ラク(キャラ紹介、バリバリにネタバレ含みます)
プロフィール
名前:ラク・ジオン
コードネーム:『空の瞳』
年齢:21歳
身長:188cm
体重:91kg(体脂肪率5%以下)
髪:青い短髪
瞳:赤いツリ目
『性格』
どこまでも完璧主義
自分の心を壊すほどに優しく、仲間を助けるためならなんでもする
『好きなもの』
仲間・親友・勉学・音楽・芸術・子供・本・仲間を思い出す時間・コーヒー(ミルク多め・砂糖抜き)
『嫌いなもの』
不完全な自分
『悪魔』
貴族の家系に生まれた彼は、すべてに置いて天才だった
格闘、戦闘、勉学、射撃、彼は誰にも負けたことは無く、誰もが彼に負けた
完璧、絶対、天才
それらの言葉はすべて彼のものであり、彼自身も自分の才能を自覚できないほどバカではなかった
そして彼が15歳のころ、軍へと入隊した
その理由は単純なものである……彼にとって、平凡は毒であったから
『二人目の悪魔』
入隊初日、彼を知らないものはいなかった
すべての訓練で歴代トップの座を奪い、すべての者に一目置かれた
それをよく思わない人間もいたが、彼の話術があれば2日足らずで友人となっていた
そして入隊から一週間たった頃、彼は任務で見捨てられた街へ向かった
そこでただ……死を感じた
それは10歳の子供だった
背は低く、目を離せばすぐに死んでしまいそうなか弱い存在
それが自分の首に刃を突きつけたのだ
彼はその子供を敬意を持って殴りたおし、ただこう言った
『お前、軍に来い。お前との日々は楽しそうだ 』
子供は自らのことを『ロキ』と名乗った
『親友』
ロキの入隊が正式に許可された日、彼たちは殴りあった
ロキは彼を殺そうと、彼はロキを殺そうとした
けれど決着はつかず、血まみれの彼は高笑いをした
天才を前になんども向かってくる子供が、あまりにも無謀で面白かったから
『なぁお前、身寄りがねぇんだよな? 』
『あっ? 黙れよクソ野郎 』
『じゃあ俺が家族になってやるよ。俺はアニキでお前は弟だ 』
『それは嫌だ。家族は僕を……置いてくから 』
『……じゃあ俺たちは親友だな。これからよろしく頼むぜ、ロキ 』
『……………………うん、ラク 』
血まみれの二人は握手をかわし、親友となった
『居なくなった者たち』
戦場に投入された時ですら、彼は完璧だった
彼がいる戦場では死者や負傷者すら出ず、最強の兵士として彼はどの戦場にでも向かった
戦場ですら彼にとっては流れ作業だった
けれど同期たちと会えば、どうしようもない憤りを感じた
彼は無傷で生還するのに、周りは失っている
ある者は腕を、ある者は足を、ある者は友人を、ある者は遺品だけが帰ってきた
そして彼が最前線の隊長を任された頃、同期は半数になっていた
『完璧の穴』
隊長である彼もまた完璧だった
綿密な計画を立て、部下すべての情報を頭に入れ、相手の戦力差を把握し、完璧な作戦を実行に移した
敵はすべて無力化、味方においては死者はおろか負傷者すら出なかった
どこまでも完璧だった彼の作戦
けれど一つだけ誤算があった
敵は爆弾をかかえて味方を逃がすために特攻した
そして一人の死者を出したのだ
軍の上層部もこの戦果に目を丸くし、隊長である彼を褒めたたえた
『あれだけの戦いで犠牲者をたった一人に抑えるとは。素晴らしい!!』……と
けれど完璧である彼の心を折るには、たったそれだけの犠牲で十分だった
『壊れた完璧』
彼は自分が優れていると自覚していた
自分の力があれば、人をより多く救えると分かっていた
なのに犠牲を出した
見殺しにした
だからこそ、彼は自らの左眼をくり抜き、赤い義眼を手に入れた
誰も見殺しにしない
そう心に誓って
けれど彼はまた犠牲を出した
仲間の誤射によって部下が死んだのだ
天才は独りになりたかった
もう誰もそばで死んで欲しくないと嘆いた
けれど同期たちの日々や親友との時間を思い出せば、独りは嫌だと泣いた
