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楽しそうにワロててワロタ!

以下、雫様の有難いお言葉。



「いや〜。  オマエらにやる気を出させようと色々と仕込んだ後に途中から合流しようとしたんだけどよぉ、スマホの充電が切れたからコンビニで充電してたわ」


「………………」


「そんで、充電が復活して、昼間に葵ちゃんのスマホに入れた追跡アプリ見たんだけど、ソレのログが東京タワーで切れてたからこうしてやって来たって訳だ」


「………………」


「なんだよその目は?  あ、コレか?  新刊出てたから立ち読みしてて、続きは家で読む為に買ってきた。  グビグビ──」


「いや、オマエ、ナニ飲んでやがる……」


「マジでモヤシだなオマエは。  こんなん見れば分かんだろうがよ?  グビグビ──」


「………………」


「ってかオイ。  私の葵ちゃんは何処だよ?  グビグビ──」



神社でのアレは完全にコイツの自作自演で、しかも、途中から軽くどうでも良くなって、どこかのコンビニでダラけていた様だ……


こんなヤツを心配していた桜田が不憫すぎて──



「──って!?  桜田っ!?」



置き去りにしてきた桜田を思い出し、思わず通路に顔を向けるも、



うわ〜……



無我夢中でやったとは言え、地面や壁に刺さりまくっている剣の多さにドン引き。



「桜田は……  オマエを探す為に、赤装束達と、戦って、いる……」


「葵、ちゃん……」



誰かさんのせいで無駄な戦いをしている、勇敢で愚かな桜田に凄く感激している様子の雫さん。



目が少しウルウルしてるし、これが鬼の目にも涙ってやつか……


これは、桜田を置いて一人だけ逃げたとか死んでも言えないぞ……


ってかバレたら、このイカれた戦闘狂な酔っ払いに間違いなくこの世からピチュンされる未来しか視えない……



「と、取り敢えず、急いで桜田にオマエが無事な事を伝えないと……」


「葵ちゃん、待ってて!  今スグ行くから!」



俺の話を聞いた雫は、俺を置き去りにする勢いで、って言うか、もう既に思考から俺の事がキレイサッパリ消えているご様子で、脇目もくれずに突き刺さっている剣をパルクールの様に機敏に躱しながら、障害物だらけの通路を颯爽と駆け抜けて行く。



雫の背中を追いかけるも、自分で設置した剣がクソ邪魔すぎて走るどころじゃないから、



「リ、リサイクルぅぅぅううう!!」



左手の口で剣を自主回収しながら移動する。


移動するのに邪魔な剣の自主回収がクソ面倒だけど、あまり役に立たないと思っていた魔力の塊の使い道が発見できたから御の字と思っておこう。



次は通路ピッタリの壁とか作ってみるか……?


罠を作るってのも良いかもだな……?



