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あなたに心から感謝の意を送ります!!

あ〜……


喉が渇きまくって死にそうだ……


ってか、クッソ頭痛ぇ……



焼け付く様な喉の渇きで不意に目が覚めたなう。


昨日は完全に呑みすぎた。


人生初に呑みまくった。


開いているのかどうかも怪しい細い目で、枕元のスマホを確認。


時刻は朝の7時過ぎ。


って事で、陽の光が眩しすぎるから、一旦、お日様から逃げる様に、毛布に潜って顔を隠す。



しかし、なんの気なしに潜った毛布の中には、



「…………………」



何故か見知らぬ裸の女性が。


ってか、何故か俺も全裸なスッポンポン。



は!?


なんで!?



こっちに身体を向けて、横向きになって自分の両手を枕にしながらスヤスヤ寝ている女性。


可愛い寝顔で細い腕。


そんな細い腕に挟まれて潰れている、とてもけしからんお胸様。




はぅあっ!?




そして、瞬時に覚醒起動シークェンスを始めた俺の下半身。


臨界到達点まで秒読み開始待ったなし。



下半身の起動を抑える為、一体全体ナニが起こっているのかを、昨日の夜から順を追って思い出す。



ご飯屋

飲み屋

ガールズバー的な飲み屋

如何わしい飲み屋

何処かの店に行ったっぽいけど記憶が曖昧

完全に記憶ロスト

全裸の女性を前に、下半身が覚醒起動シークェンス中



思い出そうとするも、肝心な部分の記憶がスッカラカンすぎて草。



記憶のお漏らしってどう言う事!?


この女性はどちら様!?


そして、此処は何処ですか!?


何故に僕らは全裸なの!?



女性の顔と、つきたてのお餅の様に潰れている柔らかそうなお胸様とを交互に見返してみても、お漏らしされた記憶は戻って来ない。


俺が記憶のブラックボックスを必死に解析しようとしていると、



「んん──……」



女性から艶かしい声が。



「!?」



と同時に目が薄く開き、



「「………………」」



俺をじ〜って見つめ始めた。



「………………」



俺も負けじと見つめ返してみるけど、



「起きた……」



女性は笑顔と一緒に寝起きで掠れた声を発し、身体を俺に寄せて来た。


とりあえず、仰向けになって、左腕を伸ばす。



「………………」



俺の腕を枕にした女性は、スベスベしていて吸い付く様に柔らかくて、冷たくも熱くもない、程よい温度な肉感。



起きて無いじゃん……?


寝直しちゃってるじゃん……?



密着された事で、左胸に感じる女性の吐息と甘い香り。


そして、



「………………」



臨界点に到達して、即時臨戦態勢に入ってしまった、俺の下半身。


毛布の一部を思いっきり下から押し上げ、味方がパスを出しやすい様に、起点となるオープンスペースを作りあげた。


そんな絶対領域と化したオープンスペースへと、



「フフ♪──  コッチも、起きたね♪──」



神の手を彷彿とさせるスルーパスが見事に決まり、オープンスペースに居る俺の魂を掌握し、



「んんんん──!?」



俺を無敵のストライカーへと覚醒させ、唯一無二で何者をも寄せ付けない、奇跡のトワイライトゾーンへと優しく誘う。


そして──



──ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオル!!



覚醒した今の俺は、何人たりとも止められないぜ!!



更に延長戦突入からの、まさかのハットトリック!!


正に!


ゴールに貪欲なハンター!!


スーパーストライカーが覚醒した瞬間!


………………


…………


……












クッソ疲れて疲労困憊なう。


なんとなくノリで来てしまった浮遊都市で、思いがけない出会いと素敵な体験。


知らない場所でいきなり捕まって、スマホを取られ、投獄させられた時はマジで泣きそうになったけど、アレもこの出会いを演出するための布石だったと思えば、なかなかピリっとスパイスが効いた、エキゾチックで大人の味。


まさに、知らない土地で繰り広げられた、スリル満点な大冒険。



俺を牢屋にブチ込んで、快く金貨をくれた髭のオッサン!


