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マジ心外

「あー。  オイ。  そこのイケメン」


「なんだよ」


「うん。  イケメンって言われて反応するオマエに殺意しか湧かねぇ」


「病気かオマエ?  オマエが勝手に俺をそう呼称しておいて、俺が反応するって分かって呼んだくせに、反応したらしたで殺意向けられるとか、どんな理不尽だ?  サイコパスか?」



定時だから帰ろうぜと、ジダに声をかけてみたんだけど、



「今日はやけに噛みつくな?」


「オマエのサイコパス具合を知ったら、誰でもこうなるわ」



なんか今日は気が立ってカリカリしている感じ。



「アンナさんや。  俺、サイコパス言われちゃったよ……  ってか、そろそろ定時だからお家帰りましょうよ?」


「ジダ?  何かあった?」



おぉっとー。


無視は酷いぜマイハニー。



「上からヤベー依頼が来てな」


「そんなに酷いの?」



ジダがカリカリしている原因は、上からのヤベー依頼ってのが原因らしい。



現場の指揮官ってお仕事は辛いね!


俺はそんなのゴメン被るぜ!



「酷いも何も、そこのサイコパス絡みだから憂鬱なんだよ」


「え?  モミジ絡み?」



ちょっと待ってよマイハニー。


今、“サイコパス=俺” って事確定で意思疎通してましたよね?



「近々、タカマガハラの地上から使者が来るんだとよ」


「え?  ホント!?」


「マジ?」



タカマガハラの地上っつったら、俺が居た地球世界じゃねぇか。



「それで、そこのサイコパスは、最近その地上から来たって言うし、しかも、人間辞めてちまってる9本線の持ち主ときた」



いや、辞めてませんが?


辞めたつもりは一切ございませんが?



「ソレで、上の奴らがそこのサイコパスも同席させろと言ってきやがった……」


「なんで?」


「そんなん、俺、無理ぞ?  絶対に嫌ぞ?  そんな場に数秒いるだけで、急性胃潰瘍で死ねるわ!  ってか、ストレスで蕁麻疹まみれになるわ!」


「はぁ〜……」



ジダが俺見てクッソ重いため息を吐いた。



なんで俺見てため息吐いたし!?


ぶっ殺すぞ!?



「だろ?  こんなサイコパスが素直に上の言う事なんて聞く訳がない。  ましてや9本線の神格者って言う、人外」


「人外言うなし!」


「こんなサイコパスがそんな大事な場で暴れでもしてみろ?  ってか、絶対暴れるぞコイツ?」


「うん……  可能性としては……  どう?  モミジ?」


「オマエらぶっ殺すぞ?」


「な?」


「うん……」


「絶対にダメだって、コイツ……」


「うん……」


「ヒデーなオマエら……」



マジ心外。


マジ、ショック。



ジダどころか、アンナまでもが俺が粗相するって思っている。



「俺は、人畜無害ぞ?  逆に、そんな場にいる事でストレスにやられて、全くもって手も足も出んし、一言も言葉を発っせられんわ」


「健御雷神が一緒に居たら手綱を握れるかもって思ったが、逆に、健御雷神が発端になる可能性の方が高い」


「そうだねー。  ボクの事になると、モミジは容赦無いからねー」


「あぁ。  この前の第四階位の虚無を単独で倒した事とか、悪辣な手を使ってそこのサイコパスを従わせようとした、馬鹿な上層部の件もあるしな……」


「だね……」



ジダが言う、馬鹿な上層部の件ってのは──



──どこぞの馬鹿な上層部が、俺が9本線持ちと言う事を嗅ぎつけて、アンナがリハビリ中で弱っている時に、アンナを拐って俺を従わせようとした事があった。


弱ってたアンナは、その馬鹿な上層部付きの4人の3本線の神格者に抵抗できずに拐われてしまって、ブチキレた俺は本部まで乗り込んだった。


そんでもって、アンナを拐った4人の神格者を秒で半殺しにし、次にその馬鹿な考えをした上層部のメンバー達も半殺しにしてダークマターに幽閉しようとしたところ、魔法省のトップのヨボヨボおジジに止められた。


