表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第七章 国王の椅子と新たな命
74/164

お茶会と聖地巡礼

ミモザ国へ出発の日がやってきました。


ノア様とエドワードと共に、まずはロード王子のいる離宮へ向かいます。

ロード王子は、しっかり身なりを整えて待っていてくださいました。


でも。


出発する直前に、お手つきの侍女としっかり抱き合って別れを惜しんでいます。

いやいや。

永遠の別れでもあるまいし。

移動を含めても1ヶ月程離れるだけですよ?

それに、ロード王子。

あなたミモザに側室がいるではありませんか。

まぁ、人質としてこちらに来る時に別れたのかもしれませんが、そこまでは聞いていないのでわかりかねます。


ロード王子を私達の馬車に、マルコとロード王子の従者はもう一台の馬車に。

その後ろにマリアンヌ様の馬車。

更にその後ろには各々の荷物を積んだ馬車。

計4台の馬車、それに馬に乗った騎士団の方々での移動です。

結構な大所帯になってしまいました。


馬車にはきっちりトリス国の紋章が入っているので、道を走っていると路肩に避けた国民のみなさんが頭を下げているのが窓から見えます。


私が嫁いできた時と同様に、幾つかの宿を使いながらの移動ですが、今回は立場上カルーア国ではホテルを使うわけにもいかず、王城に泊めていただきました。


晩餐の席で、今回の戴冠式にはルカ様とヨハン様も出席されると聞きました。

まぁ、お隣の国ですしね。

ホテルに泊まっているマリアンヌ様はそのことをまだ知らないので、次の宿でお知らせしようと思います。

マリアンヌ様は王子様方を見に行くのが目的なので、きっととても喜ぶでしょう。


ちなみに、ルカ王子とヨハン王子、まだ独身です。

花嫁候補もいないそうですが、適齢期を過ぎようという年齢になっているのに、大丈夫なのでしょうか。


と、思っていたら、晩餐の席でカルーア国王から言われました。



「ジュリア王妃のお茶会に出ると、結婚が決まるとか。是非、明日にでもこの王城の中庭でお茶会を開いていただけないでしょうか」



私の噂は、隣国にまで届いていたようです。

ジン共和国でも知られていたそうなので、カルーア国に知られていても不思議はないのですが……

私にそんな力はありませんよ?


しかし、国王陛下がとても真剣に希望されているので、お茶会を開くことにしました。

せっかくなので、ホテルに泊まっているマリアンヌ様もお呼びします。


翌日、私とマリアンヌ様、それにノア様とルカ王子、ヨハン王子で早速お茶会が開かれました。



「実は、長年リリアン様をお慕いしていたのですが、ロード王子と婚約したと思ったら、騎士団のイザークとの事件があったでしょう?

あれ以来、女性が怖くなってしまって」



ルカ王子の言葉に、ヨハン王子も頷いています。

リリアン様は特殊な例だと思うのですが……



「ちなみに、どんな女性がお好みですの?」


「そうですね。優しくて頭の良い女性がいいですね」



失礼ながら、ありきたりですわね。



「お見合いパーティーは開きましたの?」


「お見合いパーティー?」



あら。

ミモザ国のバロン王子もお見合いパーティーでマキナ様と出会われたのに、そのことはご存じないのですね。



「国内外問わず独身の令嬢をパーティーにお呼びして、そこで気の合いそうな方を見つけるのですわ。バロン王子もお見合いパーティーでお相手を見つけたのですよ」


「そうだったのですか……私とルカは好みが似ているので、取り合いにならないといいのですが」


「それは……お相手の令嬢にも好みがあるでしょうし、優しくて賢明で見目もいい女性はきっと何人かはいらっしゃるのではないでしょうか」



そこまで言って、私はふと思い出しました。

そう言えば、我が国にも独身で双子の令嬢がいらっしゃったはず。

もしかしたら、他の国にもいらっしゃるかもしれませんわ。


その事をルカ王子とヨハン王子にお伝えすると、戴冠式から戻ったら早速お見合いパーティーを開催する、とおっしゃいました。


ちなみに、ここまでマリアンヌ様、無言です。

もちろん初めにご挨拶はしましたけれど、あとはお菓子を食べつつ、黙って紅茶を飲んでらっしゃいます。

こういう話題では、大抵マリアンヌ様がいい案やアドバイスをなさるのに。


とても不思議でしたので、お茶会が終わったあと帰ろうとするマリアンヌ様を呼び止めて、コソッと聞いてみました。



「マリアンヌ様。今日はあまり乗り気ではありませんでしたの?」


「いつも乗り気なわけではないですけれど。

なんと言うか……生のルカ王子とヨハン王子が思っていたほど素敵ではなくて……ちょっとがっかりしたのと、ウジウジした感じが気にいらなくて」



ルカ王子とヨハン王子もそれなりに目の保養にはなると思うのですが、どうやらマリアンヌ様は見る目が厳しいようです。



「ナード王子はゲームそのままに素敵な方でしたので、なんだか余計にがっかりしたのですわ」



ああ。

そう言えば、マリアンヌ様は元々ナード王子推しでしたものね。

ゲーム内の人気投票ランキングでもルカ王子とヨハン王子はあまり人気がなかった気が……

しかも同じ顔をしてらっしゃいますし、ルートも似たりよったりで、確かにゲームをしていてもあまり楽しくなかった記憶がございます。


それでも、まだ学生時代なら若さでカバー出来ていましたけど、このお二人、可愛い顔立ちがチャームポイントだっただけに、少し大人になった今はそれがアンバランスといえば確かにそうです。

