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実に不思議な感覚だ

俺とバチクソ目があって、



「………………」



無言すぎまくる、オッサン2号。



「ねぇ。  俺のアンナ、何処?」


「………………」



言えないのか、言いたくないのか知らんけど、



「っ──!?」



喋らないオッサンには用はない。


って事で、



「「「「──!!」」」」



他のオッサンズも顔の部分だけ解放。


ってか、全員が同じリアクションで草。



「はい。  ちゅうもーく」



自分の言葉に、なんか、高校ん時の国語の先生を思い出した。



「これから、誰でも良いので、俺のアンナが居る場所を吐いてください。  1番偉そうにしてたオッサンは、床でゴロゴロしてますので、ソレの意図している事に気付いて、俺の気持ちを察してあげてくださいませ」


「な──!?」


「ヒィ──!?」


「っ──!?」


「貴様っ──!?」



全員が下に目を向けて、無惨なバラバラな黒い肉塊を見て驚く。



「そう言う訳でして、残念な事に、アンタ達を俺から救える人はもういません。  って事で、アンナ、何処?」



ぶっちゃけ、俺もそろそろ限界。


俺を殺そうとしたヤツとかに、優しく配慮してやるつもりはゼロ。



「別に、アンタ達が言う言わないとかどうでも良いから──」


「──調子に乗る──」



俺が聞きたい事じゃない事を言おうとしたオッサンに向かって右手を向けて、



「俺とアンナの時間を無駄にするな?」



俺を睨みまくってオッサンが再度ダークマターに閉じ込めて、



「ヒィ──!?」



鼻くそを飛ばす様にして人差し指を弾いてやると、




ゴドっ──




ダークマターに覆われた首から上の部分が、重々しい音を立てて絨毯に落ちた。



「早く吐け?」



続けて隣のオッサンに右手を向けてやると、オッサンが一瞬でダークマターに包まれて、ピンって指で虚空を弾いてやると、




ゴドっ──




同じく首から上が絨毯に落ちた。



「残り3人。  ってか、こうしているのも時間の無駄だからもう良いや」



残りのオッサン達を一気にダークマターで包んで、指で鼻くそを弾くがごとく、3本指を親指に掛けて弾く。


3つの重い音が、静かになった会議室に響く。


静かになった会議室を出て、外にいる桜田達と合流。



「紅葉氏……  一体、何が起こっているでござるか……?」



雫に肩を貸しながら立たせている、魔法少女な桜田が質問してきた。



「俺の嫁が地上に連れ出された。  あと、知り合いも」


「嫁?」


「え?」


「は?」



案の定と言うかなんて言うか、即座に食いつく3人。



「そう言う訳だから、今から地上に行って嫁を探してくる」


「え?」


「なんでござるかソレ?」


「オマエ、病気か?」



ぶっちゃけ、今、此処でこうしてコイツらと話している時間さえ惜しい。


たかだか数時間くらいだけど、地上と天空都市との時間差の影響を考えると、なる早くで行動しないとヤバい。



「って事だから早く着いて来て」


「オマ──!?  ちゃんと説明しろ!」


「ゲートに着いたら説明する」


「はぁ!?  巫山戯んな!!  こちとら、訳も分からまま巻き込まれた上に、右手潰されたんだぞ!」


「じゃぁ、ソレ治すから着いて来て」


「じゃぁってなんだよ!!」



焦ってイライラしているってのに、雫の声が五月蝿くて、余計に気持ちを坂撫でて、



「っチ──」



無意識に舌打ちが出て、出た後に自分が舌打ちしてた事に気づく。



「うるさいから。  さっさと着いて来いって」



もう、全部無視してゲートに向かう。


って言っても、セントラルのターミナルの場所が分からないから、



「マジでウゼェ」



その辺の壁にダークマターを嗾けて破壊して、



「紅葉!?  ちょっ!?  ナニコレ!?」



皆んなの足元に黒いモヤモヤ発現させる。


見た目、何処ぞの猿が乗っていそうなフワッフワなアレな感じ。


ソレを右手で操作して、



