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乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第七章 国王の椅子と新たな命
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有り得ない加護

1週間、ノア様にベタベタに甘やかされました。

ちゃんと日常生活に戻れるか不安です。


最終日、私はチーズタルトを焼くと、隠れている使用人さん達に出てきてもらいました。



「1週間、ワガママを聞いてくれてありがとう。私はお菓子を作るくらいしかお礼をできないのだけど、チーズタルトを作ったので、よろしければ皆さんで召し上がって?」


「ジュリア様。勿体のうございます。

私ども使用人に感謝の言葉を頂けるどころか、お菓子までご用意いただいて………

私ども一同、もしまた長期休暇を取られる際には最高のおもてなしを致しますので、いつでもお声掛けくださいませ」



使用人頭の男性に頭を下げられて、慌てて頭を上げるようにお願いしました。



「それでは、馬車の用意もできたようですので……」



そこまで言ったところで、あたりが燦然と輝きました。

嫌な気配ではありません。

どちらかといえば神聖な……


光が収まると、天使様がお一人立っていらっしゃいました。



ノア様と二人で、慌てて膝をつきます。



「私は天使アルミサエル。

ロングアイランド国を正しい道に導いたのは、そなたたちであるな?」


「いえ。私どもはあくまでも正しい行いをしている真面目な国民を見つけ出したことと、法改正のお手伝いをしただけにございます。

すべては、天使様の御慈悲があったからこそ」


「聞いている通り、謙虚だな。

此度のロングアイランドの一件、神が非常に喜ばれている。

ついては、王太子とその妃に加護を与えることとなった」



また?!

また、加護を頂けるんですか?

いえいえ、私はもうお腹いっぱいです。



「謙虚な妃よ。まずそなたに、子宮と胎児を守る加護を。安産の加護はジブリールが与えたのだろう?此度の妊娠も無事出産できるよう、新たに加護を与える」



此度の妊娠?

私、また妊娠したのでしょうか。

しているとしても、まだまだ初期のはず。

一番流産しやすい時期の加護を頂けるのはとてもありがたいです。


「ありがとうございます」


「次に、ロングアイランドを正しく導いた王太子にも加護を。これは、大天使ミカエル様より預かっている。勇気や正義を促し、戦いにおいては守護される。

二人とも、加護を正しく理解し、今後もより良い世界を作っていくように」


「必ずや、お約束いたします」



アルミサエル様は姿を消し、使用人の方々は呆然としています。

そうですよね、天使様のお姿を見ることなど通常であればないのですから。

ノア様が少しぼんやりしているのは、自分が加護を授かったということの実感がわかないからでしょうか。それとも、私の妊娠に驚いているのでしょうか。



「ノア様?」

「ジュリア………また妊娠したのか!やった!

それに、胎児を守護する加護も頂けたぞ!

私にはミカエル様より 勇気や正義を促し、戦いにおいては守護される加護だ!

出来るだけ戦においての加護は使わなくていいようにしなければな。

この世界は、子どもたちのためにも平和な世界にしてやりたいから」



どうやら、呆然としていたのは一気にあれこれ考えていたからのようです。


前回のことを考えると、おそらくまた、国中の教会に天使様が姿を表されて、私とノア様に加護を与えたことを告げているでしょう。


天使様とお会いするのはこれで3度目。

加護を頂いたのは2回目。

まだまだ、モブキャラの私にいいのか!と心配になってしまいます。



「それでは皆様、ごきげんよう」



私たちはまだぼんやりしているのは使用人の方々に声をかけて、馬車に乗り込みました。


帰ったらきっと、大騒ぎになるのでしょうね。



「ノア様。次の子は男の子と女の子、どちらがいいですか?」


「私はどちらでも構わないよ。ジュリアに似れば可愛いこと間違いないからね」


「あら。私はノア様に似てほしいですわ。

最近のエドワードも、すっかりノア様に似てきてとても嬉しいですもの」


「それ以上は、息子に嫉妬してしまいそうだから、やめにしておこう」



ノア様ったら。

ほんとに、こういう所は可愛い方ですね。


私はニコニコと笑いながら王城まで馬車に揺られていきました。

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