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会議中で忙しいのだよ

急いでアンナのところに駆け寄る。


俺が発現させたメッシュドームにモッサリとダルそうに身体を預けていて、見た目、カナリ苦しそう。



「アンナ……」



アンナに影響が出ない様に、ドームの一部にゆっくりと穴を開けて、アンナの側で中腰になる。


アンナに触れようと手を伸ばすけど、



「大丈、夫……?」



悪化したりするのが怖くて触れられない。



「ハハハ──  ボク、こっ酷く、やられちゃったよ……」


「──っク……」



全身ボロボロなのに、ソレでも笑顔を作るアンナ。


身体も服もボロボロすぎて、お胸様の片方がポロンチョしてるわ、パンツ丸見えとかしてるから、



「………………」



着ていたシャツを脱いで被せてあげる。


ボロボロすぎて、アンナは身だしなみとか恥じらいに気をつかっている余裕も無いっぽい。



「どうしよう……  急いで助けを呼ばなくちゃ……」



アンナの吐く息が不規則で苦しそう。


ってか、辺りを見回しても廃墟しかなくて、



「こんな時にジダは何処に行きやがったんだよ!」



近くに居るはずのジダも見当たらない。



「ゴフッ──」


「──!?」



そんで、いきなり吐血したアンナ。


マジで時間の問題っぽい感じなアレ。


このままではマジでヤバすぎる。



ってか、アンナは絶対に死なせない!



