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俺の1,000円が!

「なんでござるかソレは?  折り紙でござるか?」


「こうしていきなり現れたんだ。  ただの紙って事はないだろ?」



ハハっ!


いきなり私が発現させた紙を見て、葵ちゃんとモヤシが吃驚してるぜ!


確かに、私にダウンロードしたPDFファイルの知識が無かったら、私も同じ事を思っていただろうな!


んだよ!手品かよ!?ってね。


そんでもって、



「モヤシ。  なんでも良いから小銭寄越せ」


「隠そうともしない大っぴらなカツアゲだな……」


「いいから寄越せって」



モヤシは渋々ってな顔で財布から数枚の小銭を取り出してテーブルの上に置いていく。



ってかカツアゲって何だよ?


今から心優しい雫さんがいいもの見せてやるっつうのに、心外だぜ、ったく。



「小銭はこんだけしかねぇ。  流石に札は嫌だからな」


「いや、札はいらね。  ヒー、フー、ミー……」


1円玉が8枚、10円玉が7枚、100円玉が5枚、500円玉が2枚か……


それじゃ、丁度いいから──



「んじゃ、借りるぞ」



500円玉を2枚手に取って、2枚の白い紙の上にそれぞれ1枚ずつ乗せる。



「マジでちゃんと返せよ」


「あー返す返す。  ったくケチクセー男だな……」



そして今度は右手の小指と左手の小指を絡ませる様にして印を組んで……



「【融】!」



こうして呪文を唱えるとあら不思議。



「おぉお!?」


「紙の色が変わったでござる!?」



真っ白だった紙が500円玉と同じ色に変わって、



「ってかオイ。  俺の1000円どこ行った……?」



2枚の500円玉が姿を消した。



「使った」


「は?  なんに?」


「コレに」


「いや、全く意味が分からないだけど?  マジでどこ行った?」


「かぁ〜。  面倒くせぇヤツだなぁあ。  男のクセに細かいこと言いやがって、キン○マ小ぃせぇぞ」


「お前に俺のキンタ○のなにが分かる!!  ってか一度もお前に見せたことねぇわ!!」



あ”あ”あ”~!!


ったく、なんかこいつと喋ってると無性にイライラして頭が痒くなる!!



「アレだアレ!  この紙に500円玉の性質が移った!  以上!」


「以上じゃねぇだろ!?  ソレ以上の事を言え!  ソコ一番詳しく説明するところだろ!」



マジで面倒くせぇヤツだな!?


小ぃせぇ依然にマジでキ○タマついてんのかよ??



「あーハイハイ。  コレは無属性の技で、無属性の何かを吸収させると、その吸収させたモノの性質を取り込む」


「マジか!?」


「チートでござるよ!?」


「って事は、この紙は今、500円玉と同じ性質になってるって事なのか?」


「あぁ」


「ちょっと触っても良いでござるか?」


「良いよ葵ちゃん。  はい」



私が渡した紙を興味津々な感じで触りまくる葵ちゃん。


って言うか、お前が触っていいって許可した覚えはないぞモヤシ。



「マジで500円玉な感じの質感だな……」


「凄い……  こんな薄いのに、硬くて曲げられないでござるよ……」


「んでもってだ──」



2人から2枚の紙を取り上げて、ここをこうしてこうやってっと。



「──こうしたりする事ができる」


「うわぁ……」


「コレは、ザ・折り紙な手裏剣でござるなぁ……」



そう。


私は2枚の紙を使って折り紙の手裏剣を作ったった。



「と言うか、あんなに硬かったのに、木梨氏はいとも簡単に折り曲げて手裏剣を作ったでござる……」


「ゴリラ並みの怪力だなオマエ……」


「バっ!?  誰がゴリラだ!  殺すぞモヤシ!」


「ヒィっ!?」



ヤバっ!?


葵ちゃんが引いてる!?