あなたに心から感謝の意を送ります!!



心の中でオッサンに軽く感謝しながらベッドから起きて、女性と一緒にシャワーを浴びる。



そして、追加でもう1点程お風呂場でゴールを決め、



「モミジ♪  何処に行きたい?」


「とりあえず、この都市を見て周りたいかな?」



この後の事を考える。


スマホを見れば、あっという間にお昼時になっていて、朝から、大分と言うか、かなりの愛を2人で紡ぎあっていたご様子。



ってか、最高でした。


ごちそうさまでした。


ホント、ありがとうございました。




起きて服を着て落ち着いて、ちゃんとお話をしたところ、この女性の名前はアンナで、歳も俺と同じ。


肩ほどで切り揃えられた灰色の髪。


そして、毛先だけが緑や青とかカラフルに染まっている。


身体の線が細くて薄くて小尻なのに、お胸様はなかなかの破壊力。


手首が細くて、二の腕と腕も細く、足も細くて、太ももとふくらはぎが一緒くらいの太さ。


輝く新雪の様に色白で華奢だけど、ほんのり赤みがかった健康的な細さ。


地上だと、完全にアイドルで食っていけるレベルの可愛い系。



いやマジで。


俺にどんな奇跡が起きたワケ!?


俺は今日、死んでしまうのでしょうか!?


ってか、不老不死なんですけど!?



そんな、可愛すぎるアンナに謝りながら、何故こうなったのかを聞いてみたところ、俺が如何わしい飲み屋に行った後に、道で仕事帰りのアンナをナンパして、ソレから一緒に飲みに行ったらしい。



全く覚えてねぇ……



ってか、モブで陰キャな俺が道で女性をナンパしたとか、マジで想像できない。



ってか、どうやったし!?


あの時の俺、何を喋ったし!?


お酒のチカラ、怖っ!?



呑んでる内に意気投合し、更に酔いが回り、2人ともムッシュムラムラな感じになって、それから、ヤー!ってなって、どうぞどうぞで今朝に至ったらしい。



ヤー!ってやっちゃったの俺!?


マジで何も覚えてねぇんでございますけどぉぉぉおおお!?



ちなみに、今居る所はアンナの部屋。


所謂、アパート的な場所。


アンナは此処に住んで、この浮遊都市で探索者って仕事をしているんだと。



探索者ってなんぞ?


私立探偵的なアレかな?



ってか、俺と同じ歳で既に働いているとか、軽く尊敬。


脳裏に悠々自適で自堕落に生きている、馬鹿と豚の顔がチラついたから、勢いよく唾を吐いて脳裏から追い出しておく。


出かける準備が整ったから、部屋から出て、恋人繋ぎで手を繋ぎながら街を散策。


先ずは近くのカフェみたいなところで腹ごしらえ。


注文はアンナにお任せしたんだけど、地上の洋食的なモノだったから、抵抗なく美味しく頂けた。


食後にコーヒー的な独特な飲み物を飲んでいると、



「………………」



テーブルの上からアンナが俺の左手を取って触ってきた。


周りの視線を無視しまくるボディータッチ。


正にリア充。


かなりのイチャラブ具合。


糖度高すぎ。


ってかもう、誰かの羨ましがる呪詛によって爆死させられたとしても、今なら笑顔で死ねる。



ジュークボックスで殺伐としている地上での生活を捨てて、俺は此処で愛に生きるんだ!



マジで、このまま暫し地上とオサラバしても全然おk。


しかし、



「へ〜。  モミジって、覚醒4持ちなんだ〜?  凄いね〜♪」



流れがキナ臭い方向へ。



「え?」



覚醒?


4?


持ち?



「なんぞソレ?」


「この掌の黒い線だよ♪」


「え?  この落書きみたいな線って、何か意味があるの?」


「あ〜。  そう言えば、モミジは地上人だったね♪」



アンナが俺の手をサワサワモミモミしながら、



「うん。  コレはね──」



俺の掌にある線の事について教えてくれた。

  


お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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