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狂いすぎだろ……?

俺とデュクシーさんのグダグダな感じで会場がザワつく中、



「デュクシーさん、デュクシーさん……」  



何処かの誰かさんな裏方的な女性がコソコソ現れて、



「~~~~~~」



デュクシーさんに何かを耳打ちし始めた。



「あ、ハイ……  ハイ……  そう、です、ね……  ハイ……  では、それで……」



そんでもって、出てきた時同様、中腰でコソコソと何処かに去っていく、何処かの誰かさんな女性。


そして、



「で、でわ!  只今、モミジさんのご要望どおり、多言語理解の魔法のスクロールをご準備致しますので、皆様!  少々お待ち下さい!」


「はい……?」



オーディエンスに向かって声を上げたデュクシーさん。



「という訳で!  リストにございます様な、取得難易度が高そうな魔法は一旦、置いておいて!  先ずは、取得難易度が比較的簡単な魔法から順を追って試していく、と言う流れで進めていきます!!」





オオォォォ……──





「………………」



そんで、何故かそれに感嘆みたいな感じで声が上がるオーディエンス達。



あれ?


俺、完全に見世物的なアレじゃね?


大公開しまくりな、大規模人体実験ってヤツだよねコレ?


ってか、どんだけの量の魔法を俺に覚えさせるつもりなのこの人達?



って思っている間に、



「さぁ!  そうこうしている内に、早速、多言語理解の魔法のスクロールがやって参りましたぁっ!!」


「………………」



どこぞのホテルのルームサービスで使われてそうな、台車に乗せられているスクロールがやってきた。


しかも、台車を押している女性は、何故かバニーガールコス且つ、華麗にモデル歩きでご登場。



ってか、このバニーガールの人……


さっき、コソコソしてた人じゃん……



そんで、バニーガールコスの女性が優しくスクロールを手にとって、華麗にモデル歩きしながら移動してオーディエンス達に見せまくり、どういう仕掛けか知らんけど、頭上のモニターにバニーガールコスの女性の手元にあるスクロールが写し出され、



「こちらのスクロールは!  タリッタ魔導商会様からのご提供となります!」




オォォォオオオオオ──!!




それに沸きまくるオーディエンス達。


んでもって、デュクシーさんのCM的な紹介の後、その、どこぞの誰かに向かってスポットライトが当てられて、



「………………」



どこぞの誰かが手を上げて立ち上がり、



「………………」



会場は割れんばかりの拍手喝采、雨あられ。



「………………」



いや……


ホント……


たまったもんじゃねぇよ、コレ?


俺は何を見せられて、何をさせられているのであろうか?



レッドカーペットのアレな式典を彷彿とさせるようなアレなアレ。


完全に俺をダシに使った、売名行為の為のお祭り状態。



タダって言葉に食いつくんじゃなかったわ……



「こちらの多言語理解のスクロールは、99%の確率で魔法が取得可能となっております!!  ソレを実現させたのは!!  言わずとも知れた、タリッタ魔導商会様が開発しました魔導技術!!」



なんか知らんけど、ソレ、スッゲーの?



「残りの1%は、ご察しの通り、魔力を得られない、神格者のみ!!」




オオォォォ……──




徐々に息がぴったりになり始めてるオーディエンス達が感嘆する。



「ですが!  今日!  此処に!  その1%への挑戦権を持った!  これまでの常識を覆すであろう者が現れたのです!!」



オォォォオオオオオ──!!



割れんばかりの歓声で、会場がクッソヒートアップ。


貴賓席に座るジジババまで、身を乗り出して手を上げたり、机に片足を乗せて立ち上がっている始末。



「………………」



横のCEOらしき人たちも、狂った様に手にしたハンカチをグルグル頭上で振り回しまくっている。



「………………」



レゲェフェスかな?


ってか、狂いすぎだろ……?




大歓声が鳴り止まぬ中、



「どうぞ♡」


「え?」



バニーガールが巻物?みたいな、紙を丸めたヤツ?みたいなのを俺に差し出してきた。



そんな差し出されたスクロールよりも、前に伸ばされた両腕によって寄せて持ち上げられた、バニーガールの胸元の方に興味津々。


ってか、何故かそこにしか目が行かねぇ。


何故なら、肩から胸に伸びるストラップが無いせいで、胸元が浮いて隙間ができていて、角度を変えたりすれば中身が見えそうな感じのアレだから。



いや、ホント。


マジでももうちょっとなんだよ。


もう少しだけ、角度を、ちょこーっとだけこうすれば、見えそうなんだよ。



でも、差し出されているソレを、中身が見えるまでずっと受け取らない訳にもいかないから、



「あざっす……」



断腸の思いで泣く泣く受け取る。


そんで、受け取ったタイミングで、



「ささっ。  どうぞ広げてください」


「………………」



デュクシーさんが小声で広げるように促してきたから、そのままソレ広げてみる。



「おぉう……」



手にとって広げたソレには、



「カッケー……」



ラノベや漫画やアニメに出てきそうな、”これぞ魔法陣” って感じの絵?模様?が描かれていた。


ってか、これでもかってくらいに厨二心をくすぐられまくる。


使用されている紙は、どこにでもありそうなA4のコピー用紙な感じだけど、



「………………」



中心に描かれている魔法陣?の上下には、全く読めない、ソレっぽい文字がビッシリと書かれていて、現代風な魔法な感じの契約書っぽくて、逆にソレが良い感じ。


俺がワクワクドキドキしながらスクロール?を見ていると、



「コレをどうぞ」


「え?」



デュクシーさんが針を渡してきた。



「針?」


「ですです。  コレで親指をチクっとして頂いて、魔法陣の横にある、小さな枠に血が出た親指を付けながら、魔力を込めた掌を魔法陣に当てれば魔法の契約完了です」


「なるへそ……」



確かに、中央に魔法陣が描かれていて、高さ的に魔法陣の真ん中くらいの左右の位置に、何も模様がない小さい四角い枠?があって、その枠から、1本の線が魔法陣とつながっていた(こんな感じ □-◯-□)。


デュクシーさんからスクロールを使う手順を聞きながら、



ぶっちゃけ、そのまんま血がついた手で直接魔法陣を触れば良いんじゃね?


この四角い枠っているか?



って思ったけど、



「この四角い枠は、魔法陣取り扱い中の誤作動を防ぐ為と、魔法陣に血が付いた時に、魔法陣が血で滲んで使えなくなるのを防ぐ為ですよ」


「へー」


「ですので、魔法陣自体は完全防水になっていて、魔法陣への血の供給は、四角い枠以外からは行われない仕組みになっています。  魔法業界の技術は日々発展していっているのですよ」



と説明しながら、胸を張るデュクシーさん。



「………………」



そんな魔法の裏事情とかどうでも良すぎて興味がなさすぎて、どう反応したものかとマジで悩む。


そして、



「それでは、皆様お待ちかねですので、ブスっといっちゃってくださいませ!」


「………………」



ってことで、貰った針で右手の親指をチクってやって、親指を枠に、



「掌を魔法陣に乗せて──」



掌を魔法陣に乗せて、



「──魔力を発現させて、っと……」



魔力を掌に発現させた。



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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