そんで、俺と面識があるおジジが馬鹿達に代わって俺に謝罪して、上層部は即時解体、空中都市で1つだけ俺の望みを聞くって事になって、この件は手打ちとなった。


って事で、今は、おジジがトップにいるらしい。


俺の望みは絶賛考え中。




「モミジ抜きはできないのかい?」


「無理だな……  依頼を出したのは上も上、ガラクシャ様からの直接依頼なんだわ……」


「あん?  おジジからの依頼?」


「ガラクシャ様をそう呼ぶのはオマエくらいだぞ?  あの方は、神格者でもないのに4本線クラスの大魔導師だからな?  オマエに負けず劣らずの人外だ」


「マジか!?  おジジってスゲーんだな!?」


「ってか、ガラクシャ様が明日、オマエを本部に連れて来いってのが俺への依頼なんだよ……  その後、オマエがどうしようが勝手だけど、頼むから、大人しく一緒に来てくれ」


「ってか、おジジはなんで俺に直接連絡してこないんだよ?」


「オマエ、最近、カウンターに寄ってないだろ……  ってか、オマエ達だな」


「「………………」」



うん。


ぶっちゃけ、毎回カウンターに寄って報告するのが面倒になった。


ってか最近は、ジダにそう言った雑務を押し付けている。


リリマナを助けた件以来、ジダはアンナに負目ができたらしい。


ってか実際は、妹のリリマナが、実の兄を俺とアンナのパシリになる様に売ったのだ。


どうやら、上の世界でも下の世界でも、イケメンはシスコンらしい。


って事で、パシられる指揮官ジダが誕生した。



「だから、いつもオマエらと仕事をしている俺んトコにそんな嫌な依頼が来たんだよ。  って事で、オマエは、明日の朝10時に、セントラルのゲート前集合な。  頼むから、俺達兄妹の安寧な生活の為に一緒に来てくれ」


「シスコンが」


「モミジ。  ボクも一緒に行こうか?」


「健御雷神。  オマエは俺達が現場を離れている間、リリマナと一緒に通常業務だ。  これはガラクシャ様の采配だ」


「だってさ。  モミジ……」



ここまでするとは、おジジは何がなんでも俺と話がしたいっぽい。



「仕方ない。  適当に話し聞いて無理って言ってくるわ」


「オマエ、不敬罪で死刑になれば良いのにな」


「そん時は、オマエも道連れだかんな」



ってか、残念な事に、不老不死な俺は死なないのだよ!


イケメンは俺の肉壁となって散るが良い!



って事で、本日の業務は終了〜。


帰りがけにアンナと晩ご飯を食べてたら、偶然にもリリマナと遭遇。



「シスコンの兄はどうしたん?  ついにシスコンを卒業したの?」


「いやー、卒業して欲しいんですけどー、兄はターミナルで残業してますねー」


「あっそー。   どうせ、残業とか言いながら、ターミナルの職員さんとイチャイチャしてんだぜ、あいつ」



最近のジダは、雑用押し付けても文句言わなくなったし、逆に自分から喜んでターミナルに行く様になってたし、絶対イチャイチャしてる。


間違いない!



「兄、絶対イチャイチャしてますねー。  最近、そんな噂がチラホラ聞こえて来てるんでー」



妹にバレバレじゃん。


ってか、恐ろしい情報網だな……


マジで恐怖しかねぇわ……



「んじゃ、一緒にご飯どう?」


「いえいえー。  ラブラブなお二人のお邪魔しちゃ悪いですよー」


「リリマナ、奢るよ?  モミジが」



俺かい!?



「アンナさん!  ご馳走様です!  ご同席致します!」



アンナに弱いリリマナで草。


ってかリリマナは、アンナが通っていた学校の後輩らしく、結構長い付き合いなんだってさ。



って事で、3人でご飯食べて、その後、クッソ呑みまくった。


俺達が馬鹿みたいに呑みまくっていると、途中で女連れのジダが店にやって来たと言うハプニングがあり、



「リア充死すべし!!」



リリマナが一人荒れまくっていたのは別のお話。



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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