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俺は俺を手に入れるのだ!!

一夜空けて次の日の昼。



「あ~……  クッソ眠ぃ……」



眠すぎて身体がスッキリしないのに、頭はガンガンに覚醒していて気持ちが悪すぎる。


遠足当日の朝と同じ感じなアレ。






昨日は取り敢えず解散。


残基がある雫のヤローが、



「どうせ生き返るんだから、今日は解散だな」



突然の解散を宣言。


突然の解散宣言レベルがアイドル級。



「ちょぉっ──!?  俺、生き返れねぇんでやがりますけどぉぉぉおおお!?」


「ウルセーモヤシ。  オマエのせいで興が冷めたし疲れて眠ぃ」


「俺のせいって、俺が何したしぃぃぃいいい!?  こんなんじゃおちおち寝てらんねぇよ!!」


「じゃぁ、寝ないで起きてろ。  ハイハイ。  解散カイサン。  あー疲れたツカレタ」


「のぉぉぉおおお!!  うぇいと、ぷりーぃぃぃずぅぅぅううう!!」


………………


…………


……









お空のアレが、いつ落ちて来るのか気が気じゃなくて、全くもって寝た気がしない。


一夜明けて目が覚めても、お空のアレはチチンプイしてはくれてなかった。


そんでもって、テレビもネットも、お空のアレでてんやわんや。


公園とか街中で集まって、バル○言いまくっている奴らと、その集合を解散させる警察が戦っている姿が、電波に乗って全世界へと放送中なう。


SNSを開けばバ○スばかり。


気持ちは分かるけど、こんなんもう、世界規模のテロぞ……


お空も地上もテロ塗れぞ……







ソレよりも、今日は俺の不老不死化計画の実行日。


しかも何故か、



「益に群がる害虫共めが……」



雫ん家の庭でサバトなう。


公開人体実験とも言ったり言わなかったり。


昨夜は適当に俺をあしらったくせに、何故に俺をそっとしてあげぬのだ。


何故に雫ん家に集合せねばならんのだ。



「オマエらに公開する理由よ」


「いや、理由も何も……  流石に心配でござるよ」


「そうだよ紅葉。  みんな、紅葉の事を心配してるんだよ」


「………………」



って言う、優しい桜田とクリリンを他所に、



「そうだぜ。  オマエの人体実験が成功すれば、私達も不老不死になれる。  マジでWin-Winじゃねぇか」


「………………」


「ですです。  残基1は私も同じなので」



馬鹿は完全にWin-Winの使い方を間違えてるし、ウP主に至っては、欲望ダダ漏れで便乗しまくろうとしている始末。


いくら自分から望んだ事とは言え、全くもって腑に落ちない。



「旦那様。  本当に良いのだな?」


「良いも悪いも、俺一人だけ世界にハブられてるってのは流石に泣ける。  死ぬまでずっと、毎晩枕を濡らし続けるのは嫌だ」


「いや……  枕を濡らす以前に、不老不死になったら、世界の理からもハブられるでござるよ……?」


「さぁ、玉藻よ。  我に永遠の命と若さを!!」


「無視でござるか!?」



ブーブー煩い豚は全無視して、玉藻に向かってソレっぽく両手を広げてみる。



うん。


一生に1度は言ってみたい言葉の1つをリアルで言えて、かなり満足!


ってか、なんか、テンション上がってきたぞぉぉぉおおお!!


俺は今から不老不死を手に入れるのだっ!!


俺は俺を手に入れるのだっ!!



「ではゆくが……  本当に良いのか?」


「バッチこい!!」



テンション爆上がりで、目の瞳孔がギンギンに開きまくっている俺に向かって、



「まぁ……  旦那様が不老不死になろうとも──」



玉藻が俺に右手を伸ばし、



「妾は何処までも──」



俺の頬に手を添えて、



「──何時までも、旦那様に着いて行く」


「──ング!?」



何故か思いっきしベロチューされた……



「え?  何でござるかコレ……?」


「僕たち、いきなりナニ見せられてるのコレ……?  不老不死は?」



ベロチューされてる俺を見て、ドン引きしまくっている豚とクリリン。


俺もドン引きどころか、



なんで人前でベロチューされてるし!?


どんな公開処刑ですかねコレ!?



恥ずかしくて死ねる。



逆に、



「ウルセーゾンビ!!  黙って見てろ!!」


「そうですよ!!  愛が奇跡を起こす瞬間ですよ!!」



腐女子共は胸キュンでイキイキしまくってる。


コイツら、マジで脳みそ腐ってやがる。



つーか、口に入れられたベロ同士が先から奥に向かって複雑に絡まれまくって、



「──んん!」




──のどちんこを触られてくすぐったくて、



「──ん”ん”?」


え?


ベロってこんなトコまで届くの?




──喉の奥にグイグイ入っていって、



「──ん”お”ぉぉ”!?」


ってオイ待て!?


ベロ入ってるって!?


喉にベロが入ってるって!?


ってか、ベロなのコレ!?


なんか、違う感じのが入って来てるからぁぁぁあああ!!




──ベロが俺の身体の内側を蠢き、這いずり回り、侵食し始めて、



「──オ”ゴォォォ”!!  オ”ゴゴゴゴゴ──!!」


無理ムリムリムリぃぃぃいいい!?


ぎもぢわるいぃぃぃぃいいいい!!!


身体の中にナニカ居るぅぅぅううう!!!




──激しく痙攣しまくる俺の身体。



「ブヒィィィ──!?  紅葉氏が痙攣して白目剥いてるでござるよぉぉぉおおお!?」


「ちょっ──!?  紅葉ぃぃぃいいい!?  本当に大丈夫なのコレっ!?」


「強烈な愛だな」


「愛ですね」


「お腹がボコボコしてる愛ってどんな愛でござるか!?  ホラー過ぎるでござるよ!?」


「手足も陸に上がった魚みたいにビチビチしてるよ!?  本当に大丈夫なのコレ!?」  



みんなの声が聞こえ、意識はちゃんとしっかりしているのに、感覚の全ベクトルが体内に向かっていて、何故か自分の臓器や細胞の動きがまる分かりすぐる。


鳥肌が立った時のあの感覚が身体の内側に広がっていて、まるで、身体の外側と内側が逆になった様な、気持ち悪い感覚。


例えるなら、オセロが白から黒へ、黒から白へと目まぐるしく変わる様な、身体が、細胞が、別のナニかに作り変えられている感覚に埋め尽くされた。


痛くはないけど、不快感MAXで気持ち悪すぎる。



ぶっちゃけ、






やるんじゃなかった……







お父さん、お母さん。


ベロチューって怖いですね。


口の中の雑菌がアレコレとかはどうでも良くて、俺はもう、2度とベロチューはしないと思います……


本日を持って、俺はベロチューがトラウマになりました……


ってことで、未だ見ぬ未来の俺のお嫁さんへ。


俺、ベロチューできなくてごめんなさい。


いつか、このトラウマを克服してみせるんで、その時は……




ってか、意識が……





あ……



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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