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ダメなヤツじゃん……

あの後、桜田から電話があって、今日は帰れないから言われたから、



「そんじゃ、こんなトコで寝るのもアレだから、ホテルにでも行くか」


「こんなトコって……」



オフィスに泊まって待つのもアレだから、今日はその辺のホテルにレッツゴー。


ってか、エジプトで泊まった、あのスンゲ~ホテルを体験してしまったからなのか、フっコフコのベッドが物凄く恋しい身体になってしまった。


地上のベッドの品質は、空中都市のヤツをはるかに凌駕していて、俺の身体は、贅沢な睡眠品質を求めまくっているのだ。


って事で、即行で近場にある高そうなホテルをスマホで検索して、



「千羽クン。  明日も来ますよね?  倉庫に実験用の千羽クンのアレ、入れてくれますよね?」


「………………」


「え?  なんで無言?  明日も来ますよね?  


「………………」



「ちょっ──!?  何処行くんですか!?  待ってぇぇぇえええ!!  ってか無視しないでぇぇぇえええ!!」



ウP主を全無視して、



アホか!!


やってられるか!!



逃げる様にタクシーでホテルに向かう。


因みに、検索したホテルは、もちろんスイートルームがあるところ。



え?


お金?


大丈夫!!


俺、お金、持ってますんで!!www



俺の中では、これからは空中都市で住む事で決定しているから、地上の残金に未練はない!


ってか残金ありすぎ。



まぁ、地上と空中都市の門も繋がったし、地上なんて、定期的に新たなサブカル娯楽を漁りに行くくらいで丁度いい。


それに、次来た時にはお金の価値とかデザインとかが変ってて使えなくなるかもだしね。


って事で、使える時に気持ちよく使っておく。



ってな感じで、ホテルに到着なう。


そんで、部屋はもちろんスイートルーム。


エジプトで泊まったホテル程じゃぁないけど、一応、スイートなだけあって、ベッドは結構フッコフコ。


ってか、スイートルームがあるホテルのスイートって、予約待ちとかで泊まれないかと思っていたけど、ウォークインで即決おkだったわ……


エジプトん時もそうだけど、スイートって簡単に泊まれるものなの……?


普通だと高くて泊まれないから、基本、空いている状態なのかな?



まぁ、寝床も確保できたからソレはソレでどうでも良いんだけど、



「モミジよ……  虚無と似た魔力がこの近くにあるぞ」


「………………」



おジジよ……?


なんて事してくれてるの……?


たった今ホテルに着いたばかりぞ……?



「気づいてしまった後に言うのもアレじゃが……  この状況、ワシらはどうすればよいのじゃ?」



ハぁ~……



ホテルに着いたばかりってのに、なんでこうも問題ばかり起こるのかね……


マジで溜息しか出ねぇわ……


夜も更けてるってのに……


マジで休ませてくれよ……


俺、今日、エジプトから飛んできたのよ?



「……モブな俺的には、自発的に問題事に首を突っ込みたくないんだけど──!?」


「「………………」」



なんで2人してそんな顔で俺を見るし!?



ガン見されても、ぶっちゃけ、権限やら何やらとかで、俺たちは地上のアレコレには”NOタッチ”、”NOセンキュー”って拒否る事もできなくはないんだけど、



「──きょ、虚無に侵略された世界を空中都市で見てるからー、そうも言ってられないですよねー……?  はいー……」



2人の見えない圧に負けて、その場の空気に流されまくってみるモブな俺。



「アンナもそれで、良いの?」


「うん。  おk」


「ハぁ~……  それじぁ、おジジが感知した場所に連れてって」


「あい、分かった」



って感じで、溜息しか出てこない俺は、着いたばかりのホテルから直ぐに外出。


マジでシンデレラタイムには戻ってきたい。


せめて、払った分くらいはホテルのベッドを堪能したい。


フコフコに埋もれてモフモフさせて頂けないでしょうか?



おジジを先頭に歩道を歩き、



「……………」



コンビニの甘美な誘惑を我慢して通り過ぎ、



「モミジ、アレじゃ……」


「………………」



一般人があんま見ちゃダメな現場に遭遇。



ダメなヤツじゃん……


いや、ホント。


マジでダメなヤツじゃんよコレっ!?



何処ぞのビルの地下駐車場に集まる、何処ぞのヤンチャそうな集団。


見るからに、左右で2つの団体に分かれている感じの絵面。



夜な夜な拳で漢を語り合うサークルなのかな?



ってか、どう見ても、映画とかで出てくる様な、まんま、なんかの取引現場。


右のカジュアルファッションな集団の代表的な人が、



「数えてくれ」



重そうなボストンバッグをドサリって地面に投げ置いて、



「信用してますよ。  こう言うビジネスは、信用が大事ですからねぇ」



左のスーツな集団の代表的な人が、



「では、商品をお確かめください」



手にしている、ジュラルミンなアタッシュケースをガチャリって開いて中身を見せた。



完全に何かの取引現場で、絶対に面倒臭そうな事案。


政府や警察と繋がっている雫たちなら分かるけど、



「なんでこうなるし……」



一般ピーポーな俺にコレをどうしろと?



そんな怨嗟の籠った視線を、隠れている物陰から集団へこっそり送り飛ばす俺。


そんな俺の願いはただ一つ。



なんか、お約束なアレな感じで銃撃戦とかになって、相打ちで全滅してくれねぇかな?



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