「余計なコト言ってんじゃねぇぞクソモヤシ!  お前のせいで葵ちゃんが引いてるじゃねぇか!  ち、違うんだよ葵ちゃん!  コレは技を使った私には紙と同じ様に折ったり曲げたりできるんだよ!  絶対に私が怪力とかゴリラとかじゃないからね!」



モヤシ後で殺す!


5回殺す!



「……そう言う事か。  コレはアレか?  俺の黒い魔力の塊の重さを俺だけが感じないのと一緒って事か?」


「まぁ、そんな感じ?、だな」


「うむ。  僕の魔法少女変身とも一緒でござるな」


「いや、違うだろ」


「違うかな」


「なにサラッとTSを同じ枠扱いで片付けようとしてんだよ」


「葵ちゃん。  流石にソレを一緒に扱うのは無理だよ」



いくら葵ちゃんでも、流石にソレは次元が違い過ぎるよ……


だって、性別変わっちゃってるし……


マジで可愛く、なっちゃってる、し……



「んでまぁ、この手裏剣は今、500円玉と同じ性質なんだわな。  って事で、ヨイショぉぉっと──!!」



私が投げた手裏剣が庭の木にスコンって突き刺さり、



「はうあ!?」


「マジか!?」



ソレを見た二人が驚いた。


ぶっちゃけ、自分でやっておいてなんだけど、私も少し驚いてしまった。


ノリで格好つけて投げちゃったけど、こうも上手く刺さるって思っていなかったし。


取り敢えずドヤっておくか。



「属性付きの技なやつは、決まっているコマンド組んで都度事象を付けなきゃだけど、無属性ならこうしてベースの折り紙を発現させて無属性を足すだけで、紙を色々と自由に使う事ができまくるんだわ。  マジヤバくねコレ?」


「小銭を凶器に変えてしまうとか、歩く武器庫じゃねぇか……  忍者って言うかもう、暗殺者確定じゃねぇかオマエ……」


「いや、何も使わずにアホみたいにクッソ重い剣を出したお前に言われたくねぇわ」



しかもソレを自分で食ってしまうとか、証拠まで隠蔽できてんだろうが。


お前にだけは言われたくないわ。



「と言うか、そもそも、無属性ってなんでござるか……?」


「葵ちゃん。  ソレな。  私の中に入ってきた知識では、人工物が無属性なんだってさ」


「んじゃ、スマホ使っても何かできるのかよ?」


「できるんじゃね?  技で発現させた紙がスマホと同じ性質になるだけだからな」


「よし。  桜田、スマホ貸せ。  6つ折りスマホを作ってみよう」


「嫌でござるよ!  紅葉氏が自分のタブレット使えば良いでござるよ!」


「イヤイヤイヤイヤ。  紙とタブレットじゃサイズ的に似てるから、あまり実験する意味がないだろ?」


「イヤイヤイヤイヤ!  だったら紅葉氏のスマホで試せば良いでござるよ!」



モヤシめ!


葵ちゃんとイチャイチャしやがって!


クソ羨ましいじゃねぇか!



「因みに。  一度、紙に付与した無属性のモノは私では解除できない」


「オイ……?  なんだって……?  今、なんつった……?」


「危なかったでござる……」


「そんじゃ、俺の1,000円は、どうなる……?」


「私は解除できない……  けど、3分で紙が無くなって元に戻る」



って事で手裏剣が刺さっている木を指差す。


私の指に誘導される様にして二人が手裏剣が刺さっている木に顔を向けた瞬間、



「うぉおっ!?  俺の1,000円がっ!?」


「手裏剣がいきなり500円玉に変わったでござる!?」



手裏剣が500円玉に変わって、そのまま木に刺さっていた。



「アハっ!  チョーウケる!!  めっちゃ刺さってんじゃん!  そんじゃ、500円玉返すぜ!」


「巫山戯んなよ!  って言うかなんで解除されたのに木に刺さってんだよ!?」



うん。


この力は、これから色々と面白い事ができそうだな!


教えてくれた葵ちゃんに感謝、感謝っ!!


流石は私の葵ちゃん!



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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