表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第七章 国王の椅子と新たな命
75/164

戴冠式とパーティー

いよいよ戴冠式の日です。

この日は朝から国中落ち着きがありません。


国民の方々も王城の広場に集まってきているのですが、ザワザワしているのが部屋にいても聞こえてきます。


王城の使用人達も慌ただしく動き回っています。


本日の主役、バロン王太子は、今ご一緒にお茶をしているのですが、ずっとブツブツ言っています。

きっと、即位後の挨拶を復習しているのでしょう。

ノア様の時でも5分話し続けましたからね。

きっと、バロン王太子もそれくらいの時間がかかるのでしょう。


それをホンワカと眺める私とノア様。

エドワードはお菓子に夢中です。

この子、こんなに食いしん坊だったかしら。

甘いものは別腹なんでしょうか。

まぁでも、多少食いしん坊でも男の子だから許されるでしょう。



「バロン殿下、そろそろお時間ですのでお支度を」



従者に言われて、バロン王太子は傍目にも分かるほどビクッとしました。



「リラックスですわ、バロン殿下。マキナ様もついておられますし、堂々と戴冠式をこなせばいいのですよ」


「そうそう。多少間違えてもバレないし、いざとなったらアドリブで切り抜ければいい」



私とノア様の言葉に見送られて、バロン王太子は自室に戻りました。


私達も来賓席に向かうことにします。


ロングアイランドのヘンリー国王と、ルカ王子とヨハン王子に挨拶をして、カルーアで王城に泊めて頂いたときにお世話になったカルーア国王と王妃様、初めてお目にかかるルシアン国王と王妃さまにご挨拶を致します。

エドワードもちゃんとご挨拶できました。

お利口ですね。


ルシアン国王は、どうやら世代交代の動きを感じ取って、自分もそろそろ譲位しようかと考えていらっしゃるそうです。

でも、見た感じまだ30代だと思うのですが……早くないですか?

まぁ、他国のことなので私が口を出すことではありませんけれど。


カルーア国王は、ルカ王子かヨハン王子が結婚して子供ができたら譲位なさるおつもりだそうです。

カルーア国の場合、まずはお相手探しのお見合いパーティーからですわね。


そんな話をヒソヒソとしていましたら、王族入場のファンファーレが鳴りました。


現国王に続いて、バロン王太子が、入場されます。


王冠が、国王の頭上からバロン様の頭上へ。

ここから、バロン様の宣誓が始まります。

正直、とても長いです。

ノア様の時は宣誓はそんなに長くなかったのですが。


ようやく宣誓が終わり、バロン国王の隣にマキナ王妃が立ち、マントを着せられます。


広場に面したガラス扉を開けてバルコニーへ出ると、一斉に歓声が沸き起こりました。

片手を上げてそれを鎮めると、バロン国王から国民への挨拶の言葉が始まりました。

今度は、5分程度です。

続いてマキナ王妃の挨拶。

最後に、前国王からの挨拶があって、ようやく戴冠式は終わりました。



即位記念パーティーまでは数時間ほどありますので、親子三人で部屋でのんびりします。



「前国王、『拘束の指輪』も代替りしなければならないと、覚えてらっしゃるでしょうか」


「忘れることは流石にないだろう。めでたい席になんだが、崩御された時にわかるだろう。あれは亡くなるまで外れないからな。忘れていたらロード王子の指一本でも切り落とすか」



ノア様、冗談でも怖すぎます。

なんだか今、ノア様の新しい一面を見た気がしますわ。



「パーティーでは、エドワードのお披露目が一通り済んだら、マルコが付いていてくれるらしいから、私達は二人でダンスでもしよう。

ああ、その前にジュリアのお腹を満たさないとね」



さすがノア様。

よくわかっていらっしゃいます。


そして、パーティーが始まり、私たちはバロン国王とマキナ王妃に挨拶をすると、各国からの賓客にエドワードを王太子としてお披露目に周ります。


皆さん、エドワードの姿に相好を崩されます。

親の欲目ではないですわ。

だって、エドワードは本当に可愛いのですもの。


でも私は気づいておりました。

エドワードの視線が、チラチラと食事の並べられたテーブルにいっていることを。


そして、主だった挨拶も終わったので、私とノア様は取り敢えず料理を取りに行きます。

その後ろから、エドワードとマルコも。


全部美味しそうなので、全種類を少しずつ皿に盛って食べ始めました。



「美味しいですわ」

「美味しいですね」



私の言葉に被せるように聞こえてきたのは、もちろんエドワードの声。


ああ。

あんなにもノア様に似てほしいと思っておりましたのに、食いしん坊なところは私に似てしまったのですね。


それからも、私とエドワードは何度もおかわりをして、呆れたノア様とマルコに止められました。



「ジュリア、そろそろ私との時間も作ってくれてもいいんじゃないかい?」


「それは、ダンスのお誘いですか?」


「もちろん。もっと濃厚なのがよければ、今からでもベッドに連れて行くけど」


「ダンス!ダンスしましょう!」



ノア様にエスコートされてホールに出ると、チラリとエドワードが同い年くらいの女の子と楽しそうに話しているのを見かけました。


あら、この歳でもう恋愛ですか?

私もノア様も恋愛には奥手ですのに、一体誰に似たのでしょうか。

隔世遺伝でお義母様?



そんなことを考えながら、何曲も何曲も踊っていたら、さすがに疲れました。


大広間の隅にマリアンヌ様を見つけましたので、声をかけます。



「いかがでした?リアルのバロン様は」


「こんなところだけ、ゲームに忠実ですのね。軽薄そうな感じがありありと見え隠れしていますわ」


「まぁ、でも今は一夫一妻制ですし、マキナ王妃も付いていますから、昔ほどチャラくはないと思いますよ」


「今よりチャラかったんですの?

私、一応ゲームではチャラ男ルートも始めたんですけれど、結局肌に合わなくてやめたのよね」



マリアンヌ様。

仮にも他国の国王に向かって「チャラ男」は不敬かと……



「でも、ナード王子で目の保養が出来るからいいですわ」



やっぱり。

マリアンヌ様も目の保養だと考えているのですね。

学生時代の私と一緒です。

それに、マリアンヌ様のご主人がエリクということでもわかる通り、年上好みですしね。


それから私は、合流したノア様とエドワードと共に、早めに部屋へ戻りました。



「エドワードは寝相が悪いからね、私が一緒に寝よう」



ノア様が仰って、ノア様はエドワードと、私は一人でベッドに入り、その夜は終わりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