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コレが今回、俺が考えた異能のイメージ

ジュークボックス開催中は敵?とは言え、俺の最後の希望だった八千流木さんに電話をブッチされた。



「イタズラ電話はやめてください、ってか……」



イタズラ違うし……


一般市民の、一般市民による、一般市民の為の通報だし……



警察がダメだったらからって言って、雫達に連絡するのは、泣き寝入って助けを求めてるみたいでムカつくし、さっきの今で電話し辛いってのもある。


しかし、階下で派手にドッカンドッカンしているピコ太郎達は、真剣に俺を探す気がないのか、物凄い笑顔で被害を拡大中。


コレは、普通のお巡りさんに連絡したところで、被害が増えそうだからやめておこう。


こうなったら、1人で此処から逃げるしかない。


でも俺の異能では、桜田みたいにお空は飛べないし、強行突破出来る程の身体能力もない。


ソレに、ピコ太郎達の仲間は、俺の理力を感じ取れるらしいから、何処ぞに逃げたところで、この酷い光景が拡大するだけだろうなぁ。


と、俺のゴーストが囁いている。


逃げたいけど逃げられなくて、ましてや、1人で多数と戦うのも嫌だ。


まぁ、取り敢えず、あの暴れまくっているピコ太郎達はなんとかしよう。


って事で、左手の口からライフルタイプの銃を発現させる。


高所から、狙撃で、ヒャッハーせずに落ち着いて、歴戦の玄人っぽく渋くヘッドショットで、仕留めてしんぜよう。


映画やアニメとかに見た様に、五体投地みたいにうつ伏せになって銃を構える。



「………………」



うん。


角度が下すぎて、うつ伏せになったら撃てなんだ……



しかも、コンクリートの粉とかで、身体の全前面が思いっきり白く汚れ、



やるんじゃなかった……



クッソ後悔しまくっているなう。


って事で、片膝立ちで身を屈め、



「俺を不快にさせた罰だ!!」



ピコ太郎達に向かって、文字通り雨の様に連射して銃弾を浴びせてやる。



え?


ヘッドショットはどうしたのかって?


んなん、裸眼でピンポイントに照準とか合わせられる訳がない!


え?


ヒャッハーしないのではって?


俺はヒャッハーはしていない!


今の気持ちは、ジョウロで朝顔に水をあげる時の気分ですが何か?



俺の、無心且つ、無我の境地から繰り出された、明鏡止水すぎる、頭上からの一斉掃射によって、



「………………」



ピコ太郎達は何の抵抗もできずに、アババアババ言いながらピチュンされた。


んでもって、2回ほど明滅しながら淡く俺の身体が光ったから、これ以上、この工事現場に被害は出ないだろう。



「ふぅ……」



思わず一安心して息が漏れちゃったのはご愛嬌。


でも、



「やっぱ、居ますよねぇ……」



工事現場の入り口に見える複数人の人影。


上に居る俺を警戒しながら、メチャクチャ出待ちしてやがってますですよ。


眷属は5人だから、あの中の3人は能力者で間違いない。


多分……


ぶっちゃけ、身を隠しているフェンス?壁?ごと銃で全員ブチ抜いてやっても良いけど、これ以上の戦いは望まない。


何でって?


相手の異能も全くの未知だし、遠くからでは目視し辛いから、取り逃した場合が怖いのよ。


まぁ、ここまでやられたからにはノーマーシーで返り討ちにしてやる心の準備はできているから、あとは相手の出方次第かな?


でも、俺は此処で籠城する気も、相手の動きを待つ気も全くない。


って事で、



「まぁ、俺のイメージ通りなら行けんだろ?」



チラ見していた階下から視線を外して、



「心臓は捧げないけど──」



お空に浮いているお城に向かって銃を構え、



「ゴ〜!!  ファイヤぁー!!」



相変わらずスカスカで軽すぎまくるトリガーに思いを込める。



ライフル銃から繰り出された漆黒の弾。


しかし、発射された弾には、銃口から黒い線が繋がって伸びている。


コレが今回、俺が考えた異能のイメージ。


俺の異能は、動かしたり操ったりは出来ないけど、俺の手と黒い魔力が接していれば、魔力の増減が可能って事を、この前の駅前の戦いで分かった。


って事で、ワイヤー銃の要領で、銃弾を伸ばして飛ばしたのである。


そんな弾が、お空にあるお城に向かって黒線を引きながら伸びて行く。


グングングングン伸びて行く。


そんでもって、俺が撃った弾が無事に着弾したのか、お城の壁から煙?が上がった。



良し。


大成功!



もう一丁銃を発現させて、続けて同じ様に弾を着弾させる。



はい。


コレも成功しましたよっと。



有線で伝えた俺のイメージ通りだと、着弾した弾は、アンカーになって固定されているはず。


引っ張ってみても黒い線が外れる気配がないから、



「それじゃぁ──」



ライフル2丁をベルトの様に腰に固定して、



「──此処からお暇させていただきますよっと」



伸びた魔力を手繰り寄せる様にして、ゆっくりと減少させていく。



「ウハっ!!  俺ってマジで天才!!」



俺の眼下で盛大に慌てふためく、俺を出待ちしていた哀れな人達。


ってか、結構な数が出待ちしていて、マジで逃げるを選んで良かったわ。


ソレに、俺はフワフワ感が大の苦手なんだけど、俺が発現させたワイヤーは、普通のワイヤーと違ってしなる事も曲がる事もない。


クッソガッチガチにした、クッソ長くてクッソ硬い、細い槍と同じアレ。


要は、UFOキャッチャーのアームが横になったのと同じ感じ。


1本だと不安だったから2本にしてみたんだけど、思いの外安定しまくり。


結構な距離を結構な速度で進んで行き、みるみるお空のお城に近づいて行き、



「マジ、かよ……」



徐々にデカすぎる壁が目の前に。


ノリで壁に到達したのは良いけど、気分はまるで、ビルの窓の清掃員。


壁に取り付きながらほぼ垂直に首を曲げて壁を見上げ、



「デカすぎじゃろ……」



あまりの大きさにビックリ仰天。


逆に横に顔を向けて見れば、眼下に広がる東京の街並み。



ってかこの城、皇居の真上にあんのな。


そりゃぁ、八千流木さんも大忙しな訳だわ。



取り敢えず、ベルト状に腰に巻いてある魔力の塊から新たな線を左右に2本発現させて、カクカクと増減させながら壁に刺す。


壁に魔力の線を刺して固定させたら、元々刺していた魔力をリサイクルして新しい2本の線を発現させる。


コレを繰り返して壁を登って行き、



「ウハっ!!  中までファンタジーじゃねぇかっ!!」



壁の内側の景色に大興奮。



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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