「ちょっ──!?  オマっ──!?」


「えぇっ──!?」


「何するでござるか──!?」



無造作に外に放り投げる。


外から聞こえてくる悲鳴を無視して、壊した壁から上空に上がっていく。



「うわっ!?  飛んでるでござる!!  紅葉氏のダークマターが浮いているでござるよ!!」


「ゼッテーヤベーヤツだぞコレ!?  アイツ、絶対ぶっ壊れてんぞ!!」


「木梨さん!!  落ち着いて!  怪我してるだからちょっと暴れないで!」



セントラルを眼下に見渡せるくらいにまで高度をあげて、ターミナルの位置を把握。


からの〜。



「フゴォォォォォォ──!!」


「落ちるぅぅぅぅうううう──!!」


「クソモヤシィィィィィィィいいいい──!!」



ターミナルに向かって急降下。


ビルとビルの間を抜けて、ビル間を繋ぐスカイウォークを躱して、ほぼ一直線にターミナルに向かって飛ぶ。



空中都市に来るまでは、浮遊感が大の苦手だったけど、飛んでいる内に慣れたから今は平気。


って事で、ターミナル到着。


近くにベンチがあるってのに、焦燥しまくって、公共の場のフロアにマナー悪く座っている桜田達を無視して、カウンターでタカマガハラ行きのゲートの場所を聞く。



「オマエら、マナー悪すぎ。  ってかさっさと行くから早くして」


『………………』



全員に無言で睨まれたけど、無視してゲートに向かう。


水が張られたお盆を縦に立てたみたいな沢山のゲートの横を素通りして、お目当てのゲートに到着。



「そんじゃ、先行ってるから」


「ちょぉ──!?」



何か言おうとしていた桜田を無視してゲートを潜って、



「ゲートは……  大丈夫か……」



壁にデカデカと書かれている空中都市文字を読んで、何事もなくタカマガハラまで来れた事に少し安堵。



そして速足でカウンターに向かい、



「すみません」


「はい。  あ、モミジさん。  もう戻られたんです?  ジダから今日は会議って聞いてたんですけど?」



ジダの彼女さんに声をかける。



「だったんですけど、ジダとリリマナに連絡って取ってもらえます?  ガラクシャ様関係の緊急案件です」


「え“!?」


「メチャクチャ急いでるんで、大至急、此処に来る様に伝えて下さい」


「は、はい!」



ジダの彼女さんは、地上で言うところのガラケーみたいな魔導具を使って、慌てた様子でジダに連絡を取り始めた。


今の俺は、右手で使えてた魔力がダークマターに変わってしまったから、ジダの彼女さんが使っているみたいな、ロマン溢れる魔導具をアレ、コレ、ソレと、ホイホイ扱う事ができないのだよ。


アンナも、俺と同じ神格者で魔力無しだから、基本、魔導具は使えない。


一応、魔力が込められたカードを差して使えるタイプの魔導具とかもあるけど、そう言うのは、基本、家の照明とか地上で言うところの電化製品的なので使われている。


マジで乾電池的なアレな感じ。


ソレに、誰かと連絡を取りたいなら、市民登録した時に腕に巻いたアレの機能を拡張すれば、市民証やお財布機能の他、電話的な感じで思念のやり取りができる様になる。


コレは、市民証の魔法陣の構成を弄る為、拡張費用がメチャクチャ高い。


金にモノを言わせて、魔素を取り込んで魔力にする機能の容量も増やしてもらっているから、魔力が使えない俺やアンナでも、魔力を気にせずに使える様になった。


稼ぎまくっている俺やアンナだから、こんな事が出来ているけど、普通な稼ぎの人達は、基本、ジダの彼女さんが使っているみたいな、ガラケーっぽいのを使っている。




って事で、アンナに連絡。



地上のスマホのプルルルって呼び出し音みたいに、風鈴みたいなチリンチリンって感じの音が耳の奥で鳴る。


いつ聞いても、実に不思議な感覚だ。


ジダ曰く、空気中に魔素さえあれば何処でも繋がるらしいから、地上にいるであろうアンナにも繋がる筈。



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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