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何故か俺だけ人生ハードモードな件!

上空にあった赤い魔法陣?から、いきなり、クッソデカい城?が現れて、



「なんだよ、アレ……?」


「空を、浮かぶ、城……?」


「デカすぎで、ござる……」



マジで意味が分からなさすぎて思考が追いつかない俺達を他所に、



「コレは、一体……」


「何が起こっておる……?」



地上を染めあげていた赤い光が上空からすっかり消え失せて、ビルとか建物とか街灯が照らす、薄暗い、いつもの夜に戻ったなう。



しかも、いつの間にか、



「車?」



俺達の前を車が通過し、



「人が……  戻った?」



ザワザワってな感じで街に喧騒が戻ってきて、



「一体、何処から……?」



まるで、何処かから滲み出てくるかの様に、静寂から喧騒が突然現れた。


マジで狐につままれた感じで、神隠しされた少女が迷い込んだ街が昼から夜に変わった時みたいなアレな感じ。



いや、もう、マジで訳が分からん……



しかも、未だに俺がそこら中にバラ撒き散らしている魔力はそのままだけど、



「は?  建物とか、道路が……」


「元にもどっている、でござる……」



戦闘でボロボロになっていた筈の建物とか道路とかが、綺麗サッパリ元に戻っていた。



そして、




『きゃぁぁぁああああ──!!』




誰かの悲鳴を皮切りに、



「流石にあんなん誰でも気づくわな……」



夜空に浮かぶ、超巨大物体にザワつく人々。


そんで、写メ撮られまくりの、フラッシュたかれまくり。


って事でとりあえず、



「………………」



俺も右に倣えで写メっとく。



「なんでオマエも写メってんだよ?  バカか?」


「………………」



ってか、雫にバカを見る目で見られた。



いや、だって、撮るっしょ?こんなん?


ファンタジー全開なのよ?


お空にお城さんがお浮いてやがりまするのよ?



「ってか私達、どうすんだよこの後?」


「街に人も帰って来た?し、このまま解散で良いんじゃね?」


「解散って……  オマエなぁ……」


「俺があの城の持ち主なら、落とすなら初手でさっさと落としてるし。  ソレを今、落とさないってんなら、当分は落ちて来ないと思うぞ?」


「なんでだよ?」


「もし俺なら、このままチカラの掲示的にアレを晒しておくし、落とす落とす詐欺で何かしらの大きな交渉材料に使うかな。  多分?」


「そんなん、マジでたまったもんじゃねぇな……」



俺の豊かな想像を聞きながら、下衆いヤツを見る目で俺を見る雫。



ってか、なんで俺がそんな目で見られてるし??


アレやったの俺じゃねぇんでやがりますですけど??


俺が犯人みたいな目で見ないでもらえますかねぇ?



「紅葉氏……  アレ、本当に落ちて来ないのでござるか?」


「だ〜か〜らぁ〜!!  んなん俺が知るか!  ってか、なんで俺に聞いてんだよ!?  逆に俺がオマエに聞きてぇわ!!」



豚までもが、俺がアレの事を知ってる体で話して来やがった。



こちとら1ミリも知らんしっ!!


ってか、俺がやったみたいに言うなしっ!!



「まぁ、最悪。  もし、アレが今直ぐ落ちて来て死んだとしても、俺達は、ジュークボックスで生き返るんだ。  だったら、そこまで心配する事じゃねぇだろ?」



と、心優しい俺は、俺たちの特権を教えてあげる。



「そ、そうでござるが……」


「それで僕たちは良いけど、他の人達はどうするのさ?」



なぜか、豚とクリリンが縋る様に俺を見てきたけど、



「そんな、知らない他人の事とか俺にどうしろと?  俺には見ず知らずの他人を助ける責任も義務も義理もねぇ」



そんなんマジで無理だし、他人の事とか微塵も知らん。



「た、確かにそうでござるけど……」


「誠に残念な事に、俺には慈善の心も承認欲求も英雄願望も皆無。  誰にどう思われてどう見られようが、俺は俺だし、批判も不評も気にもとめんわ」



後ろ指さされようが、中指立てられようが、俺は痛くも痒くもねぇんでございますわ!



「鋼のメンタルでござるね……」


「紅葉って、そう言うとこ凄いよね……」



生粋のモブをナメんなよ!!


誰に何を言われても、心を乱す様な、俺じゃぁあ、ないっ!!


そんなんで万年ボッチがやっていけるか!!



「え、え~っと……  それについてなんですけど……  千羽クンは、残基1、ですよ……?」


「………………。  ってことは……」


「はい……  結果だけ言えば、千羽クンと私だけピチュんです……」


「………………」



クッソ忘れてたわっ……


バグったせいで、残機のおかわり無しだったわっ……



「よし。  桜田。  俺に不老不死の魔法をかけろ」


「え?」



ウP主の有り難いリマインドのお陰で、残基1って事を思い出した。



「このままじゃ、俺が死ねる!  今直ぐ俺を不死身の身体にするのだ!!  さぁ、はよ!!」


「そ、そんな常識はずれな魔法なんて、無いでござるよ!?」


「んな訳ない!!  魔法の可能性は無限大だっ!!  なんなら、オマエの残基を俺に分け与えろ!!」


「無茶苦茶でござるよ!?  ってか、残基ってなんでござるか!?」



クソ!


何故か俺だけ人生ハードモードな件!



「じゃぁ、玉藻様。  俺の細胞を不老不死へと改造しておくれでございますです」


「うむ。  あい分かった。  妾としては願ったりよ」


「イヤイヤイヤイヤ!?  ダメでしょ!?  良いのソレで!?」


「黙れ!  ゾンビ勇者!!  オマエに残基1の何が分かる!!  オマエに俺が救えるのか!」


「いや、えーっと……  救えないです……」


「って事で、玉藻様──」  



俺は自分の魂の欲望に従って、



「──お願いします」



深々と頭を下げた。



「うむ。  旦那様。  こちらこそ、末永く宜しくお願い申し仕る」



お読みいただきありがとうございます。


モチベになりますので、☆やブクマを頂けましたら幸いです。

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