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嫌な予感

主人公目線に戻ります

お義母様とマリアンヌ様といつものようにお茶会をしている最中、突然魔法の気配がし、傷だらけの女性が現れました。


その方はどうやらマリアンヌ様の『影』だったようで、瀕死の状態ながらも、私たちにリリアン様のことを伝えて、そして息絶えました。


マリアンヌ様から、『影』からは定期的に情報が入っているとのことで、情報が入るたびにお茶会を開いて共有していたのですが、『影』の最期の情報は、リリアン様がまた何かを企んでおり、『影』に気配を悟られないよう近づく事や、『影』を幻惑魔法で欺くことができるくらい力を増しているということ。

そして、やはり記憶喪失ではないこと。

ルカ王子とヨハン王子は既にリリアンに夢中になっているという、喜ばしくない情報でした。


現在はメリッサという名前で男爵家の養女になっていたはずですが、領民達からの信頼も篤く、勉学にも真面目に取り組んでいるという情報は以前に伺っています。


爵位は低いとはいえ、もしかすると、ルカ王子かヨハン王子と結婚するということも考えられます。

もしそうなったら、私達も結婚パーティーに出席しなければなりません。

それに、メリッサの正体がリリアンだということは掴んでいても、そんな曖昧な理由で入国を拒否することもできません。

ただ、悪意を抱いているならば、私の国土防御結界で弾かれるので、大丈夫だとは思いますが……

カルーア王家に入ることになったら、少し厄介ですわね。



私たちは『影』をひっそりと埋葬してもらい、ノア様を呼びました。



「血の臭いがするが……何かあったのかい?」


「実は………」



私たちはマリアンヌ様の『影』が命と引き換えに得た情報を、ノア様にも伝えました。



「カルーア王家に入り込んだら、厄介だな。仮にもカルーアは隣国だし、万が一王太子妃にでもなられたら、今後の付き合いは難しくなる。かと言って、その情報をカルーアに伝えても信じてはもらえないだろうし。問題は、何を企んでいるか、だな」



そうです。

それがわからないからこそ、怖いのです。



「私の『影』を動かそう。何か掴めるかもしれない」


「ですが、ノア様の『影』はノア様のお命をお守りするのが1番のお役目ですのに」


「長い目で見れば、私やジュリアの命を守ることにもなる」


「陛下。私の『影』も非常に優秀でしたが、リリアン様に気付かれ、命を奪われています。ノア様の『影』になにかあったら……」


「心配してくれてありがとう、マリアンヌ嬢。だが、あまりのんびりしている暇もないだろう?せめて、交友関係やカルーアの王子達との関係だけでも探らせるよ。

何か分かり次第、すぐに報告するから」



ノア様はしっかり背筋を伸ばして、部屋を出ていきました。


……………………………………………………………………………………



それから数日後、あまり聞きたくなかった情報が、ノア様の『影』から伝えられました。

メリッサ嬢が、ヨハン王子と婚約したと。

双子とはいえ、王位継承権をもっているのはルカ様です。

とりあえず、王太子妃にならなかったことだけでも良しとしなければいけないのかもしれません。


それから更に数日後、次の報告が入りました。


メリッサ嬢は問題なく花嫁教育を進めているということ。

そしてもう1つ。

ジン共和国に手紙を出し、リリアナ様を呼び、お茶会を何度か開いているということ。


ジン共和国からカルーアまでは、トリスを経由しなくても行けるので、まったく気付きませんでした。


それに確か、ジン共和国は首相が替わり、リリアナ様は一貴族に戻られたはず。

リリアナ様と仲良くなっても、メリッサ様にはこれと言って利点がないと思うのですが。

それにどうやって、リリアナ様のことを知ったのでしょう。

リリアナ様が簡単にメリッサ様の誘いに応じたことも気になります。



「何か、嫌な予感しかしませんわね」


「何かを企んでいるのは確かなのですから、その計画にリリアナ様も巻き込むつもりなのかもしれませんね」


「ノア。もうこれ以上は危ないわ。『影』を戻しなさい。

メリッサ嬢の計画にリリアナ嬢が噛んでいることがわかっただけでも、とりあえずの対策は練れます」


「分かりました。すぐに紙鷹で戻るように指示を出します」



ノア様を狙っていたお二人。

普通なら、どちらがノア様を手に入れるかで揉めて、手を組まないと思うのですが、メリッサ様がよほどいい条件を提示したのかもしれません。


そんなことを考えていたら、ヨハン王子から手紙が届きました。

私とお茶会をしたおかげで、素敵な女性に巡り会えた、と。

結婚記念パーティーには是非出席してほしいとも。


私はヨハン王子に、メリッサ様の様子を教えてもらおうかとペンを取りましたが、結局やめました。

ヨハン王子には今、恋愛フィルターがかかっているでしょうし、「表向き」のメリッサ様の情報を得てもなんの意味もないと気付いたからです。


そうすると、今度はリリアナ様のお父様である、キホーテ公爵から手紙が届きました。

リリアナ様の縁談が決まりそうだ、と。

お相手は、ロングアイランドのヘンリー陛下。

まだ、婚約も本決まりではないそうですが、おそらくまとまるだろう、とのことでした。

おかしいですね。ヘンリー陛下はお見合いパーティーで素敵な方に巡り会えて婚約すると聞いていましたが。

何らかの方法で仲を引き裂いたのでしょうか。

それとも、ご存じないのでしょうか。


仮に、カルーア王家でメリッサ様がそれなりに発言権を持ち、ロングアイランドのヘンリー陛下にリリアナ様が嫁いだら。


メリッサ様とリリアナ様が協力している以上、開戦になればトリスは挟み撃ちにされます。

カルーアとは同盟を結んでいますし、ロングアイランドには貸し3つあるので、そうそう簡単には物事はうまく運ばないとは思いますが。


とりあえずノア様に相談すると、私の考えもあり得なくはない、と仰って、紙鷹でヘンリー陛下に、リリアナ様とは出来れば結婚しないでほしい、と書いた手紙を送りました。


ヘンリー陛下は、馬鹿な方ではありません。

この手紙で、きっとリリアナ様と結婚することで何か良くないことが起こるのかもしれないと、察してくださるでしょう。


翌日にはヘンリー陛下から紙鷹が届き、縁談は来ているが婚約者もいるし断ると書いてありました。

とりあえず、一つの懸念事項は消せました。


でも、まだ嫌な予感は続きます。


メリッサ様が、何か重大なことを仕掛けて来なければいいのですが………


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