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マジで文字通り飛んで帰るんかよ……

特殊部隊のお偉いさんに、ここで起きた事を説明している雫。


でも、あの黒い薬の事は言ってないっぽい。



あんなん隠して回収して、マジでどうすんのアイツ……?


まさか、自分で使うとかじゃぁないよな……?



雫の奇行が怖すぎてすこぶる堪らん。


どうか、人様にはご迷惑をかけないでくださいませと、心からお祈りする事しかできない、モブで小市民な俺ちゃん。


ってか、黒いエルフになっていた奴の姿が、いつの間にか普通の人間に戻っていた。


あの黒い薬には、マジで嫌な感じしかしない。


もし、アレを雫が使ったら、マジで無視して俺は逃げてやると心に誓った。



ほんで、特殊部隊が照合した結果、俺たちを襲った6人は、ヨーロッパ圏内のシーカー達だった。


全員の国籍はバラバラで、レベルはなんと、90後半。


しかも、



「死んだヤツらねぇ……」


「数年前に、全員が何らかの形で死亡扱いになっているでござるな」



既に死んでたっぽい。



「え……?」



ナニコレ?


どう言うこと?



「急いでパパさんに連絡してくるでござる」



周囲の目を気にしながら、イソイソと隅っこに行く桜田。



「せっかくのバカンスだってのに、初日からマジでクッソ面倒くせーヤツ来やがったな……」


「………………」



ってか、なんで俺見てるし……


俺、何もしてないし……


寧ろ、尾行されてたのオマエだし……



雫が俺を見る目は、”絶対にお前のせいだな”って雄弁に語っていて、何故か目が合った俺に向かって、



「おい!?  なんで!?  俺に死ね指立てた理由を言え!」



無言で中指を立てやがった。


ってか、ムカつくから、倍返しに両手で死ね指立て返してやった。


それに対して両手の中指を立てながら、ガキみたいにベロまで出して対抗してきた三十路。



「三十路のベロ出しは痛すぎぞ……」


「テメっ──!?  オマエマジで殺すぞ!!」


「………………」



インターポールに口頭で殺害予告されたなう。


ホント、誰でも良いので、モブで一般人な俺を助けてあげてくださいませ。



………………


…………


……











あの後、調書を取られながら、俺たちが襲われた理由とか動機とかを探ってもらう感じになった。


動機とか理由とかなんて、どうせ、バカンスで浮かれているイカれた三十路女が、道で喧嘩売ったり相手を煽ったりしたに違いない。


コレなら誰もがすんなりと納得出来る。


コレが間違っていた推理だとしても、寧ろソレで納得できる。


ってかもう、ソレで良くね?


雫のせいで良くね?



「なぁ、明日はピラミッド ダンジョンに行くんだからな。  オマエらが居ないと俺が ダンジョンに入れねぇんだからな?  早起きだからな?  ちゃんと起きろよ?  分かってるよねぇ?  分かってますよねぇ?  ってか、目覚まし今すぐセットしろよ?  俺が見てる前でセットしろよ?  ホレ。  はよ」


「ウッぜーな!!  ブっ殺すぞ!!」


「ホント、ウザイでござるよ」


「………………」



2人にウザイ言われた……


バーでの出来事の後から、ヤケにイライラしている2人。


なんかあったん?



「なぁ、なんかあったん?  有能な俺に相談してみても良いんだよ?  俺、自分で言うのもアレだけど、超有能よ?  推理とか得意よ?  事件とか即解決よ?」


「ホントに黙れ!!  オマエはマジで喋るな!!  ってか邪魔だからあっち行ってろ!!」


「紅葉氏、少し黙るでござるよ。  今、取り込み中でござる」


「……はい」



有能さのアピールに失敗し、微塵も構って貰えず、逆に、“黙れ x2” 頂きました。


バーでの件が終わった後、私の部屋に集まれ言われたのに、何故か俺だけハブられているなう。



ハブられてムカつくから、トイレでウンコして流さないでそのままにしてやろうかしら?



等と考えながら、暇だから部屋の中をブラブラする。


この部屋からもピラミッドが見えていて、ライトアップされて、紫色になっているピラミッド。



ってか、アレって ダンジョンなんだよなぁ……



って思いだしてしまったから、アンナに連絡。



『モミジっ!!』


「アンナ、無事?  今、大丈夫?」


『今は大丈夫だよ♪』


「アンナが居るっぽいダンジョンの近くまで来れたよ。  もうすぐ会えるから」


『うん♪  ボクも早くモミジに会いたいよ』



ソレから、マギアの事とか推奨レベルの事とか、さっきのバーでの出来事とか話したりした。



『なかなか濃い1日だったんだね』


「うん。  到着したばかりなのに、色々あって疲れた……」



ってか、アンナと話しながら両手を握ったり開いたりしてフと思い出した。



「アンナ」


『なにー?』


「そう言えば俺、自分の理力を ダンジョンに向けて伸ばしてたわ」


『ん?  もしかして、ボク達を探す為?』


「そそ」



ってか、何処まで伸びたんだろうな、俺のダークマター?



