時に手の口からソレを吐き出させる。



!?



出来上がったソレは、雫の頭上を超えて赤装束達へと降りかかり、



「でかしたモヤシっ!!」



重くて硬くて強靭な、3m四方くらいの大きさの投網によって、赤装束達が動きを止めた。



「もう一丁ぉぉぉおおお!!」



そんでもって追加の投網。



「ソイやぁぁぁあああ!!」



方々に次々と投網を投げつけ、網を被った沢山の赤装束達が重さで動けずに藻がきながら脚を止める。



ソレを見た雫が、



「でかしたモヤシ!!  死ぁねぇぇぇえええ!!」



と、追い炎で死体蹴り。


雫による、動けないヤツらへの鬼の様な容赦ない仕打ちに対し、背後にいる桜田がドン引きしまくって変顔になってるし。



って言うか、投網、有能!



剣の時もそうだったけど、余程、黒い投網が重いのか、誰一人として立てていない。


そんな沢山の赤装束達が俺の投網を被って地面に這いつくばっている中、



「待たせたな」



投網で動けない赤装束達の上を歩いて、キモメンヘラが現れた。




ってか誰も待ってねぇよ!!




お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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