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乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第七章 国王の椅子と新たな命
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バタバタのタイミング

前回のお産に比べて、今回は少し楽だった気がします。

いえ、前回も安産で他の方と比べると楽なお産だったそうなのですが。


産まれたのは女の子。

ノア様によく似た男の子がいいな、と思っていましたが、女の子もとても可愛いです。



「ジュリアによく似ていて可愛いね」



ノア様が鼻の下を伸ばしています。

なぜか、陛下まで。



「女の子が欲しかったのよねー。色々着飾ることもできるし、何より可愛いもの」



王妃様も大喜びです。


これから魔の3時間授乳期間がやってきますが、今回はなんでもノア様が搾乳について勉強してくださったようで、うまく搾乳が出来れば、昼間の間だけでも少し休むことができます。


ノア様はマリアンヌ様と相談して、私の搾乳がうまくできるようなので、昼間はノア様が授乳してくださることになりました。

本当に優しい旦那様です。


授乳の後ゲップをさせることなどを、真剣に聞いています。

この様子なら、エドワードの時よりも楽に過ごせるかもしれません。


と、思っていたのですが……



「やはりその、男親が娘の襁褓を取り替えるのはどうかと……」



まだ赤ん坊ですのに、変なところに気を遣っています。

ミルクを飲めばおしっこが出るのは当然で、前世のような優れた襁褓はここにはないので、頻繁に取り替えなければなりません。

結局、襁褓を取り替えるのをノア様が渋ったので、私は昼間もあまり休まず子供の世話をすることになりました。

まあ、最初からそのつもりだったのでいいのですけれど。


あ、ちなみに娘の名前はノエルになりました。

エドワードの時はノア様が名付けて下さいましたが、今回は王妃様が名付け親です。

命名権を巡って、くじ引きが行われた結果、王妃様が命名権を勝ち取ったのです。

なんでも、もし娘が生まれたら絶対につけたかった名前だそうで、別の乙女ゲーのヒロインの名前だそうです。


こんな時にも乙女ゲーから離れないなんて、ある意味さすが王妃様です。



ノア様の協力もあって、今回も無事に乗り越えました、魔の3時間授乳期間。


エドワードはすっかり乳離れをしていますが、ノエルに授乳しているのを、羨ましそうに見ていました。



「エドワード。お乳は赤ちゃんの為のご飯だからね。エドワードもおいしいご飯を食べているでしょう?」



伝わっているかはわかりませんが、エドワードに言い聞かせると、グズり出しました。

慌ててノエルをベッドに寝かせ、エドワードを抱き上げます。

そうすると今度はノエルが泣きだして……


結局、ノエルはティレーズが抱っこしてあやしてくれました。


世のお母さんたちはこれを一人でやっているのですから、純粋に尊敬します。


ノア様にそんな話を致しましたら、昼間の間はノア様の執務室でエドワードを見ていて下さることになりました。

正直、とても助かります。


ちなみに、王妃様は毎日欠かさずノエルの顔を見に来ます。

私はと言えば、今のうちからお腹のお肉とたるんだ皮膚を戻す為に、マリアンヌ様から聞いた秘伝の方法で頑張っています。


そんなこんなで慌ただしく半年が過ぎ、ノエルの離乳食が始まった頃。

私は思い出しました。


そう言えば、ノエルが生まれる前夜に、半年経過したら、譲位されると陛下がおっしゃっていましたわね。

ノア様は陛下の仕事を少しずつ引き継いでいるようですし、私も妊娠中に王妃様のお仕事を無理のない範囲で引き継ぎました。


毎日ノエルの顔を見に来る王妃様も陛下も、まったくそんな素振りは見せないのですが、やはり譲位なさるのでしょうか。


夜、ノア様にそれとなく聞いてみました。



「今はまだ孫フィーバーが続いてるから、こちらから何も言わない限りは延期されるんじゃないかな」


「そうですわね。しばらく様子を見ましょう」


「それより、ノエルについてなんだが」


「ノエルがどうか致しました?」


「もう離乳食を始めているだろう?離乳食程度なら私でも食べさせられるし、ジュリアはその間少しゆっくりしていたらどうかな」



ノア様、優しいです!



「ありがとうございます。是非、お願いします」



と、話はここで終わったのですが……



「あの、奥様……」



部屋に戻るとティレーズが申し訳なさそうに切り出しました。



「実は私、先日子供を授かったことがわかったのです」


「まぁ!おめでとう。それなら早速マリアと相談して仕事の調整をしないといけないわね」


「申し訳ありません。このような忙しい時期に」


「そんなこと考える必要はないわ。それよりも本当に、おめでとう。もう、実家には報せたの?」


「いえ、まだ」


「じゃあ、私が紙鷹でとばしてあげるから、あなた、今すぐ手紙を書きなさいな。私は王妃様とマリアに話をしてくるから」



そう言うと、ノエルを抱き上げてさっさと王妃様の執務室へ向かいました。


ドアを開けてくれたのはマリア。

なんてタイミングがいいのでしょう。


私がティレーズの妊娠について報告すると、マリアはとても喜び、早速ティレーズの仕事を調整してくれる事になりました。


王妃様もニコニコです。



「そろそろ即位式を、とマークと話していたのですけど、ティレーズが妊娠したなら、安定期に入るまでは待ちましょう。

ティレーズのことだもの。即位式の準備に全力で取り組もうとするでしょうから」



あ、王妃様、譲位のこと覚えてらっしゃったんですのね。

でも、ティレーズのことを考えると即位式の時期をずらして貰えるのはありがたいです。


「ありがとうございます。ティレーズを部屋に残してきていますので、これで失礼させて頂きます」



部屋に戻って、ティレーズの仕事を調整すること、即位式を延期することを話すと、私はティレーズの書いた手紙を紙鷹で飛ばしました。



ちなみにこの後、仕事量の減ったティレーズを王妃様のお茶会に招いて、出産に対する心構えや、注意事項などがマリアンヌ様から伝えられ、妊娠を知った時のマルコの反応を聞き出して楽しんだりいたしました。



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