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ゲームとかアニメとかで出てきそうな名前なヤツ

脅威的早さで、何故か、いとも簡単に浮遊都市の市民権を得てしまった。


と、同時に、アンナによる身元引受人と言う名の、婿入り的な婚姻が、浮遊都市公認で成立された。



いや……


アンナは好きだよ……


ずっと一緒に居たいとも思っているよ……



でも、流石に婚姻までの速度が以上すぐる。


両親になんの一報も入れてないどころか、ファストフード店での注文とか、インスタント食品を作る感覚な婚姻すぎて、なんか怖い。



俺はこのまま、祖国、いや、地上での生活を捨てる事になってしまうの……?


自由に行き来できるんですよね?


一旦、お家に帰れるんですよね?



と、色々な疑問が湧きまくる。



ぶっちゃけ、やり残してきたゲームが恋しい……



ってか、東京の真上に居るって言うのに、此処では何故かスマホの電波が圏外。


ってか、そろそろバッテリー切れそう。


今は幸せいっぱいだから大丈夫だけど、その内、地上の、俗物やサブカルに塗れた生活が恋しくなるのは間違いない。



って事で、横で幸せそうに俺に腕組みをしているアンナと自撮りしながら聞いてみる。



「俺、此処の市民の一人になっちゃったんだよね?」


「うん♪  そうだよ♪」



ってか、アンナがスマホの画面に写る自分の姿に興味津津。



「………………」



アカン……


アンナの顔が幸せいっぱいな感じすぎて、地上に戻れるかどうかとか聞けなさすぎる……


ってか、婚姻届けを出した直ぐに、地上に帰れるかどうかなんて聞けるワケがない……



しかも、アンナのお胸様の柔らかな感触が肘に当たりまくっていて、ゲームの事とか地上の事とか、どうでもよくなり始めてきた。


でも、ゲームアプリだけはNoタッチでお願いします。



「ってか今、何処に向かってるの?」


「門だよ♪」


「門……?」



アレ?


この前この都市を上から見た時、門なんて無かったよな?



「この前、地上から来た時に見たんだけど、この都市の外壁に門なんて全く見当たらなかったんだけど?  ってか、今から外に出るの?」


「うん♪  外に出るよ♪」


「出れるの?  ってか、なんで出るの?」


「外に出てお仕事だよ♪」


「お仕事って……  え?  俺も?」


「そうだよ♪  都市の市民権を得たモミジも門を潜れる様になったし、外に出てお仕事しながら神格の見せ合いっこ♪」


「外に出て見せ合いっこ……」



自分で言っておいてアレだけど、色々と省略されまくってアレだけど、脳みそがピンク色に染まりまくっている今の俺には、如何せん刺激が強すぎるワード。



なんか、急にドキドキが止まらんのですが!



ってか、門に行って外に出るとか言いわれて城の外に出たんだけど、



「あれ?」



今、歩いている所は、市民登録をした所を出て、城沿いに右に向かっている。


建物に沿って周りをぐるりと歩いていて、城から離れるって感じじゃない。



門は?


お外は?



外に行くのでは?と遠くに見える高い壁を目にしながら、そのまま数分歩いていると、かなり幅が広い、入口の様な巨大なアーチが現れた。



「え!?  城がくり抜かれてる!?」



しかも、そこは多くの人が忙しなく行き来している。



「ってか、人、多っ!?」



そんなアーチを潜って中に入ると、



「広っ……!?」



かなり開放的って言うか、



「って、え?」



縦にも横にも広すぎて、完全に外から見た城の広さを超えている様に思えるのは、どうか俺の気のせいであってほしい。


広さもそうだけど、高さも地上のビルの10階分くらいが、ダイナミックに吹き抜けな感じ。


完全に、城の外観と中身が違いまくっている。


って事で、驚きすぎて、自然と城の中と外に視線が行ったり来たり。



「此処、絶対に外から見た建物の広さを超えてるよね?  ってか、城の中だよね?」


「うん。  此処はお城の中枢だよ♪  空間が拡張されていて、全ての門が集まる場所だよ♪」


「………………」



お城の中枢って言葉以外、何がなんだか理解できない。



「そして、中央にある一際大きい門でセントラルがあるムーに行けて──」


「………………」



アンナに腕組みされながら、クッソデカい、水をグルグルして縦にした様な渦巻きを指さされ、



「あれがレムリア行き、あれはアアル行き、あのエルフが多く集まっている所がアルヴヘイム行き──」


「………………」



近くにある、中央にあるのより小さめのグルグルを通り過ぎながら、矢継ぎ早に説明される。



は?


エルフ?



「これはアヴァロン、これはアマラーバティー、それで、これがシャンバラ」



なんか、何処かで聞いた事がある様な無い様な、伝説都市な名前のオンパレード。



「こ、此処からこの都市の外に行けるって事?」


「そうだよ♪」


「因みになんだけど、この都市の名前は?」


「タカマガハラだよ♪」


「………………」



この浮遊都市の名前がえらく日本的な名前すぎて草。


ってか、古い書物とかに載っていた様な記憶の都市名。



いや……


流石にそんな訳がない……



と、自分に思い違いだと言い聞かせておく。



「ってか、今からこの門で地上に行く感じなの?  ってか行けるの?」



そして、話の流れの中で、うまい具合に地上に行けるのかどうかを聞いてみる。



「地上にも行けるけど、今から行くのはメガラニカだよ」


「メガラニカ……」



これまた、ゲームとかアニメとかで出てきそうな名前なヤツ。



ってか、地上に行けるのか。


いやぁ~、よかった良かった。



「うん。  メガラニカに行って素材集め」


「素材、集め……?」



なんじゃそりゃ??


素材集めってなんぞ?



地上に行けるって軽く喜んでいたら、更に訳のわからない事を言われた。



「素材って、なんぞ?」


「道具とかで使う材料とか、食材とか?」


「………………」



俺は、ゲームとか漫画の世界に来てしまったのか?


もしかして、実は夢でも見てるのか?



浮遊都市の何もかもがファンタジーすぎて、俺の中の常識と知識のすり合わせに齟齬が出まくっている。


ってか、何もかもがフィクションと同じ感じのアレすぎて、妄想とか夢想とか、夢の中とほぼ同じ。



「それじゃ、メガラニカへレッツゴー♪」


「え!?」



眼の前のフィクションすぎる出来事に色々と考えを巡らせていたら、



「ちょ──!?」



アンナに引っ張られてグルグルの中に。



「──ちょっとぉぉぉおおお!?」



心の準備とか色々あるんですけどぉぉぉおおおお!?



完全に不意をつかれてグルグルに突っ込んだんだけど、



「………………。  アレ……?」



眼の前がさっきと似た様な場所。



「同じとこ?」



さっきのグルグルは何だったのか?と思わせられる程、何も変わってない感じ。



「此処はもうメガラニカだよ。  まぁ、ターミナルはどの都市も統一されたデザインだから、同じと言えば同じかな?」



そして、天井に顔を向けて指差すアンナ。



「ホラ。  都市を表すシンボルがメガラニカのものに変わってるよ」


「………………」



都市を表すシンボルが変わってる言われても……


さっきのところの天井とかマジで見てなかったし……



そんなこんなでアンナに連れられて移動する。



「それじゃ、今度は地上に降りるよ♪」


「え?」



ってか、このタイミングでいきなり来た地上行き。



取り敢えず、地上に降りたら、スマホの充電ケーブルは確保したいな。



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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