って事で、色々と罠とかで使えそうな形をイメージしつつ、剣の自主回収をしながら先を進む。


………………


…………


……







やっとの事で通路を抜けて、巨大な空間に到着したんだけど、



「ヒャッハー!!  葵ちゃんヤベーなっ!!」



目をギラつかせた雫が暴れまくっていて、



「木梨氏!  横に退くでござる!」


「了っ!」



桜田がブッパしまくっていた。



桜田を中心にして雫が衛星みたいに溢れた敵を足止めして周り、そこに桜田が適切な魔法をブッパって言う、攻撃のフローと連携が出来上がっていて、



「特撮かよ……」



面白い様に赤装束達が派手に吹き飛んだり凍りついたりしていた。



「紅葉氏ぃぃぃいいい!!  コレが終わったら覚悟するでござるよ!!」


「モヤシぃぃぃいいい!!  オマエ、後でマジで殺すから覚えておけよ!!」


「………………」



んでもって、無双している2人は俺ちゃんに激オコプンプン丸だった。



速攻で雫にバレてるし……



怒りの矛先を向けられただけで、俺のキン○マがヒュンってなったし。


って言うか、



「オマエら〜。  桜田がソロソロ時間だから逃げるぞ〜。  10分切ったぞ〜」



事態の矛先を変えつつも、桜田の変身時間が残り10分を切っていたから早く此処から逃げなくては。



「ナヌっ!?  木梨氏!  此処は一旦引くでござるよ!」


「巫山戯んなっ!!  今、一番気持ち良くていいところなんだよ!  このまま全滅させんぞ!!」


「………………」



けど、戦闘狂が怒りを発散させながら悦に入っていてダダをコネ始め、言っても聞かないジャイア○状態に突入である。


しかも、劇場版の方じゃないから全くデレが無くてかなりタチが悪い。


ソレはまるで、


撃ち放たれた弾丸。


適当に投げられたブーメラン。


野生に返したカブトムシ。


みたいな感じで、言う事聞かずに、自由気ままに、満足するまで夢中になる。


全くもって、猿のオナニ○と同じだ。


俺はこれを雫のオンステージって呼称している。


雫のオンステージのせいで小学校の時に何度酷い目に遭ったことか……



「木梨氏ぃぃぃいいい!!  無茶言うなでござるよぉぉぉおおお!!」



雫のオンステージを知っている愛しの葵ちゃんが必死に止めようとするけど、



「いーや、全滅させる!  丁度、強そうなヤツも、現れた──」



こうなったらマジでウマの耳に念仏だ。


飽きるか、萎えるか、満足する迄止まらない。



「── しなっ!!」



そんなオンステージ状態の雫が赤装束の群れの後ろから現れたヤツに向かって風の爪の飛ぶ斬撃を放つが、



「──!?」


「あ──!?」


「!?」



余波に巻き込まれて吹き飛んだヤツらとは違い、ソイツは手にしていた剣でいとも簡単に弾いて往なしやがった。



「オマエら、此処から生きて帰れると思うなよ──」



って言うかアイツは──



「──生きてやがったのかよ……」


「あの時の!?」



──桜田に雷で半身を焼かれ、俺が腕を斬り落とした、



「── 今度こそ死んでもらうぞ」



マジでイカれたヤバいヤツ。



「私を無視してんじゃねぇよっ!  ──っラァ!!」



死角から奇襲をかけた雫の蹴りをスウェーで軽く躱し、



「やんじゃねぇか──!!」



蹴りから連続して放たれた爪の斬撃を瞬時に右横に移動して躱し、



「──おごぉあ!?」



左拳を雫の腹に打ち込んだ。



……左拳?


俺が左腕は斬り落とした筈じゃ……



斬り落とした筈の男の左腕は西洋騎士の鎧みたいな感じになっていて、




「うぐぅ──」



腹を抑えて蹲る雫の首を掴んで軽々と身体を持ち上げた。



「木梨氏ぃぃぃいいい!!」



桜田が咄嗟に男にワンドを向けると、地面が迫り上がって先端が尖った岩が現れたけど、



「ガァっ──!?」



掴んでいた雫を岩の横へと投げるように叩きつけて粉砕させ、桜田の魔法が最も簡単に塞がれた。



「「!?」」



流石と言うかなんと言うか、しっかりとガードしてちゃんと受け身をとっている雫だけど、



「クソ、が……」



頭を打ったのか、頭から流れている血が顎から滴り落ちている。



「フン。  魔女が増えているな」



赤装束が地面で方膝立ちの雫に軽く視線を投げた後に何故か俺に顔を向け、



「だが、お前ら魔女には、興味が──」



視線が交差した瞬間、



「──ない!」



前回と同じ様に瞬時に俺の前に現れ、



「──!?」



左拳を顔面に振るってきた。



「──ぬぉぉぉおおお!?」



一応、頭の片隅にコイツが姿を消して瞬時に移動してくるって言うイメージが残ってたから、マジでギリギリで横に飛んで、急に現れた拳を躱す。



「コレを躱すか……」



そして、イソイソと立ち上がる俺を見てヤヴぁ〜い笑みを浮かべながら、



「ソレでこそ壊しがいがある」



ゆっくりと口角を三日月に吊り上げた。



「ふ、巫山戯んなっ!!  マジで頭狂ってんだろオマエ!!」


「フハっ!  あぁ、そうだ。  あの日、オマエに会って、俺の全てが、狂って──」



またしても姿を消して、



「──しまったっ!!」



左から声が聞こえたと同時に拳が。



「だっ──!?  っハァぁぁぁぁ!!」



もう、自分の近くで少しでも音が鳴ったら、飛んでそこから離れる事にしてたからなんとか躱す事ができたけど、



「良いぞ、良いぞっ!  さぁっ!  殺し合いだっ!!」



何が嬉しいのか、



「貴様の全てを殺し尽くしてやる!」



マッドな赤装束が剣先を俺に向けながら、メッチャ楽しそうにワロててワロタ!



って笑えるかぁぁぁあああ!!




お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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