「もし、俺の理力にアンナの理力の雷が触れたら、なんとなく分かるかも」


『ホント!?』


「うん。  だって、空中都市で、アンナから理力の使い方について色々と教わった時に、沢山アンナの理力の雷を喰らいまくったから、雷に触れられったら感覚的に分かるかも」


『それじゃぁ、明日は雷マシマシで動いてみるよ♪』


「うん。  でも無茶はしないで。  体力は考えて」


『うん。  分かった』




ソレから少しの間話をして、おやすみを言って念話を切った。


んでもって、明日の為に、この、エジプト中に行き渡る様にイメージしながら、石の隙間やピラミッドの隙間に入り込ませる様にイメージしながら、糸の様なホッソいダークマターを展開させまくった。


これで、アンナの雷が俺のダークマターに触れたら分かるはず。


そしたら、俺は急いでアンナの所に行くから。



ベランダから見えるピラミッドダンジョンに向かって、アンナを思いながら手を伸ばす。



もう少しだから……


待ってて……


アンナ……



俺が1人感傷に浸っていると、



「モヤシ、こっち来い!」



馬鹿に大声で呼ばれた。



「なんだよ?  俺は明日の為に部屋に戻って寝たいんだけど?」


「その明日の事で話しがある」


「んだよ?」



あっちいけって言ったり来いって言ったり、なんなんだよ一体。



「明日、朝一で ダンジョンに向かうぞ」


「んなん当たり前だろ?  ってかオマエ、ちゃんと起きれんのかよ?」



俺はコイツが朝に弱いのを知っている。


しかも目覚めも最悪って事も知っている。



「オマエに言われなくても起きるわボケ」


「んで、なんで朝一って宣言してんだ?  俺にオマエを起こしに来いってか?」


「1人で起きれるわボケ」


「………………」



マジでなんなんコイツ……


三十路になっても、言動が大学生の時から全く変わってないって、ガチの病気か?



「朝一でオマエと一緒にダンジョンに行った後、私と葵ちゃんは、オマエを1人ダンジョンに残して日本に帰る」


「はぁ!?」



ナニソレ!?



「って事で、オマエはオマエが言うオマエの嫁を1人で探せ」


「まぁ、俺的には、ダンジョンにさえ入れれば、その後は1人でもなんでも良いんだけど。  ってかなんで急に帰るんだよ?」



エジプト飽きたってか?


ソレとも、一緒に探すのが面倒ってか?



「あの黒い薬な。  アレ、昨日、日本でも使われたんだよ」


「マジ?」


「マジでござる。  パパさんに報告したら、同じ様な事件が日本とか色々な国でも起こっていたでござる」


「って事で、唯一、薬の現物を持っている私達は、急いで日本に帰って、アレを色々と調べなくちゃぁならない訳よ。  分かったか?」


「お、おう……」



なんか、規模がデカくなってね?



「ってか、オマエが捕まえたアイツらに出所を吐かせりゃ良いんじゃねぇの?」


「アイツら、さっき殺されたわ」


「は?」


「移送中に、何者かに襲われて全滅」


「完全に口封じでござる」


「………………」



マジヤバ案件じゃん……


絶対アウトなヤツじゃん……



「もしかしたら、私達も狙われる可能性がある。  って事で、日本へは葵ちゃんに飛んで送って貰う」


「パスポートの意味よ……」



俺がやろうとしてた事を、堂々とやるつもりですかい。



「私達が飛行機に乗れば、最悪、関係ない人達が巻き込まれる可能性があるからな」


「ソレって……  飛行機がボンってするアレな感じって事?」


「無きにしも非ずでござるな。  だから、ボクと木梨氏はコッソリ飛んで帰るでござるよ」



マジで文字通り飛んで帰るんかよ……



「って事で、もしかしたらオマエのところにも何か出るかもしれないから、適当に全力で自衛しろ」


「出るって何が?  ってか自衛ってマジで?」



ってか、適当に全力って、矛盾しまくってんぞ……



「襲って来たヤツを殺してしまっても揉み消すから、安心して好きに暴れろ」


「逆に、オマエが手にしている権力が怖すぎて、安心できやがらねぇんでござりますけど……」



誰だよ!?


コイツにこんなヤベー権力渡したヤツ!?


絶対に私利私欲で使うぞコイツ!?



って事で、俺たちの明日の予定が決まった。


雫に、何があっても揉み消すから好きにしろって言われたから、取り敢えず、明日は自重せずに参る所存でございますです。



って事で、おやすみなさい。



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