学園卒業後もリリアン様をお慕いしていたのも、一途と言えば聞こえはいいですが、悪く言えば諦めが悪くウジウジしているともいえますね。


なるほど、と頷きます。



「ちなみにロード王子はどう思われました?」


「根暗な感じはゲーム通りでしたわ。私の好みではないですわね。こうなると、残るはバロン王子だけですけれど、なんだか今からもうあまり期待しておりませんの」



マリアンヌ様。

せっかく生の王子様方を見る為に付いていらっしゃったのに。

まぁ、ゲームの舞台のミモザをその目で見る、という目的もありますから、後はそこに期待ですわね。



「時間があればゲームの舞台の学園もご案内致しますから、楽しみにしていてくださいな」


「そうですわね」



こうしてカルーア国を旅立ち、いよいよミモザに入りました。

ミモザは小さな国ですが、王都まではそれなりに距離があり、一度ホテルに宿泊しなければいけません。


ホテルの部屋で、ノア様と二人、エドワードの王族としての挨拶やパーティーでの立ち回り方を再確認して、その夜は更けていきました。

別に、エドワードを愛でていたわけではありませんよ?

ええ。

何度もやらせたのは決して可愛くて仕方なかったからではないですよ?


そして翌日、とうとうミモザ国王都にたどり着きました。

王城には、既にミモザの隣国であるルシアン国の馬車も停まっていました。

カルーア王都よりも、ルシアン王都からの方がミモザ王都には近いので、きっと早く着いたのでしょう。


ちなみに私、ルシアン語は話せませんでしたが、今回の戴冠式や即位記念パーティーでお話する機会もあるかも、とノア様に教えていただいて、必死に覚えました。

ルシアン語は、ミモザの言葉によく似ているので、あまり大変ではなく、とても助かりました。

それにしても、ノア様はいったい何ヶ国語を扱えるのでしょうか。

本当に尊敬してしまいます。



ミモザ現国王とバロン王太子にご挨拶をして、戴冠式までの数日間のうち1日は、私の実家と、思い出の残る学園へマリアンヌ様をご案内することにしました。


両親はエドワードを見て、それはそれは嬉しそうに相好を崩し、孫フィーバーを起こしていました。



「お前の食いしん坊なところが似なくて本当に良かった」



お父様、失礼です。

でも、私もエドワードがノア様に似ているのが嬉しいのですけれどね。うふふ。

エドワードをノア様と両親に任せて、マリアンヌ様を学園にご案内すると、マリアンヌ様、感激で涙ぐんでいらっしゃいます。

まだ入り口ですよ?


警備の騎士に卒業生であることと、懐かしいので是非中を見学したい旨伝えると、授業の邪魔にならないなら、と許可をいただきました。



「トリス国の学園とはまた少し趣が違いますのね」


「そうなんですの?」


「トリスの学園は、どちらかと言えば日本の大学みたいな雰囲気なんですけれど、ミモザ国の学園は装飾も凝っていて、さすが乙女ゲーの舞台だけあっておしゃれな感じですわ」



確かに、建物はオシャレですし、制服もとても可愛かった思い出があります。


ちょうどその時授業が終わり、学生たちが教室から出てきました。



「姉さま!」



聞きなれた声。

この声は………



「マシュー、お久しぶりね。お元気でしたか?」


「はい。姉様に恥をかかせないよう、勉強も頑張っています」


「そう。マシュー、こちらは私の専属医で親友でもあるマリアンヌ・ハンバート様よ。ご挨拶なさい」


「ルクラシア侯爵家の長男、マシュー・ルクラシアと申します。お目にかかれて光栄です」


「ハンバート侯爵家の長女、マリアンヌ・ハンバートですわ。

こちらこそ、お目にかかれて光栄です」


「ユリアちゃんは?」



ユリアちゃんと言うのはマシューの幼い頃からの許婚です。



「ユリアとはこれから一緒に食事をする予定です。よろしければ姉様もどうですか?」



ユリアちゃんはとても可愛いし大好きなのでお会いしたいのはやまやまですが……



「ありがとう。でも、ごめんなさいね。そろそろ戻らなくてはならない時間なの。ユリアちゃんによろしく伝えて?」


「そう、ですか……わかりました。

今回は王太子殿下の戴冠式の為にいらしているのでしょう?

姉様は王妃様であられるから、お忙しいですよね」



シューンとしてます。

可愛いです。

抱きしめたいです。


でも、私の今の立場は宗主国の王妃。

滅多矢鱈な行動はできません。



「またあなたの結婚式の時に来ますわ。それまで、ユリアちゃんと仲良くね」


「はい。姉様もお元気で」



マシューと別れの言葉をかわして、私とマリアンヌ様は学園を後にしました。


その後、実家でエドワードとノア様と共にミモザ王城に帰りました。


とても、有意義な一日でした。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