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馬鹿には見えない的なアレなのか!?

朝が来た。


目が覚めた。


未だに横でスヤスヤ寝ている愛しのアンナを見ていると、



「………………」



昨晩のワールドカップの余韻が忘れられず、



「んんっ──?  モミ、ジ──?」



アンナに抱きついて試合開始。


しかし、今日は用事があるからと、お互いに後ろ髪を引かれる様な形で、1試合のみで試合終了。


でも、続きは今夜と言う言質も取れたから、俺、我慢するマス!


って事で、



「モミジ!  急いで急いで!  遅刻しちゃうよぉ〜!」



2人で急いで出かける支度をし、アンナは遅刻しそうと言いながらも、



「うん♪  コッチの服も似合うよ♪」



笑顔でこの状況を楽しんでいるご様子。


因みに俺が今着ている服は、昨日買った浮遊都市産のヤツ。



あぁ……


服を着て、異性に似合うって言われたの産まれて初めてだわー……


コレが愛ってヤツで、幸せってヤツなのか……



部屋を出て、近くの公共施設?みたいな建物にいそいそと向かい、



「え?  ナニ此処?」



建物内にある色々な色に色分けされている、ドアが無い部屋?ブース?の内、壁が黄色一色の部屋に入る。


部屋の広さはテニスコートの半分程で、壁に大きな読めない文字が描かれていて、恋人繋ぎでアンナに手を繋がれながら、何かを待つ様にじっとそこに立つ。



「ナニコレ?」


「公共交通機関だよ♪」


「は?」



アンナの言っている意味が分からなすぎて、只々ボーって立っていると、



『王城前行き転移陣、まもなく起動致しま〜す』



なんか、何処かで聞いたことある様なアナウンスと共に壁一面に魔法陣が現れて、



「え“!?」



視界に映る空間が横に捻れ、



「は?」



捻れが元に戻ったと思ったら、さっきとは装いの違う部屋に変わっていた。


部屋の色は同じ黄色一色だけど、壁の文字?が明らかに違う。



『王城前〜。  退室の際はお忘れ物にご注意下さい』



と言う、これまた何処かで聞いた事があるアナウンスと共に、アンナに手を引かれて早足に部屋を出る。


そして建物を出た目の前に、



「え?」



大きなお城が聳え立っていた。



「は?」



この都市の大きさは、山手線一周くらいの大きさで、俺とアンナは中央にある城から1番遠い、壁の近くに居たはずなのに、今は何故か都市の中央にある城の前。


思考が完全に追いつかず、唖然茫然と城を眺めていると、



「モミジ!  急いで急いで!」



アンナが城に向かって走り出す。


手を繋がれながら、笑顔で走るアンナの後を追うけど、



「フグぅ──!  ゼハァ──!!  ハァハァハァハァハァハァ──!!」



基本引きこもりな俺であり、そんな俺のヤワな内臓と筋肉が悲鳴をあげまくっていて、笑顔を作れる余裕が全く無い!



そして、



「ハァハァハァハァハァハァ──!!」



目的の場所らしき所に到着。


瀧の様に汗をかきながら、膝に手を乗せて中腰になって、情けなく肩で息をしまくっている俺とは違い、汗をかくどころか、息一つあげてないアンナ。


到着した場所は、お城の1階。


アンナと一緒にお城の中に入って行って、



え!?


お城の中!?


なんで!?


入って良いの!?



中にある銀行のカウンター窓口みたいなところで、



「受け付けお願いしまーす!」



カウンターの向こうに居る、受け付けとか係員らしき人とアンナが何やらやり取りしている。


そんで、係員から何かを受け取ったアンナが、ニコニコ笑顔で戻って来た。



「いや〜。  登録の受け付け時間にギリギリ間に合って良かったよ〜♪」



そして、



「はいコレ♪  モミジの分♪」



ヒラヒラと見せられた、



「ん??  ナニコレ??」



イベントとかの入場時に着けられそうなアレ。



リストバンド?紙タグ?




んでもって、



「ちょっと手首貸してー♪」


「んん?」



されるがままに、アンナが俺の右手首にソレを巻きつける。


すると、金色に光りながら変な幾何学模様がリストバンドに現れたと思ったら、



「ふぁっ!?  消えたっ!?」



次の瞬間には俺の手首からリストバンドが消え失せた。



「どどどどどど、何処行ったし!?」


「アハハハハハ──♪  モミジ、ナイスリアクショーン♪」



狼狽えまくる俺を見て、爆笑しまくるアンナ。



「ね〜♪  不思議だよねぇ〜♪  ソレはね〜、消えた様に見えるけど、まだモミジの手首にあるんだよ〜♪」


「え?  いや、消えてんじゃん!?  俺の手首に何も無いじゃん!?」



手首を曲げても、手首を擦ってゴシゴシしても、マジで何も感じないし、何も無い。


ってか、もしかして、裸の王様状態?


馬鹿には見えない的なアレなのですか!?



「特殊な装置に翳せば勝手に出てくるから、そんなに気にしなくていいよ〜♪」


「そうなの??  ってか、なんなのコレ?」



質問、確認、不思議全開で、何も無くなった手首をアンナに見せる。



「コレは、この都市の市民証明だよ♪」


「え?」


「モミジはたった今をもって、この都市の市民となったのだ〜♪  わ〜パチパチパチ〜」


「い、いぇーい。  やったー」



ウソ、だろ──!?


マジで!?


こんな簡単に市民になれんの!?



「まぁ、本来なら、すっごい審査とか、大量の手続きとか色々あるんだけど、まぁ、所謂、神格者の特権ってヤツだよ♪」


「神格者の、特権……」



神格者って、どんだけヤベーの!?



「神格者のボクが、同じく神格者、且つ上位のモミジを身請けして、ちゃんと責任を持ちますよーって感じかな?」


「え?  それって……」


「えへへ──♪  市民権の獲得と同時に、ボク達の婚姻と入籍も兼ねてるね〜♡」


「はぅあ!?」



まさか……


今日の急いでた理由って……




コレなのですかぁぁぁあああ!?



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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