急いで此処に来る時にお世話になった棒を発現させて、



「──っク!」



一気に上空に飛び上がる。


そして辺り周辺を確認して、俺が拠点に発現させているドームを見つける。


コレで拠点がある方向は分かった。


後は、



「繋がれ!!」



地面に左手を着けて、拠点のドームがある方向に向かって線を伸ばす。



そんで、数秒の後にドームと伸ばした線が繋がった感触が来て、



「キタキタキタぁぁぁあああ!!」



そのまま手元に大きな箱を発現させる。


そして、アンナがもたれ掛かっているメッシュドームを操作して、



「直ぐに拠点に連れて行くから!」



ゆっくりと箱に寝かせてあげる。


アンナを乗せた箱に一緒に乗り込んで、



「安全且つ、速やかに!」



魔力を増減させて操作して、全速力で拠点に向かって箱を移動させる。


イメージはトロッコとかロープウェイ。


これなら俺が担いで運ぶより速い筈。


ってか、自分でやっておいてアレだけど、



「──ふグゥ!?」



アンナの身体を箱に固定させておいて良かったと、心から思える程の速度にビックリ仰天。


箱の淵に手を当てて、操作しながら立っている俺の目は、瞬きできずにドライアイ。


思わず目を瞑ってしまったら、そのまま開けられなくなる事間違いない。


って事で、カッピカピを我慢して、そのままの状態をキープしながら、進行方向を見つめ続ける。


アンナの状態が心配で急ぎまくったせいか、体感、3分も経たずにドームの端に到着。


そのままドームに穴を開けて、地面に張り巡らせていた線を調整しながら、テントが集まる場所に突っ込んでいく。


猛スピードでやって来た俺の箱に、



「うぉっ!?」


「危ねぇなコラ!!」



轢き殺されそうになった何処かの誰かさん達と目が合いまくったけど、



「退いて退いて!!  ってか、轢き殺したらマジでゴメン!!」



知らない他人より、今はアンナが最優先。


そんでもって適当な所で移動を止め、アンナの身体をゆっくりとお姫様抱っこして、



「アンナが負傷したんだ!!  急いで治療をお願いします!!」



ありったけの声をあげて叫ぶ。



「雷様が!?」


「雷神が負傷だと!?」


「オイオイ!  マジかよ!?」



そして一気に周りがザワつく。


そして俺の声が届いたのか、



「急いで医療テントへ!!」



近くにいた衛生兵みたいな人が俺をテントに案内する。





テントに入り、指示されるまま簡易ベッドにアンナを寝かせて手を握ってると、



「治療の邪魔だから離れて!!」



全身真っ白な格好の女性に、



「──っス!?」



すごい剣幕でテントの隅へと追いやられた。


3人の全身真っ白な格好の人達が、アンナに向かって両手を翳し、聞いた事が無い言葉を其々がブツブツ呟いている。


ソレを見て、魔法か何かの詠唱って事が何となく分かった。


多分、魔法的なアレな感じでアンナを治療してるっポイ。


そんな中、白い服の1人が手を止めて、慌てた感じで俺のトコに来て、



「患者の血が足りない!  君の血を分けて!」


「え?」



いきなり俺の血を寄越せ言われた。



「血を分けてって言われても……  俺の血液型ってアンナのと合ってるの?  大丈夫?」


「血液型とかどうでも良いの!  そんなのは魔法で合わせられるから!  とにかく、流れて足りなくなった分を早く補充しないと、このままじゃ危ないの!」


「そ、そんじゃ!!  遠慮なく使ってくださいませ!  俺なんかので良ければ幾らでも!!」



って事で、未だに上半身裸のまま、アンナの横に寝かされる。



「………………」



ってか、地面ってオイ……


敷物も何も無い素な地面が硬すぎる……


ってか背中に小石が当たって痛い……



って思っていたら、



「──っ!?」



いきなり右手の平をナイフで切られて、同じく左手の平を切られたアンナと手を繋がされる。



「しっかりと彼女の手を握ってて!」


「──っス!!」


「ソレじゃ、今から君の血と患者の血の量を均一にするから!  一気に血を抜かれてフラつくだろうけど、死にはしないから我慢して!」


「は!?  え!?  ちょっ!?  どう言う事──!?」」



確認する間もなく、アンナと繋いでいる手に女性が手を置いて、



「──はぅあっ!?」



詠唱が始まったと同時に血がゴッソリ抜かれた様な感覚がやって来た。


そんでもって、一気にグングンと体温が下がりまくっている感じがして、クッソ寒くなって身体がガクガク震えてきた。


血を抜かれてフラつくどころじゃない、俺も危ない感じのマジでヤベー症状なヤツ。



ってか死ぬってコレ!?


思いつきとか応急処置でもやっちゃダメなヤツだって!?



寝転がる地べたから、俺を無視して詠唱し続けまくっている白い服の女性に訴える様に見上げるけど、



「白い……」



スカートの中と言う、華やかなクレーム受け付けセンターで俺の訴えは即座に止められた挙げ句、ある種の力技で有耶無耶にされてしまった。


血を抜かれていて、下半身にまで回せる血の余裕がなかったのが逆に良かった。


何処ぞの聡明な賢者な感じで、清く穏やかな心で中を覗いてられる。



いや〜。


眼福、眼福。



って言うか、こんだけ血を取られまくっても、玉藻のデスベロチューによって不老不死になった俺だから、血がカラになったところで死なない筈。



ってか、死なないよねコレ?


ってか取りすぎじゃねコレ?


大丈夫なのコレ?



マジでゴッソリ感が否めない。


まるで、右手から魔力を発現させた時と似た様な、あの感覚。



「………………」



って事で、気休めになるかなと思いながら、空いている左手で魔素呼吸してみる事に。




シュコォォォォ──


シュコォォォォ──




今の絵面的には、地べたで寝転がりながら女性のスカートの中を下から眺めて、変なキモイ呼吸音を出している俺って言う構図。


状況を知らない第三者に今の俺を見られたら、完全に通報される事間違いなし。


ヤベーヤツな自覚はあるけど、俺はスカートの中で会議中で忙しいのだよ。


ってか、魔素呼吸をしてたら、なんか楽になってきた。


なんて言うか、いきなり血が増えた?知らない何処かから足された?みたいなそんな感じ?


もしかして、コレが不老不死効果?


こんなんアリなん!?



ってか、血が増えたって事は、俺の下半身も元気になり始めるってのは自然の摂理的なアレな訳で、



「2、3、5、7、11、13、17、19、23──」



下半身の反乱による旗揚げを抑える為に素数を数えてみているんだけど、



「──チクショー……  どうしてもアレから視線が外せない……」



途中で会議を抜け出すとか、精神童貞な俺には無理だった。



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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