そして彼は心に決めた
邪魔するものはすべて殺す
味方を守るために
もう誰も……見殺しにしないために
彼はスナイパーでありながら前線に立ち、敵を殺し尽くす姿はまるで悪魔だった
それを見た部下たちは恐れと敬愛を抱き、そしてこう思った
『あの隣に立ち、彼の重みを少しでも背負いたい』と
『親友』
不眠で作戦を考えていた夜、戸が叩かれた
外には撃ち殺された同期の死体があり、親友であるロキがそれを大事そうに抱いていた
何が起こったか聞く暇もなく、ロキはどこかに消えた
そして死体を丁重に弔ったあと、緊急の伝令が入った
ロキを殺せと
ライフルをもって彼はロキを追い、国境沿いの最前線でその姿を捉えた
雨のせいか、ロキの瞳からは雫が流れていた
その目を見た瞬間、彼はロキを楽にさせようとした
それは自らと同じ、壊れた目だったから
けれど何処からか撃たれたライフル弾がその腹を貫き、雨のせいで逃げるロキを見失った
程なくして連絡が入った
ロキは死んだと
それにほっとしながら、彼は親友の死を喉が裂けるほどさけんだ
それは雨が止む夜明けまでつづいた
『戦争のその後』
身寄りがないもの、居場所を見つけられなかったもの、戦争でしか生きられないもの
そんな部下たちを集めた部隊を作り、世界中の紛争地帯を旅している
彼が目指すのは世界平和でもない
ただ部下が死ぬまで……そいつらの居場所を作っておきたいだけだった
勝手についてくるまゆに少し困惑しているが、嫌な気はしていない
むしろ心強いとも思っている
彼がくだす命令は二つだけである
『死ぬな、そして隣を見ろ。お前らは一人じゃない 』
【装備】
『星射抜き』
2mをゆうにこえる、赤で塗りたくられた巨大なライフル
『空の瞳』の専用武器
銃身と弾丸には『星屑の国』の特別な鉄が使われており、それに触れたものは一瞬だけ磁気をおびる
それの強さ、タイミングを調整し、物理法則無視の曲がる弾丸を可能にしている
曲がる弾丸など誰も使えない不用品であるが、不完全な天才にとってはどこからでも仲間を助けられる、魅力的なものだった
『モード・死の星』
ライフルが変形し、剣となったもの
内部に仕込まれたもう一つの特別な鉄が燃え、それにスクリュー状の磁力が帯びることによって、超高温の炎となる
炎の温度は7500℃にまで達し、刃は紫色に見える
磁力の流れによって外に温度が伝わることはないが、渦巻く炎の威力は計り知れない
『義欠の体』
左目専用の赤い義眼
研究者の間では『空の超越者』と呼ばれている
装備すると鉱石の特別な光があふれ、それがプリズムの屈折を経由し、空から見下ろしているような光景が脳内に伝わる
けれど常人がつかえば、その情報量ゆえに脳への負担が尋常ではない
だが天才の脳は、その苦痛を気にも止めなかった
彼はこの目でいつも見通していた
戦争が終わり、皆が生きて帰り、また同期と笑って過ごせる日々がやってくることを
【軍での成績】
99期部隊・訓練兵68人
義欠の体なし
格闘技術:1位
射撃技術:1位
狙撃技術:1位
隠密技術:1位
武器分解、組み立て:1位
総合運動性能:1位
座学テスト:1位
義欠の体あり
格闘技術:1位
射撃技術:1位
狙撃技術:1位
隠密技術:1位
総合運動性能:1位
【余談】
彼の一番苦手な分野は狙撃である
【人間関係】
『部下たち』
絶対死なせねぇ、アイツらを守れるならなんでもする。同期たちと同じ道を……歩んで欲しくない
『まゆ』
なんで着いてくるかよく分からない。でも一緒にいると心強い。同期を思い出してたまに泣きたくなる
『ロキ』
親友、生き残ってくれて嬉しい。いつかまた……機会が巡ればでいいから……一緒に話したい
『リューべ』
任務とはいえ拉致した。死ぬ以外のことなら何をしてでも謝罪したい。そして感謝している、たった一人の同期の居場所になってくれて
『同期』
家族……守りたかった。もう一度会いたい




